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「人はなぜ働くのか」
仕事と幸せの本質を紐解く、辣腕CEOの哲学

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#人材の海外流出に歯止めをかける#共感ポイント#人間らしさとは

若者がCEOの(=高い視座の)仕事観を学ぶためのメディア「CEO VOiCE」。今回お話を伺ったのは、アルサーガパートナーズ株式会社の創業社長・小俣 泰明氏です。
「上を目指してきたがそれ自体が幸せではない」「AIの時代に、人間らしくいるためには…」といった、小俣氏の様々な哲学から「人はなぜ働くのか」が見えてきました。

アルサーガパートナーズ株式会社
小俣 泰明
小俣泰明社長のプロフィール画像

大手ITベンダーで技術職を担当し、システム運用やネットワーク構築のノウハウを習得。2009年、クルーズ株式会社に参画し同年6月に取締役に就任。翌年5月同社技術統括担当執行役員に就任。CTOとして大規模WEBサービスの開発に携わる。
12年からITベンチャー企業を創業し、3年で180名規模の会社へと成長させたのち15年に辞任。2016年、ITサービス戦略開発会社アルサーガパートナーズ株式会社を設立。

画像引用元:アルサーガパートナーズ株式会社公式サイト(https://www.arsaga.jp/about-us/management-team/

小俣泰明社長のプロフィール画像

幸せになるために重要なのは、
いかに多くの“共感ポイント”をつくるか

ワークライフバランスが重視されるようになり、働き方にも変化が出てきています。Z世代の仕事観への所感を伺いたいです。

僕自身はベンチャーの取締役になったり創業したりと、常に上を目指してきて今ここにいますが、必ずしもそれ自体が幸せなことかっていうとそうじゃないんですよね。
僕が学生の頃は「いい大学へ行って大手企業に就職することが幸せだ」と押し付けられるようなところがありました。そうではない幸せだってたくさんあるのに、皆それが幸せの形だと信じていた。
でも今は自分で自分の働き方や幸せを選べる。良い時代になったのではないかなと感じています。それぞれの価値観を変える必要はないと思います。

今の“立場”自体が幸せではないとのことですが、小俣さんにとっての幸せとは何ですか?

僕の中では「幸せになるために仕事をしている」という感覚ですね。
人間は共感すると幸せになることができます。でも共感するには人と接する必要がありますよね。ずっと1人でYouTubeを見たりゲームをしたりしていても、自分が楽しいだけで共感は生まれない。この共感を感じるための社会活動が仕事なんです。

立場とは幸せになるために働いた結果のひとつに過ぎない、と。

そうですね。お金も立場も付帯的なもので、それ自体が幸せではないということです。
また、共感するだけなら仲間とバスケットをしたりご飯を食べに行ったり、どんなことも共感…その先の幸せをつくるための工程になりますが、ビジネスの場合はミッションがありますよね。趣味や生活にはないような、簡単には叶えられないミッションが。それを一緒に立ててから達成するまでにはたくさんの共感ポイントができる。共感の多さは幸せに直結するので、僕の場合は仕事に打ち込むほど幸福度が高まっていったんですよね。

なるほど。仕事に限ると、共感ポイントをつくるには会社選びが重要になりそうです。若い世代へ向けてアドバイスをいただけますか?

企業が掲げている経営理念を見て、自分が共感できるところを選ぶのが良いのではないでしょうか。
少し前によく言われていた「成長できる会社」としては、教育制度が整っている大企業か、社長の近くで働けるような小規模なベンチャーが良いと思います。一口にベンチャーと言っても色々あって、あまり人数がいるところだと必ずしも周囲が優秀とは限りません。視座を学べるようなポジションにつけるなら非常に価値があります。

生成AIの時代に生きているからこそ
“人間らしくあり続けること”を考えたい

御社には、小俣さんのそういったお考えに共感して入社されている方が多いのですか?

