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20代で取締役、CEOへ_そのキャリアに学ぶ、“成長する人”に共通する思考

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#“誰か”が“会社”になっただけ#「すべて自分のせい」と思うこと#働くとは

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回インタビューを受けてくださったのは、株式会社ブランジスタの代表取締役社長・岩本 恵了氏です。
ガムシャラに働いたという20代当時のことを伺う中で、岩本氏の“洗練された”仕事観が見えてきました。

株式会社ブランジスタ
岩本 恵了
岩本 恵了社長のプロフィール画像

1990年より、法人・個人向け商品を扱う複数社で営業職を経験。97年に株式会社ネクシィーズ(現・株式会社NEXYZ.Group)に入社し、99年に同社の取締役へ就任。2000年に同社のメルマガ会員の運営を目的にイデアキューブ株式会社(現・株式会社ブランジスタ)が設立され、代表取締役社長に就任。現在に至る。

岩本 恵了社長のプロフィール画像

“会社が目指すところ”のために、ガムシャラになった20代

20代でNEXYZ.Groupに入社されてから2年で取締役になられたとか。相当努力されたのだろうなと思います。

NEXYZ.Groupへの入社当時は、社員数がまだまだ少なかったですが、志は高く、東京証券取引所への上場を目指している最中でした。
明確な目的に向かって、社員一丸となって進んでいたため、休日も仕事のことばかり考えていましたが、“やらされている”感覚はなく、取り組んでいました。
人生をかけて上京し、NEXYZ.Groupに入社したという経緯もあって、苦しさよりも、会社の目指すべきところへ皆で向かっていくことの面白さや、やりがいの方が大きかったように思います。

辞めたいと思ったり、心が折れたりすることはありませんでしたか?

確かに頭をよぎったこともありましたが、退職届けを書くといった行動に移すことはまったくありませんでした。
僕は営業経験者という立場で入社していましたし、ほとんどのメンバーが僕よりも若かったので、弱いところを見せず、とにかく“引っ張っていく”ことを意識していました。

そうした20代を経て今があると思いますが…そんな岩本さんは現代の仕事観についてどう捉えていますか?

会社の方向性を共有して、共感して、そこに志を持って動ける環境を作るために、社員としっかりコミュニケーションを取れる機会をつくるようにしています。それこそ最近だと“社員と交流するための食事会なんて要るのか”という考え方もあるとは思いますが、僕は対話が重要だと思うので、現場社員と直接話す機会を設けるようにしています。

昨日も入社1年目の社員数名と僕で食事に行ったのですが、彼らの話を聞いて改めて“仕事をする意味・ベクトル”などは若い世代もそんなに変わっていないんだなと実感したんです。
僕らの世代の働き方と現代の働き方は違うけれど、それはスマホやSNSなどが普及して“効率化”したからこそとも言えるし、それは現代の良いところだと思います。

それ以外の仕事への想いや姿勢は、1年目も2年目もベテランも、変わらないように思います。これは実際に社員と会話する中で実感していることです。

岩本 恵了社長が社員と会話している様子

働くとは、“誰か”の規模が大きくなっていくこと

そんな岩本さんにとって“働く”とはなにか、お考えを教えてください。

若い時は給与や環境といった条件面を気にしていましたが、上京してからは自分のことよりも誰かのこと、地域のこと、ひいては日本のこと…仕事をしていく上での重きを置くところが変わった気がします。

なぜなら、自分のことだけ考えていては仕事なんてできないし、誰もついてこない。それに、そんな社長の会社に勤めている社員も不幸だと思います。だからこそ誰かのために働くことが重要で、自分のことは後々でいいんじゃないかと思います。

きっかけとなる出来事はありましたか?

