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アジアの経営者を見据えるCEOの思考法と、
多国籍なチームの動かし方

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#Like the Olympic team#未来志向#グローバル人材

CEOの仕事観を知るメディア「CEO VOiCE」。今回お話を伺ったのは、AnyMind Group株式会社・十河 宏輔 氏です。 東南アジアにおいて凄まじい成長性・未来志向の若者と接しながら働いてきた経験をもとに、現在世界を股にかけてビジネスを展開中の十河氏。同氏が掲げるビジョンや仕事観から、成功の秘訣に迫ります。グローバルに活躍したい若者、必読です。

AnyMind Group株式会社
十河 宏輔
十河 宏輔氏のプロフィール写真

2010年、日本大学を卒業後株式会社マイクロアドへ入社し、同社での最年少取締役としてアジア全域におけるビジネス拡大に貢献。
16年共同創業者・小堤とともにAnyMind Groupを創業以来新しい市場やプロダクト、事業領域にて全速力で開拓し続けている。すべての個人や企業がより簡単にグローバルでビジネス展開できることを目指し、事業を拡大している。

十河 宏輔氏のプロフィール写真

未来や成長を信じられる環境に身を置くことが、より良いマインドを醸成する

昨今の仕事観の変容について、どう捉えていますか?

人それぞれ価値観は違いますから、多様性が尊重されて、各々が働きやすい環境で働けるのがいいと思います。
僕はアジアでビジネスをしているのでその観点からお伝えすると、成長市場であるアジアで働いている人の多くは「明日は今日より明るくなる」と思っている、と感じています。
頑張れば頑張った分だけ返って来る、成長できると信じているので、ものすごく働く。それも嫌々ではなく楽しんでです。
何事にも前向きに取り組み、高みを目指し続けられる人はやはり大成することが多いですね。
日本は、人口減少やネガティブニュースを耳にすることも多々ありますが、そんな中でもやっぱり「未来はより豊かになるよね」と信じて働くことって大事なんじゃないかと思います。

日本には未来志向の人材が不足している、と。

はい。ただ僕は、これを国の問題にしたくないと思っています。
日本人がネガティブなのではなくて、正しくは、成長や将来を信じられるような環境にいないから、そういったマインドにならないだけだと思います。
僕は2012年頃、東南アジアでのアドテク事業の立ち上げに携わっていました。もちろん東南アジアの市場は伸びていっているし、アドテクも当時はインターネットビジネスの最先端。つまり成長市場×成長産業だったんですよね。
環境次第でこんなにも圧倒的な成長率を保てるんだと肌で感じて、そこから僕の価値観も変わっていきました。例えば他人が100を目指すのなら、僕はデフォルトで1,000、10,000を目指すという具合に。
マインドというのは、その人が所属するコミュニティやそれまでの経験から形成されるものです。成長企業でチャレンジするほうが、ポジションもチャンスも広がり、より良いマインドを身に着けていくことができると思います。

成長企業の見極め方はありますか?

難しいところですが…会社のビジョンが明確か、どれくらい視座を高く持って取り組んでいるかが大事かなと思います。

十河 宏輔氏

問題は成功へのステップ、悲観的になる必要はない

その成長過程や創業されてからも、色々なことがあったと思います。
挫折や失敗経験はありますか?

事業での失敗はこれといってありませんが、多国籍のメンバーと働いているので、マネジメントや組織づくりに関しては壁にぶつかることもあり、改善を繰り返しています。

生まれ育った環境が異なる人同士が理解し合うのは、難しいことでしょう。

確かにそうですね。そこで当社では、コーポレートバリューとして、いくつか共通の価値観を掲げています。
例えば「Be Open」や「Be Bold」。それぞれ“お互いフラットにコミュニケーションをとっていこう”、“何事にも大胆にチャレンジしていこう”という意味が込められています。

これらは僕がかつて、多様な国籍のメンバーでチームを構成し、事業を成長に導いた経験を振り返った時に大事だと感じたことです。
手前味噌ですが、僕はどんな国籍の人とでも良好な関係を築けてきたので、きっとベースに置くべき価値観は同じだろうなと思い、設定しました。

こうしたバリューを守りつつ、メンバーがモチベーション高く働けるよう、採用やオンボーディング、キャリアアップなどは日々進化させていっている感じですね。

どんな物事に対しても、前向きに考えられているのですね。

ありがとうございます。大事なのは捉え方だと思います。

僕は、問題が起きた時は、この先自分が強くなるために改善すべき課題だと考えるようにしています。再発防止について考えることも重要ですが、あまりネガティブになると、失敗を恐れて消極的になってしまいます。
悲観的になりすぎず、成功するために越えなきゃいけないものだと捉えられたら、ポジティブに向き合えると思います。

十河 宏輔氏

アジアのトップへ向けて「Like the Olympic team」をコンセプトに突き進む

最後に、今後の展望を教えてください。

各国のトップアスリートが集まるオリンピックのように、各国のトップ人材が集まってくるチームにしていきたいという想いから、組織のコンセプトを「Like the Olympic team」としています。

労働人口が減ってゆく中で、今後ますますグローバル化は無視できなくなってくると思います。当社は海外でスタートしたということもありグローバル化には本気で取り組んでいますし、現時点で売上の50%を海外が占めています。アジア市場において業界ナンバーワンを取りに行くつもりです。
成長志向を持つ人をどんどん仲間に迎え入れながら、オリンピックチームのように一丸となって、世界で戦っていきます。

編集後記

インタビューの終わり、十河氏が「長いことアジアでビジネスをしてきたので、アジアの未来を信じたいのです」とこぼされたことが印象的でした。
十河氏のように、自身の/会社の/日本の…ひいてはアジアの未来を信じられる若者が1人でも増えれば、きっと世界は明るくなっていくはず。

もし今自身のキャリアや未来に希望を持てないのなら、「日本が」「時代が」と、自らの意思で動かせないものを主語にするのではなく、思い切って環境を変えてみましょう。その一歩が、世界中の「今日より明るい明日」へつながっているかもしれません。

編集:佐藤 由理

「AnyMind Group株式会社」概要

2016年4月に創業。ブランド企業及びインフルエンサー・クリエイターなどの個人向けに、EC及びD2C領域を中心としたブランドの設計・企画から、生産管理、ECサイトの構築・運用、マーケティング、物流管理をワンストップで支援するブランドコマース事業を手掛けている。
このほか、Webメディアやアプリを運営するパブリッシャーとクリエイター向けに、パートナーグロース事業を展開中。

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