株式会社サーキュレーションの代表取締役社長、福田 悠 氏にインタビューしました。 日々の仕事やサーキュレーションの経営、仲間への想いなど…すべての幹となっている、福田氏の“働く”哲学とは?
「成長とビジョンは両立できる」「どちらかではなく、紡ぐという考え方」など…まさに今「頑張らなくちゃ」と思っているあなたへ届けたいメッセージが満載です。
20~30代を経て変化してきていますが、今は“個人と組織の共通価値を見出して、それを紡いでいくこと”だと考えています。少しかみ砕くと、自分の成長と組織の社会価値が二律背反になるのではなく、その両方を実現していくということです。
20代は、とにかく高い成長環境を求めて会社を選び、働いてきました。色々な経験を積むことができたり、早いタイミングで役職を任されたりしながら“成長”を追求した期間でしたね。
ただある程度成長してくると、ベクトルが社会に向き始めるタイミングが来るんです。それが私の場合はちょうど、サーキュレーションを立ち上げた、30歳頃でした。
社会へ対しどんな価値を提供できるか考え、事業内容を定める過程で、どんどん社会へ目が向くようになっていきました。
当然会社の成長も同時に考えますが、それと社会的価値は別物ではないと気づいたんです。なぜなら、永続的なビジネスになるのは、社会に価値を遺せるものだと捉えているからです。
そしてこれはきっと、個人レベルでもそうだろうなと思っています。
個人の成長と組織のビジョンは、両立できる。“紡ぐ”と表現しているのは“どちらが先でもない”という思いの表れですね。
そうですね。サーキュレーションでは、個人と会社それぞれの“VISION・MISSION・CIRCU-IZM(行動指針)、Culture”を棚卸し、仲間と対話する機会を、少なくても3カ月に1回は設けています。
個人としてどうなりたいのか、会社はどこに向かっているのかを語り合い、すり合わせることに、時間をしっかり使っています。
はい。成長とビジョンを高いレベルで両立できている人は、やっぱり輝いていますよ。サーキュレーションでは“ワクキラ”と表現しています。
ワクキラとは当社のカルチャーのこと。サーキュレーションが掲げる“VISION・MISSION
・CIRCU-IZM”の土台となる文化です。一人ひとりが自分の仕事や可能性にワクワクしながら働ける環境を創ることで、周りからキラキラした存在に見られます。そんなふうに働ける環境を社員と共に創っていこうという思いが込められています。
創業以来、組織文化を表す言葉として掲げてきて、この10年を振り返ってみても、会社を支えてくれているのはワクキラを体現している仲間だと思います。
若い世代が当社に入社してくれるのは、早期の成長と社会への価値貢献の両方を求めているからです。社会貢献や組織ビジョンの達成だけなら、当社でなくてもいいと思います。
一方で、自分の成長にしか興味が無いのなら、それもまた当社じゃなくてもいい。
集まってくれているのは、サーキュレーションのビジョンに共感し、自分自身も成長したいと努力できるメンバーたち。だからみんな、ワクキラしているんです。
そうですね。私の中には“仕事の大変さと楽しさは共存している”という感覚があります。
辛いことや大変なことがあっても、そういう時に得られた仲間だったり自分の成長だったり、任される役割があって、乗り越えられてきている。それが結果として楽しかったり、かけがえのない思い出になったりする。ピンチと楽しみって、同時に存在しているのかなと思います。
サーキュレーションを立ち上げた当時も大変でしたし、会社が大きくなってくるにつれて、さまざまな課題も発生します。
でもその過程で、困難を分かち合える仲間が増えてゆくし、その分やりがいも増してきますね。
今では300名弱の社員がいますが、みんなと一緒に働けていることが本当に楽しいです。
お客様から喜んでいただけることに本気になれる方に入社してもらいたいなと思います。
我々は「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」というビジョンのもと、プロ人材の経験・知見を提供する“プロシェアリング”事業をしています。
無形商材ですので、お客様に感動を与えられるかどうかは、お客様と接している社員の想いやスタンス、スキル、知識にかかっているんです。
企業が抱える課題に対し、ご登録いただいているプロ人材を、どう組み合わせていくか。その考え方、提案の仕方次第では、サービスの可能性は無限に広がりますし、お客様の事業の可能性も広がっていきます。
そのためには、お客様と本気で向き合い“お客様にとって1番価値あるものはなにか”を考え続けることが重要です。
うーん、私はそこに少し違う意見を持っています。
我々の世代で言う“ハードワークは当たり前”という価値観が変化してきていることは認識していますが、今一緒に働いているその世代の子たちは、成長環境を求めて当社に入社をしてきてくれています。
彼ら彼女らは社会貢献に対しての意識が高く、自分なりの意義付けをして仕事に取り組んでくれている。その姿を見ていると「世間で言われているほど若い世代の仕事観は変わっていない」と感じます。
それに、世代間で価値観に変化があったとして、合わせていかなければいけないのは年長者です。私を含め、会社全体としても、当たり前のように変化へ順応していけるようにしたいですね。 今の仲間と向き合い信じながら、サーキュレーションのビジョンを見つめ、実現していきたいです。
頑張ろうとすると、成長かビジョンか_つい1点に集中しなければいけないような気持ちになります。 しかし本質的には、成長orビジョンの決断を下すことではなく、ふたつをandで紡ぐことこそ重要なのかもしれません。
その実現には相応の努力が必要なことは想像に難くありませんが、それでもワクワクして、なにか自分にもできるような気持ちになってしまったのは、きっと福田氏自身があまりにキラキラしていたから。
心躍るままに、まずはワクキラな自分をイメージして。どうなりたいか考えるところから始めてみてはいかがでしょう。
編集:佐藤 由理
2014年設立。「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」をビジョンに掲げ、「プロシェアリング」サービス(※)のほか、多様な働き方を支えるさまざまなサービス・メディアを展開。
東京本社のほか、東北から九州まで全国に拠点をおいている。
(※専門領域における知識や経験を持つ人材を、企業の課題解決に活かす支援)