株式会社Another works・大林 尚朝氏にお話を伺いました。
“タイミング”や“視座”、“大義”など…仕事を語る上でお決まりの言葉は多々ありますが、はたしてその意味を理解できているでしょうか。本インタビューでは、大林氏の視点からこれらの本質やそれに紐づく実践的アドバイスを頂きました。
非常に素晴らしい、夢のある世代だと思っています。
彼らは幼い頃に3.11を経験し、1番感情が育つタイミングでコロナ禍になって…対面コミュニケーションの機会がなかなか与えられなかった世代ですよね。未曾有の事態を経験してきたからこそ「社会に対して自分は何ができるか」「人と会えない中、自分をどう表現すべきだろう」と考える機会が多かったはず。
今の30~40代や、失われた30年を支えてきてくださった先輩世代とは違った価値観や努力の仕方を知っているのではないかと思うので、それを強みとしてビジネスに活かしていって欲しいなと思います。
今は知識や情報が簡単に得られる時代だからこそ、それを安易に信じず“自分で直接見聞きして一次情報を得る努力を重ねること”が重要だと思います。
情報を足で稼ぎ続けることで、新たな世界や普通にしていたら知り得ない情報が手に入る。やがてそれを求めてくる人や企業が現れ、自分の価値が上がる。ビジネスにすればお金に、転職においても市場価値になります。これからはそういった働き方がキャリア形成のカギになると思うので、情報化社会を“効率的”とだけ捉えず、泥臭く足で稼ぐことが大事ですね。
そうですね…幸せとは点ではなく“成長の幅”なんですよ。
結果が出ないうちは苦しくても、振り返った時に気づく成長の幅に幸福を感じられるので、めげずに未来軸をもって働けると良いですよね。特に若い世代は努力が早い段階で成長につながる時期です。もちろん果てしない時間を自己成長のために使いましたが、それが自分の幸福につながったので良かったと思っています。
新卒1年目ですね。配属1ヶ月で初成約を上げられたことに胡坐をかき、謙虚さがなくなった時から、成約ゼロの状態が3ヶ月続きました。
努力しても成果が出ないという状態が続いてたどり着いた答えは「誰よりもやるしかない」ということでした。土日も関係なく問い合わせやテレアポをし続けて、ある時大手企業のトップの方のアポが取れて受注につながったんです。土日まで働くことを皆さんに推奨したいわけではありませんし、効率よく成果を出す方が大事だとは思いますが、その時の自分には「成果はタイミングと行動量の掛け合わせなのだな」と学べた貴重な出来事でした。
どれだけ行動してもタイミングが合わなければ成果は生まれないけれど、行動しなくてはその機会と出会うことすらない。ここに気づけたことは僕にとってターニングポイントになりました。
自分の中でとにかく“どういう機会が欲しいか”アンテナを張り続けること”です。例えば僕は、会いたい経営者の方を5人くらい頭に浮かべています。「この方と会いたい」と思いながら、周囲にも言いながらとにかく行動をする。その結果これまで会いたいと思った人には全員会えてきました。
そうですね、僕は運や縁を強く信じています。
なによりAnother worksの社員たちもそうです。全員違う人生を生きてきた人たちが会社という1つの場所に集まっているのは、運命に引き寄せられたからだと思っています。これってとてもロマンチックですよね。
もしこの記事を読んで大林と話したいと思ってくれた人がいたら、DMを送っていただくのも良いです。記事が目に留まった・話したいと思った・DMを送った・僕が読んだ…1つひとつがタイミングと行動の積み重ねなのだと思います。自分の手で掴んでほしいし、そんな人と出会えたら僕も嬉しいです。
一言で言うと“自己実現”じゃないでしょうか。
人間はとかく他人と比べて“何者か”になろうとしますが、大事なのは何者かになることではなく“どんな自分になりたいか”だと思います。仕事を通じてそれを叶えられたらとても幸せな人生ですよね。自分なりの大義を持つことが大事です。
そして今その実現に向けて、Another worksという船に乗ってくれている社員には本当に感謝しています。ビジョンを実現することは簡単ではないので、一緒に走ってくれている仲間には本当に頭が上がりません。彼らがいての自分だと思っています。
視座を高く持ちましょう。
具体的には…僕は、視座とは主語と同義だと思っています。例えば、主語が自分かチームか、あるいは会社なのか社会なのかで、視座の高さとそこに紐づいて行動が変わってくる。経営者である僕の場合主語を会社にするのは当然です。より高い視座を持つために、主語を社会や日本にして考えることを意識しています。
「この会社どうなっていくんだろう」と、ぼーっと見ているのは主語が自分ですよね。傍観者でしかなく、行動につながらない。主語をチームより上にできると、自然と「この会社どう伸ばしていこう、そのために自分はどう価値貢献できるだろう」と当事者として考えられるようになります。そう考える中で、自然と大義が見えてくるはずです。
世の中には当事者か傍観者しかいません。仕事においても人生においても、主語を自分の外に置き当事者として取り組むようにしてください。その努力は人生を豊かにしてくれるはずですから。
私はこれまで時代の流れに呑まれてしまい、かえって“働く”とはどういうことか曖昧になっていました。しかし大林氏が“わかったつもりになっていた言葉”を1つずつ紐解いていってくださったことで、働くことの輪郭が見えてきた気がします。
常に当事者として目の前の状況と向き合う。それが視座を高めるということであって、その先に大義が見えてくる。心に留めて働いていきたいです。
編集:佐藤 由理
「挑戦する全ての人の機会を最大化する」をビジョンに掲げるスタートアップ企業。2019年9月に総合型の複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」をリリース。
ミッションである「複業の社会実装を実現する」ために、一部上場企業からスタートアップ、自治体、スポーツチーム、教育機関など、業種業界問わずあらゆるドメインで複業人材の登用を後押ししている。