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「世界でいちばん人を輝かせる会社」を掲げるCEOに訊いた、会社選びのポイント

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#多数精鋭#経営者=幸せの専門家#グッドカンパニー

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は、株式会社シンクスマイル・新子 明希氏にインタビューしました。
企業が増え働き方が多様化している現代において、なにを軸に会社を選び、働いていくべきなのか。新子氏の経験や仕事観から、具体的なアドバイスを頂きました。就職活動中の学生にぜひ読んでいただきたい記事です。

株式会社シンクスマイル
新子 明希
新子 明希社長プロフィール画像

1972年生まれ。高校時代にアメリカ一周を経験し、19歳で起業。2007年に株式会社シンクスマイルを創業し、代表取締役社長に就任。
現在は「世界でいちばん人を輝かせる会社」を掲げ、チームワークアプリ「RECOG」を通じて、組織の称賛文化の醸成やエンパワーメントの必要性を広げている。NHK「おはよう日本」「クローズアップ現代」TBS「Nスタ」など、メディア出演も多数。

新子 明希社長プロフィール画像

今は生き方が広がった良い時代、
しかしだからこそ自立した選択を

昨今の若者の仕事観をどう捉えていますか?

働き方に対して色々な意見が飛び交ったり欲がなくなってきていると言われていますが…私は、今の若い世代は非常に優秀だと思っています。
その中でも「社会問題を解決しよう」という志を持って起業する方も増えてきているので、社会起業家がもっと増えたらいいのになと思います。

新子さんも19歳の時に起業をされていますよね。当時はだいぶ珍しかったのではないかと思いますが、起業に至った経緯をお聞かせいただけますか?

もともと「学歴も家柄もないけれど、他の人より抜きん出たい」と思っていました。
17歳の時にアメリカ一周の旅へ出て、そこである起業家の方の「経営者は幸せの専門家だ」というお話を聞いたのがターニングポイントです。

その方は「経営者になるとは、従業員やお取引先といったステークホルダーの幸せを実現していく…つまりは“幸せの専門家”になることだよ」と。
10代がこんなお話を聞いたら痺れますよね。それで起業を志しましたし、“幸せの専門家”は今も私のライフテーマとなっています。

多方面の幸せ…社名とリンクしますね。

ありがとうございます。おっしゃる通り、当社の社名“シンクスマイル”は“5つの笑顔”という意味です。フランス語で5は“cinq”(シンク)、これに考える“think”と“smile”を掛け合わせて、5つの笑顔をいつも考える会社として名付けました。

5つとは、自分・家族・仲間・顧客・世界です。人生においてこの5つが関係しないシーンって存在しないし、誰か1人でも笑っていなかったら事業は続かないんです。
例えば、自分と家族と社員は笑っていても、お客様が喜んでいなくて環境破壊もしていたら、その事業には価値がありませんよね。「働く」とは、自分と周りの人すべてを笑顔にすることなんだと思います。

会社選びのポイントは、会社と社員が使っている言葉と表情

御社のような会社に入れる方は幸せだろうなと思いました。CEO VOiCEの読者層は就活生~20代の方なのですが、今就職活動中の学生へ向けて、アドバイスをいただけますか?

人は初めて入った会社の影響を強く受けます。だから「この会社の影響だったら受けてもいいかな」と思えるところを選びましょう
ミッション・ビジョン・バリューが、自分の価値観と反さないか。この会社の掲げる方向性に違和感がないと思えたら第1ステップはクリアですね。

次に大事なのが、その会社で働いている人と会うこと。
会社がキラキラした言葉を発信していても、社員がつまらなそうな顔をしていたらどうでしょう。また「社員を大切にしている」とお話される社長はたくさんいますが、実際に社員が大切にされていると感じているかは別問題です。
会社が発信するミッション・ビジョン・バリューと、現場の人の表情にギャップがないかを確かめることが大事です。

また、社員がどういう言葉を使っているかを注意して聞いた方がいいですね。
例えば、お客様のことを“客”って呼んでしまう会社はおすすめしません。社員がお客様を下に見るような言い方をするのは、経営層が社員を下に見ているからです。社員が発する言葉を会社のカルチャーだと思って、よく聞いてみてください。

思う存分にキャリアを築いていきたいという方には「起業せぇ!」と言いたいです(笑)
社会には、食料や気候をはじめとした社会課題だけではなく、多くの人が気付いていない課題がまだまだたくさんあります。
いまだ問題視されていないようなことに自分なりに疑問を持ち、考えてみることがビジネスの種になるので、自分でその種を育ててみてほしいです。

経営理念のもと、
皆にとってのグッドカンパニーを実現していく

今後、組織を拡大していきたいといったことはお考えですか?

組織を大きくしていこうとはあまり思っていません。“ビッグカンパニーよりもグッドカンパニー”と考えているので。

ただ2010年代にSaaSビジネスを始め、「RECOG」を拡大させるなかで、SaaSって少数精鋭じゃ無理だっていうのがわかってきたんです。お客様への価値をもっと出していくには、優秀な人がもっとたくさん必要。多数精鋭を目指して、「RECOG」をより良くしていくためにも採用活動をしています。

なるほど。ちなみに新子さんにとっての“グッドカンパニー”とはなんでしょうか。

10人いたら10通りのいい会社があっていいと思いますが、僕としては入社した時より退職する時に成長したと思える会社がいい会社だと思います。だから、社員が卒業する時に成長できる会社にしようと決めました。

成長するには、失敗も成功も含めて“経験”を積まないといけませんね。経験してもらうには、挑戦できる環境が必要です。
実はそれを言語化したのが、当社の経営理念である「したことない。をへらす」なんです。今後も社内外問わず、この経営理念のもとますます挑戦し、「RECOG」を世の中に広げながら、5つの笑顔を増やしていきたいと思います。

編集後記

ミッション・ビジョン・バリューを知り、現場の人と出会い「この会社の影響なら受けていいかな」と判断するというお話を聞き、暗に「入口から“自分の責任、自分次第”なのだ」と言われたのだと思いました。
自ら道を拓いてきた新子氏ならではのアドバイスに、心がカッと熱くなりました。
大事なのは自分が納得して進むこと。これは会社選びに限定した話ではないでしょう。私も心に留めて、日々の業務に励んでいきたいと思います。

編集:佐藤 由理

「株式会社シンクスマイル」概要

2007年6月6日に設立されたHR techサービス「RECOG」を開発・運営する会社。
主な事業内容はチームワークアプリ「RECOG」の開発・販売で、企業のチームワーク向上を目的としたサービスを提供し、顧客の組織力強化を支援している。東京都千代田区に本社を構えている。子会社に「CINQSMILE VIETNAM Co.,Ltd」。

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