僕の場合は、初めて部下を持ったタイミングからですかね。
部下を持つと、自分の成績のために数字を上げるのではなくて、チームの成績のために自分の数字を上げるんだっていう考え方が芽生えるんですよ。そこから“誰かのために”と考えるようになっていきました。

それがすべての源だし、社長になったということも、結局は“誰か”が、少数のチームから課になり、部になり、事業になっていって、会社になったというだけなんですよ。

岩本 恵了社長と社員がミーティングをしている様子

岩本さんのように仕事にのめりこむ状態をつくる上で重要なのが、“自分はどうしたいのか”を見つけることだと思います。ただそこに悩んでいる若者も多くいます。

まず、働くと決めたからにはガムシャラにやることが大切ですね。
ただ自分だけでやろうとしてもなかなか難しいので、先輩や会社の仕組みを活用しながら、自分がやりたいことを見出していくのもひとつだと思います。

やりたいことが明確でなくても、自分が共感できる会社に入社すれば、そこから先は働いたり指導を受けたりする中でやりがいを感じられるようになっていくと思うんですよね。
そこに関しては多少他力でもいい。自力で全てをやらないといけないってことではないと思います。

頑張る前提として、共感できる会社を見つけることが重要ですね。会社選びにおけるアドバイスを頂けますか。

条件面以外で申し上げると、“その会社がなにをやろうとしているか”が1番大事だと思います。あとは、それを自分が一緒に成し遂げたいと思うか、そこにモチベーションが湧いてくるかですね。
できれば社内見学に行って、社員がどういう表情で働いているかをしっかり見たほうが良いです。やっぱり社員が暗い顔で仕事している会社に入ると、自分もそうなってしまいがちですから。

成長を加速させるのは
「すべて自分のせいで、他人のおかげ」というマインド

最後に岩本さんから若者へメッセージを頂けますか。

僕から伝えられることはそんなに多くないのですが、1つお伝えするなら…成長する人の特徴は、やらされるのではなく“なんでも自分事として捉えてやっていくこと”なんですよね。
悪いことが起こった時に、他人や環境のせいにする人間もいますが、そうでなくて「すべて自分のせいだ」と思うことです。

結果が悪かった時は、自分にベクトルを向けて“なにが悪かったか”を分析する。反対に良かった時は、もちろん自分の頑張りもありますが、それ以上に周りに対して感謝の意を持つ。これは全く綺麗事ではなくて、本当にそうなんですよ。
すべては自分のカテゴリ内で起こっていることで、悪かったら自分のせいで良かったことは他人のおかげと思う。そういうふうに考えると、成長スピードは格段に速くなります。

僕自身も今社長をやらせていただいていますが、ここまで来られたのも周りの皆さんのおかげですから。

そのマインドと成長とは、密接にかかわっているでしょうね。

はい。会社を選ぶことも重要ですが、もっと大事なのは、入社後そうしたマインドを持って働くことだと思います。
すぐには難しいかもしれませんが、今のうちから癖づけておくと良いですね。後々必ず、結果に表れてきますよ。

岩本 恵了社長がインタビューを受けている様子
編集後記

インタビューの終わりに「こんな話はきっと皆さんも、生きてこられた中で親御さんや先生から聞いたことがあるでしょう。それをもう1回思い出すということが重要なのだと思いますよ。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
大事な言葉はすでに一度触れている。それを心に留め、思い出す素直さを持てるかどうかが、成長を左右する。この学び自体を心に刻み、持ち続けたいと思います。

編集:佐藤 由理

「株式会社ブランジスタ」概要

2000年にイデアキューブ(株)として設立し、販売促進支援サービスの提供を開始。07年に兄弟会社の(株)ブランジスタを設立し、電子雑誌を創刊。イデアキューブで、電子雑誌の広告販売を開始。 11年には、経営基盤・技術力強化のため、イデアキューブがブランジスタを吸収合併し、現(株)ブランジスタとなり、15年には東証マザーズ(現東証グロース)に上場を果たした。 22年には初期費用0円かつ月々定額でタレントを起用できる「アクセルジャパン」の提供を開始し、事業拡大を続けている。

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