はい。当社には色々な共感ポイントが生まれているなと感じています。
「僕らの手で日本を豊かにするために、外資へ流れるのではなく日本発コンサルティングとして戦っていこう」という経営理念だったり、僕がエンジニア出身なので開発者の気持ちをわかる社長だと期待してくれたり。人によって見ているポイントはさまざまですが、どこかしらに共感して入社してくれていると思います。
また共感性を高めるために、日頃から僕の言葉で会社の目指す方向性を伝えるようにしています。

御社のミッションは「人をつくる」ですよね。込められている意味を教えてください。

メンバーが皆魅力的な人間になれるようにという想いですね。この場合の魅力とは人間らしくあり続けること、人間らしさとは頭が働くことです。
例えば、Pepperくんもアレクサも「おはよう」と言えば「おはよう」と返してくれますが、それは考えて返しているわけではなくそうプログラムされているからですよね。おはようと言われたら「おはよう、今日はいい天気だね」「顔色良くないけど大丈夫?」など、相手の表情を見たり慮ったりして言葉を選ぶ。そういう行動が人間を人間らしくいさせるのだと思います。
それには頭がきちんと働くように意識してトレーニングしなくてはいけません。頭と筋肉は同じで、使わずにいるとどんどん考える力が低下して社会の波に流されるだけの人間になってしまいます。

常に自分の意思や感情を感知できる、それを思考してアウトプットする力が高い人はとても魅力的です。ロボットのような生き方ではなく「常に魅力的に輝けるように」という観点でも、人間にしかできない仕事を生み出し、皆で追求していきたいと思っています。

大好きな日本の未来を守るため、
アルサーガが人材流出に歯止めをかける

小俣さんをそれほどまでに駆り立てる、モチベーションや情熱というのはどこからきているのでしょう。

僕は日本が大好きなんです。世界中の色々な国へ行きましたが、やっぱり日本が最高なんですよ。大好きな日本にはいつまでも魅力ある国であってほしい。そのために寄与したいというのが、僕のモチベーションかな。

これには先ほどお話した経営理念が関わってくるので詳しくお伝えすると…僕らがビジネスにしているIT・ソフトウェアの仕事はとても良いものだと思いますが、日本国内でやり続けるには、日本国内で土台をつくっておかなくてはいけないんですよね。
でも大手企業はオフショアで開発を海外に依頼したり、コンサルも外資系コンサルに依存したりしている。人材に関しても、優秀な人ほど成長したいと思って外資系企業に就職したり、海外に出ていったりしている。結果日本からお金が出ていってしまっている状態。僕はこの流出を止めなくてはいけないと思っています。

だからこそプライム上場を目指されている?

はい。高い成長意欲を持った魅力的な人が「入りたい」と思える会社を日本国内につくらなくては、流出は続くでしょう。誰かがやらなくては本当に日本が貧しくなってしまう。幸い当社には想いに共感した社員たちが集まってくれているので、皆の力を借りながら、日本を守ることひいてはその発展に寄与していきたいと思います。

編集後記

人はなぜ働くのか_それは幸せになるため、そして人間らしく生きるため。小俣氏の答えを前にして、若者の働き方や意欲などに対して為されている議論は、表面上のことでしかないのかもしれません。
時代がつくりあげた仕事観に流されず、私が私らしく幸せになるために、もっと思考し本質を見つめなくてはいけない。改めて襟を正されました。

編集:佐藤 由理

「アルサーガパートナーズ株式会社」概要

アルサーガパートナーズは、成長し続ける流行の発信地“渋谷”に拠点を置く総合ファーム。「日本のDXを世界で誇れる産業へ」をビジョンに掲げ、DXサービスをワンストップで提供するため、コンサルティングからシステム開発、保守・運用までの体制を整えている。
「最高品質を最速で」をスローガンに掲げ、お客さまに寄り添いながらビジネスの成功をより確実なものへと導いている。

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