CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社トリプルアイズの山田 雄一郎氏にお話を伺いました。
AIやIoTを活用したシステム開発を中心に、最先端の技術で企業の課題解決を支援しているトリプルアイズ。
2022年5月にグロース市場に上場を果たした後も、急速な成長を続けている同社を率いる山田氏に、仕事観から今後の展望まで、様々なお話を伺いました。
僕にとって働くことは人生と一致している感じなので、もう“働く”っていう感覚ではないですね。
“動く”とか“呼吸する”に近いかもしれません。
社長になってから、一気に“働く”という意識ではなくなったんですが、その前から変化はありましたね。
大学卒業後、監査法人に入社し会計士として5年程仕事をしていました。その時は、会社が示す方向性や上司の指示に対して頑張って動いていくことが“働く”という感覚でした。
その後、コンサルタントにキャリアチェンジをしたのですが、自分で進む道を選択したことで、“働く”というよりは自分がやりたいからやっている、自分の成長や実現したい未来や社会のために仕事をしているという意識に変わりましたね。
9年間コンサルタントとして働いて、そこから弊社の創業社長との出会いや、自分自身としてやりたいこととの出会いを経て、今に繋がっています。
もちろんコンサルタントといっても組織の一員なので、指示に沿って動かなければならず、「なんでここまでしないといけないんだろう」と思う場面もあり、“働いている”感覚もずっとありました。
ただ、その先にあるビジョンがちゃんと共有できていれば「なにくそ!」と思いながらも頑張ることができるんですよね。
少し変わったチームだったのですが、1年に1回みんなで会社から離れた場所に行って、議論します。グローバルの動向や日本全体を俯瞰したテーマが多く、今思えば自らの会社や事業の枠を外してあるべき姿を議論できたのは貴重な経験でした。
365日のうちの1日を使って魂ベースでのすり合わせを行い、残りの364日はそのビジョンに向けて徹底的に“働く”。
ハードワークな時期もありましたが、経営者となってからも色々なことがあるので、今ではこの経験にはすごく意味があったなと、感謝しています。
個人的には、空気感とか感覚が自分に合うかっていうのは、大事にした方がいいんじゃないかと思っています。
会社選びをするときに、業績や給与などの定量的な情報を使った選び方もできると思うのですが、そういった情報は全てではないと思います。人生に影響する判断ですからね。
会社も一人ひとりの人間の集合体なので、実際に仕事をするとなったら、誰かと働くことになり、いろんなことが起こる。
だからこそ、その会社の人とリアルで会ったときの会話や雰囲気が自分に合ってるかというのは、僕は大切にすべきだと感じています。
感覚が自分に合うかどうかは、働くうえでのモチベーションの継続だったり、心地よさに繋がると思うので、そういった部分を面接で感じ取れるような工夫をしてみると良いと思います。
トリプルアイズにはいいやつ、いいメンバーが多いと思います。
ベンチャーから始まり、メンバーが入れ替わったりもしていますが、その中でも会社として成長を続けられているというのは、メンバー全体に思いやりや前向きな雰囲気があるから。
だからこそ、チャレンジして失敗しても、それでも諦めず乗り越えて成長していけるような厳しさを併せ持つことができるのだと思います。
また、弊社には日本一になるとかオンリーワンを目指すことを称賛する文化があります。例えば将棋部は、実業団の大会で日本一になっています。囲碁のAI世界大会でも有数の実績を誇ります。
何かの世界で一番になるとか、それを追求するところから学べることはたくさんあると思います。
そういった互いの世界を、社員同士で理解し合えるところもトリプルアイズの特徴ですね。
トリプルアイズはエンジニアの会社ではありますが、“人と人”が関わることを大切にしています。
会社としてもリアルでコミュニケーションができる交流の機会などを作るようにしていて、バーベキューなどのイベントや社員旅行もありますし、部活動も盛んです。
また、なるべく他の会社とは違う、オンリーワンでありたいと思っていて、社員への誕生日プレゼントや、社員の奥様のお誕生日には私が花を贈るなどもしています。
コミュニケーションの仕方や在り方も、僕が体現することで社員にも伝わっていくんだろうなと思っていて、僕自身はとにかく自然体でいるようにしていますね。
弊社はグロース市場の中で時価総額の半年単位での伸び率でトップ10に入ったりと、現在成長真っ只中です。
グループ従業員数はここ4年で200名弱から500名ほどになり、売り上げの規模も3倍近くになっています。
今後は、時価総額1兆円を目指しており、ますます会社として伸びていく確信があります。
2つあります。一つはやはり、テクノロジーや技術に夢中になれる人、スキルを磨き続けたり、努力できる人ですね。
もう一つは人間力であったりコミュニケーション力であったり、誠実さ。
成長する余地や挑戦の機会となる仕事がたくさんあるので、ぜひ良い方と出会いたいと思っています。
やりたいことだけをやれるわけではない、そんな状況でもがむしゃらに働き、「ハードだった時期にも、今は感謝している」と話す山田氏。
“働く”ことが“動く”ことや“呼吸”することに近い感覚である、という言葉は、自分自身の成長をストイックに追求し続けてきた山田氏だからこその言葉だと感じました。
大きな絵を描きつつも、今置かれた場所で目の前の仕事に全力で向き合う。それこそが自分を大きくする唯一の方法なのだと、改めて学ばせて頂きました。
編集:冨樫 麦野
「テクノロジーに想像力を載せる」を経営理念に掲げるAIソリューション企業。 2008年の設立以降、主にWebシステム開発、インフラ構築、AI・IoT関連開発を手がけるSI部門と、顔認証技術を活用したAIZE部門を中心に事業を展開。 2019年にはAI画像認識プラットフォーム『AIZE』を発表するなど、技術革新にも積極的に取り組んでいる。2022年5月東証グロースに上場、大型2社のM&Aも経て成長中。