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「誰かの人生を応援できる仕事を」スキルマーケット・ココナラを展開するCEOの原点

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#感覚こそがヒントになる#プロダクトドリブン#“型にはまる”という経験

株式会社ココナラの代表取締役社長・鈴木歩氏にインタビューしました。
鈴木氏は、リクルート時代に培った経験を活かし2016年にココナラへ参画。以来「個人が自分のストーリーを生きる世界」を目指し、挑戦を続けているといいます。鈴木氏の仕事への情熱・原動力、そして学生へのメッセージまでお話しいただきました。

株式会社ココナラ
鈴木 歩
鈴木 歩社長のプロフィール画像

1982年生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、2006年に株式会社リクルートに入社しメディア事業や広告代理事業における企画・営業・事業開発に携わる。
その後株式会社リクルートホールディングスにて海外経営企画分野でも経験を積む。2016年5月、株式会社ココナラに参画、2020年9月に代表取締役社長に就任。

鈴木 歩社長のプロフィール画像

「誰かの人生を応援できる仕事を」
キャリアの軸となった、大学時代の経験

鈴木さんは新卒で株式会社リクルートに入社されていますが、会社を選ぶ際はどのような点が決め手になったのでしょうか?

学生時代はDJやイベントオーガナイザーの活動に夢中になり、就活を始めるのは周りよりも遅かったのですが…
色々と考えた結果「何かを成し遂げるためには、一度しっかりとした型にはまって働くことが大切かもしれない」と思うようになりました。
それには、若い時期から裁量を与えられ、厳しくしごいてもらえる環境が良いのではと考え、当時のリクルートが自分に合っていると思ったんです。

また、せっかく働くなら「自分が共感できるビジョンやミッションを持つ会社で働きたい」と思ったことも理由のひとつです。

ビジョンやミッションに共感できるかどうかが、会社選びの軸だったのですね。

はい。僕の父はマレーシアで建設業を通じてインフラ作りに携わっていました。
開発途上にある国の人々を支援する父の姿を、幼少の頃から目の当たりにしていたことで「人をサポートし、応援するような仕事って大きなやりがいがあるだろうな」と無意識のうちに感じていたのかもしれません。

その考え方は、イベントオーガナイザーをされていたことにも通ずるものがありそうですね。

そうですね。
学生の頃は、服飾の専門学生が作った服を多くの人に見てもらいたい、あるいは美容専門学校の学生がヘアショーを開きたいという人々の思いを実現するため、イベントを企画していました。一度のイベントで1000人規模のお客さんを集めたこともあります。

最初は、自分がDJをするためのDJイベントを主催していたんです。友人を中心に集客していたのですが、100人程度が限界でした。
そのうちもっと多くのお客さんがいる中でDJをしたくなり、そのために何ができるか考えたんです。例えば、ダンサーの友人とコラボしてダンスショーを開いたらその分だけお客さんが増える、出演するDJの数を増やしたらまたその分お客さんが増える、さらに音楽以外の要素をミックスしたら…と規模を広げていきました。

そうした企画を考えること自体が面白かったし、イベントを通じて出演者が有名ブランドやサロンに就職していくのを見て「人の人生を応援することは楽しい」と実感できたんです。この経験から、就職するなら「誰かの人生を応援できる仕事をしたい」と漠然と思うようになって。そういう意味で、リクルートは事業内容も僕がやりたいことにピッタリでした。

リクルートからココナラへ_当時感じていた“ワクワク”

リクルートではどのようなお仕事をされていたのですか?

10年間で色々な領域の業務を経験しました。

入社当初はアルバイト情報誌の編集企画を担当し、2~3年目には新卒採用向けの企画を。4~5年目には結婚情報誌の営業、6~9年目は東京で広告代理事業に関連した事業開発を担当しました。
最後の1年は、リクルートホールディングスの海外経営企画としてニューヨークと日本を行き来しながら、海外事業の支援や経営企画に取り組んでいました。

職種によってモチベーションは変わりませんでしたか?

