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時代から遅れず、流されもしない_
変化する時代を“乗りこなす”ために必要な考え方

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#挑戦と成長のサイクル#世界を変える#成長のカギ

日々変化する社会の中で、企業はどのようにして成長し続けることができるのか_?
株式会社CARTA HOLDINGSの代表取締役 社長執行役員、宇佐美進典氏は「想いはブラさず、価値観の変化へ柔軟に適応することだ」と語ります。
その背景には、インターネットの可能性に魅了されリスクを恐れずに挑戦し続けてきた、彼自身のストーリーがありました。

株式会社CARTA HOLDINGS
宇佐美 進典
宇佐美 進典社長のプロフィール画像

早稲田大学商学部を卒業後、トーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に入社。
ソフトウェアベンチャー企業を経て、1999年にアクシブドットコム(後のVOYAGE GROUP)を共同創業。2001年にサイバーエージェントと資本業務提携し、2005年にサイバーエージェントの技術部門取締役就任。2012年に同社からMBOし、2014年に東証マザーズ、後に東証一部へ上場した。
2019年にCCIとの経営統合でCARTA HOLDINGSの代表取締役会長兼CEOに就任し、現在に至る。

宇佐美 進典社長のプロフィール画像

想いはブラさず、変化には柔軟に
“調和をとること”が成長のカギ

昨今の働き方の変化について、どう捉えていますか?

価値観は時代のトレンドに影響を受けて変化するものなので、働き方に関しても都度考え方が変わってゆくのは自然だと思います。それに対して必ずしも迎合する必要はありませんが、社会の中に会社が存在している以上、社会に上手く適応していけたほうが良いですね。

迎合するのでも「自分がこうしたい」という気持ちを突き通すのでもなく、世間で一般的とされている価値観を咀嚼して、自分の価値観と調和をとるのが大事なのだと思います。

宇佐美さんの価値観について教えてください。

世界を変えるようなすごいことをしたいというのが創業時の想いで、この想いのもとさまざまな事業が生まれてきました。

今この想いを叶えるためにどんな事業をやるか…つまりその手段である“事業”の内容は、価値観と共に変えていかなくてはいけません。でも想い自体はずっと変わらないし、それをブラさないことで会社は強く進化し続けられるのだと思います。

個人としても組織としても、“失敗は成功のもと”を地で行く

その想いは、いつ生まれたものですか?

世界を変えるという想いは、憧れとして大学時代から抱いていたものです。

パソコン通信が主流だったところにGUIブラウザが登場して、インターネットが急速に普及し始めた時、その可能性に衝撃を受けたのを覚えています。インターネットを使えば、世界中の情報にアクセスでき、誰とでも繋がれる。「すごいことが起きている、世界が変わるぞ」と思いました。

同時に日本では堀江貴文さんを始めとして学生ベンチャーの流れが来ていたし、アメリカでも同世代の人たちが起業して、インターネットビジネスで成功する人も出てきた。もはやこれからなにが起こっても不思議じゃないと思ってしまうくらいのワクワクと期待感の中で、「彼らができるなら自分もやれるはずだ」と思い、ITベンチャーへ飛び込みました。

時代が変化してきたとはいえ、勇気の要る決断だったのではないでしょうか。

そうですね。当時はメディアもインターネットに対して懐疑的で「一時的なブームに過ぎない」と報じられていたし、就活に関しても、安定した大企業を目指す人がほとんど。未知数であるインターネットビジネスは“リスク”と捉えられるのが一般的でした。

でも僕はそれまでにも“周囲の反対を押し切って挑戦した結果上手くいった”という経験があったので、これも“チャンス”だと思えたんです。新しいことへの扉は、常に開かれているわけではありません。開いている時に飛び込んでみることが大事です。

なるほど…積極的にチャレンジした結果、失敗や後悔した経験はありますか?

やってみて「なんでこんなことやったんだ」という失敗も、やらずに「なんでやらなかったんだ」という失敗もあります。挑戦には失敗がつきものですから、挑み続けるとは失敗の連続なんですよね。

私は2回起業をしているのですが、1社目は上手くいきませんでした。1人でやれることには限界があると知って、2回目は友人と起業することになり、今があります。
失敗したことを悔いるのではなく「同じ失敗をしないためにはどうするか」「どう次の手につなげるか」素直に反省して学び取っていく。その繰り返しで、成果や想いに近づけるのではないかと思います。

言い古された言葉ですが、やはり“失敗は成功のもと”ですね。個人としても、組織としても常に恐れずチャレンジし続けられるようにしていきたいです。

手を挙げたら「いいね!」
恐れずに挑戦できる組織づくりを

チャレンジし続けられる組織をつくるために、どんな取り組みをされていますか?

とにかく成長機会を多く設け、手を挙げたら「いいね、やってみなよ!」と言われるような雰囲気を大切にしています。

例えば“CARTA CAMP”(カルタキャンプ)という課題解決プロジェクト。メンバーが会社の課題解決策や新規事業提案などを考えて、案をまとめてプレゼンするという企画です。
毎年たくさんのアイディアが生まれ、その中から実際に制度や事業として採用されることもあります。

成長実感や達成感も得られそうですね。最近印象に残ったアイディアはありましたか?

はい。女性社員の発案で、今年1月に完全個室かつ女性限定の酵素風呂をオープンしました。おがくずを使っていて、身体の芯から心地よく温まるんです。

また、今まさに事業化を検討中なので詳しくはお話できないのですが、最近だと新卒2年目の子のアイディアが、新鮮な切り口で考えられたもので、よかったですね。実際に事業化したらもちろん、彼にも関わってもらおうと思っています。

本当に「やってみなよ!」と言ってくれる会社なんですね。

はい!常にチャレンジと成長のサイクルを回せる環境を整えることで、想いの実現はもとより、社員1人ひとりのためにもなると信じています。

今後も社員と共に成長し続ける会社でありたい。そうして皆が「入社して良かった」と思ってくれたら嬉しいし、そんな仲間たちと少しずつでも世界を変えていけたら幸せだなと思います。

編集後記

「挑み続けるとは失敗の連続」「その繰り返しで成果や想いに近づいていく」

“世界を変える”という想いだけ聞くと、途方もないことに思えます。しかし日々の小さな挑戦を積み重ねることで、確実に実現へと近づいていくことができる。宇佐美氏の話から、その可能性を強く感じました。困難との向き合い方、明日からの働き方を見直すヒントになりそうです。

編集:佐藤 由理

「株式会社CARTA HOLDINGS」概要

株式会社CARTA HOLDINGSは、2019年1月にVOYAGE GROUPとサイバー・コミュニケーションズが経営統合し発足した企業。デジタルマーケティング、広告、メディア関連事業を通じて、多様なサービスやコンテンツを提供し、企業や産業の進化を支援している。
パーパスは「人の想いで、人と未来の可能性を拓く」。技術革新を通じて、サステナビリティやダイバーシティにも積極的に取り組み、より良い社会の実現を目指している。

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