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「楽しくて、気づいたらどっぷりハマっていた」
仕事を大好きになる方法

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#得意を磨く#20代の働き方#仕事を好きになるコツ

CEOのキャリアや働き方から、その仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回インタビューを受けてくださったのは、株式会社ココト・西牧 哲也 氏です。
いわゆるブラック企業を渡り歩いた20代を「有難かった」と語る西牧氏。そのストーリーには、好きを見つけるためのヒントがありました。「仕事を好きになりたい」という命題を持つすべての社会人に読んでいただきたい記事です。

株式会社ココト
西牧 哲也
西牧 哲也 氏のプロフィール画像

1988年、株式会社日本データネット(現ソフトバンク)へ入社。93年~ソフトバンク技研株式会社取締役、ゲームバンク株式会社取締役副社長、ブロードキャスト・コム代表取締役を務める。
99年ヤフー株式会社へ入社後、CTO・執行役員。2009年、株式会社IDCフロンティア/株式会社クレオ/BBIX株式会社の取締役。
10年よりヤフーカスタマーリレーションズ株式会社代表取締役を勤めたのち、16年より現職。

西牧 哲也 氏のプロフィール画像

昼夜問わず働き続けた20代を「むしろ有難かった」と語る西牧氏

20代の頃のキャリアや働き方について教えてください。

日本データネット、現・ソフトバンクに入る前は、小規模な会社を転々としていました

自分で言うのはちょっと照れますが、プログラミングをだいぶ早い時期からやっていたこともあって、結構よくできたんですね。天才プログラマーじゃないかと思ってしまうくらい(笑)
だから、せっかくなら大きな会社の歯車になるより「自分の仕事がダイレクトに会社の役に立つということを実感したい」と思って、小規模な会社を選んでいました。

働き方はまさに昼夜問わずでしたが、決して無駄じゃなかったと思っています。

無駄ではなかったとは、今につながっているという意味でのお話でしょうか。

そうですね。たくさんの時間働かされたとは、短時間でたくさんの経験を積むことができたということ。それが糧になっているので、むしろ有難かったです。

今は残業をすることに対して会社も国も非常に厳しくなっていますが、それが全員にとってハッピーなのかと考えると、正直なところちょっとクエスチョンマークです。
身体を壊すほどの働き方はどうかと思いますが、それしか選べないというのも、なんというか…気の毒ですね。

一途になれる“好き”を見つけるには、得意を探し、磨くこと

そのモチベーションは、どこからくるものだったのでしょう。

仕事って一般的には“大変なもの”とイメージされますが、僕は仕事が好きで、楽しかったんですよね。

成功するプロダクトなんて10個に1個もなく、埋もれてしまった開発案件のほうが圧倒的に多い。それでも、新しいものをつくること自体にワクワクしていましたし、プロダクトが出回り世の中が変わっていくのを見ると、大きなやりがいを感じたのを覚えています。
好きだったので、長時間働くことは苦じゃありませんでした。

仕事を好きになることって大事だと思います。苦でないどころかもっと学んでスキルが上がって、良いサイクルに乗っていく。こうなると勝ったも同然ですね。

どうしたら仕事を好きになれますか?

何でもいいので、周囲より抜きんでることです。
例えばエンジニアなら、新しい言語を社内で1番早く覚えるとか、Excelのマクロなら誰にも負けないよう知識をつけるとか、誰よりも早くタイピングを打てるとか。

ちょっとしたことでも得意を見つけて磨いていけば、周囲から認められるようになる。だんだんと仕事を好きになっていくと同時に、辛いものじゃなくなっていくと思います。

好きなことを探すより、得意なことを極めていった先に好きがある、と。

はい。ただ最初は誰しも未経験だし、すぐには上手くいかない。たくさんトライして経験を積む必要があるし、それにはどうしても時間がかかります。
でも今は長時間働くことがNGになってきている。冒頭「気の毒だ」とお話したのは、そういう意味です。

もしやれるだけやってもダメだったら、方向を変えればいい。それは全然恥ずかしいことではないし、恩返しをきちんとすれば不義理でもない。
得意を見つける前に、色々なことを知ることが大事かな。見つけたらあとは、一途に頑張るだけです。

会社利益ではなく社員1人ひとりの顔を見て、経営を続けていく

本当に仕事を楽しんでいらっしゃるんですね。西牧さんにとって働くとは何ですか。

難しいことはあまり考えていません(笑)
シンプルに、経営が上手くいくと面白い。それが働きがいかもしれません。

僕はもうすぐ64歳。もう引退してもいい歳なのですが、会社の成長を見ていることが楽しくて、気づいたらどっぷりハマっていました。

お若いですね、驚きました。

僕もびっくりしていますよ(笑)
この先は、お金でも名誉でもなくて、みんなのために働こうかなって気持ちでやっています。

会社規模を広げていくなど、なにか今後の展望はありますか?

設立当初と社員数はさほど変わっていませんが、売り上げは伸びているし利益も3倍になっているので、仕事のやり方によって社員のお給料を上げていけるんじゃないかと思っています。
また、あまり大人数になると管理しきれず、社員に目が行き届かなくなるので嫌ですね。
会社利益のために人を増やすよりも、今の規模で1人当たりの利益を増やしてお給料を上げていったほうが、皆幸せではないかと考えているため、僕がいる間はあまり会社を大きくするつもりはありません

僕たちが主戦場としているインターネットは、変化が目まぐるしい世界です。その中でお客様の競争力強化を実現するべく、今後も社員を大事にしながら、ますますサービス改善に努めてまいります。

社員と談笑している様子
編集後記

苦労をしていないはずはないのに「好きだったからね」と、その跡を少しも見せなかった西牧氏。仕事を好きになればあんなふうに語れるのだと、憧れのような感情さえ持ってしまいました。

“好き”に通ずる入口は“得意”であり、それは働くことでしか磨かれません。まずは今の業務あるいは社内で、できることを探してください。
あなたの好きも未来も、たったひとつの“得意”を中心に広がっていくことでしょう。

編集:佐藤 由理

「株式会社ココト」概要

2016年に、株式会社クレオソリューションからアウトソーシング事業を会社分割および事業継承し発足した企業。
インターネットサービスの開発・運用保守・監視・テスト検証などを提供し、クレオグループで培った経験と実績を土台にインターネットにおける技術・ビジネスの変化にいち早く対応することで、顧客の優良なサービス・商品の価値最大化に寄与している。

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