僕は“誰かの人生を応援する”という方向さえ合っていればやりがいを感じられるんです。仕事の種類にこだわりはなく、モチベーションが左右されることもありませんでした。

アルバイト情報誌もブライダル事業も誰かの人生をサポートする仕事じゃないですか。最初から「人を応援する」という軸で会社を選んでいたからこそ、どんな事業・職種でも自分の頑張る理由を見つけられました。

軸がずっとブレていないんですね。

はい、ココナラへ来たのもそれが理由です。
メインの事業が“一人ひとりが自分らしく生きていける世の中をつくる”ものなので「これは自分の好きな領域にドンピシャだ」と思いました。

さらにそのプロダクトドリブン、CtoCマーケットプレイスという新しいビジネスモデルにも魅力を感じました。メルカリさんとかもまだ出てきたばっかりの頃…CtoCが世間に浸透し始めたばかりというところで、新しい挑戦をできる面白さがありました。ユーザーとの距離の近さも魅力的でしたね。

ココナラで働きたくなった決め手はもうひとつあります。
掲げているビジョンはとても理想的なものだったのに対して、その当時のプロダクトはまだまだ発展途上で未完成だったんです。でも、そこが逆にすごく良かった。このギャップを埋めるために自分が貢献できる、自分の介在価値を発揮できそうだなと思えたのもポイントでしたね。

迷える学生へ贈る、進路選択のアドバイス
「その感覚こそがヒントになる」

若い世代へ向けて“働く”ことについてアドバイスを頂きたいです。

経営者を志している人に対しては、自分にある程度負荷をかけつつ、正しい方向で努力を積み重ねることが大切だと伝えたいです。そのためには、そうした挑戦ができる環境に身を置くのがいいですね。インプットとアウトプット、意思決定の回数を意識して増やすことができる環境に。

また全ての人に共通して伝えたいのは、ビジョンやミッションに共感できる会社で働くことが重要であるということ。
もちろん給料で会社を選ぶのも間違いではありませんが、人生のうち“仕事をする時間”は、家族や友人と過ごす時間と同じかそれ以上に長くなります。意義を感じられる仕事・共感できる会社という観点で会社を選ぶと、自分のためになると思います。

あるいは、なにをやりたいのかわからない学生さんには、さまざまな経験をしてみることをおすすめします。
色々なコミュニティに参加したり、アルバイトに挑戦したり、行ったことのない場所へ足を運んでみたりするのがいいでしょう。とにかく行動してみることで、自分が好きなことややりたいことが自然と見えてくるものです。

会社選びでも、企業情報を机上で眺めるだけでなくたくさん行動して、説明会やOB訪問、カジュアル面接などで直接会社の雰囲気を感じてみるのが良いと思います。
実際に訪れると「この会社はなんだか好きじゃないな」と思ったり「なぜかわからないけどワクワクする」と感じたりすることがあります。その感覚こそが、次のステップへの大きなヒントになるはずです。

鈴木歩社長のプロフィール画像
編集後記

「誰かの人生を応援する」という想いを軸に、仕事のモチベーションを生み出し続けている姿が印象的でした。
原体験を分解し、自分を突き動かしている価値観や想いを探ることは、仕事においてはもちろん、生き方にもプラスになります。自分の軸はなにか、その源泉はなにか_一度立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。

編集:佐藤 由理

「株式会社ココナラ」概要

2012年設立。知識・スキル・経験を売り買いできるスキルマーケット「ココナラ」の運営・開発を手掛けるほか、購入者起点で求人や仕事依頼ができる「ココナラ募集」、弁護士検索メディア「ココナラ法律相談」、エージェント事業の「ココナラテック」「ココナラプロ」「ココナラアシスト」、ビジネス向け業務サポートAIツール「ココナラAIスタジオ」等を提供している。2021年に東証マザーズ(現・グロース市場)へ上場。

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