この記事をシェア

エリート街道から“自分の道”へ
理想のキャリアを叶えるための、舵の切り方

この記事をシェア
#夢のないコツコツ#成長志向#経営コンサルタント

CEOの価値観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社エッジコネクションの代表取締役、大村 康雄 氏 にお話を伺いました。
大手銀行へ入行するも「自分はこれで成長できるのか」という思いから起業を選んだ大村氏。
人一倍“自己成長”に敏感だと語る同氏は、この時代や若者をどう捉えているのか。また、自ら切り拓いてきたからこそ言える“キャリア設計におけるヒント”とは?

株式会社エッジコネクション
大村 康雄
大村 康雄 氏のプロフィール写真

宮崎県延岡市出身。慶應義塾大学経済学部経済学科卒業後、米系金融機関であるシティバンク銀行(現SMBC信託銀行)へ入行。
2007年、株式会社エッジコネクション創業。ワークライフバランスを保ちつつ業績を上げる様々な経営・営業ノウハウを構築、体系化し、多くの経営者が経営に苦しむ状況を変えるべく各種ノウハウをコンサルティング業、各メディア等で発信中。
これまで1400社以上支援し、90%以上の現場にて売上アップや残業削減、創業前後の企業支援では80%以上が初年度黒字を達成した。

大村 康雄 氏のプロフィール写真

SNSを起点として“変な尖り”と“夢のないコツコツ”が蔓延している

現代や今の若者について、課題に感じることはありますか?

“悪い意味での尖り”や“夢のないコツコツ”が広がっていることは、大きな課題だと感じています。

今は誰もが匿名でパブリックに意見を言える時代ですよね。匿名だから、色々なことが言える。特にXでは、人や会社の悪口/愚痴が多く発信され、無責任に“イイネ”されているのを目にします。

個人の声は尊重されるべきですが、それと同時に社会で生きていくには、他人を許容することが必要だったり頑張らないといけない局面があったりするのも事実だと思います。
それなのに、SNSへ吐き出すことで、本来は叱咤/反論されたほうがいいはずのことまでイイネされ、自分は正しいと思ってしまう。匿名の書き込みをイイネされても、自分が承認されたわけではないのに。

そうした人はやがて、他人のせいにしたり、壁を前に諦めたりする人間になっていきます。SNSを起点としたこの流れは好ましくありません。

なるほど、確かに現代における深刻な課題ですね。“夢のないコツコツ”とは何でしょう。

「どうせ報われない」と思いながら働くことです。私は、自分が歩んできたキャリアからも“夢のあるコツコツ”は絶対に成功すると思っています。
若者には「変に尖る必要はない」「夢を持て」と言いたいですね。

総じて、夢を持つ若者が減っているということでしょうか。

価値観が二極化してきているのではないかと思います。

20代と接していて、人生のスケールを大きく持っている人と、限られた世界の中で尖っている人に分かれていると感じます。

そしてその要因にあるのは、SNSにおける無責任な発言/肯定なのではと思うのです。

大村 康雄 氏

厳しい選択や努力をできる人になるカギは“今成長しているか”への敏感さ

大村さんご自身は10~20代の頃、どのように考え、働いてこられましたか?

「いい大学へ行かないと地元を出られないから勉強しよう」と、高校の頃はずっと勉強モードでしたね。
大学へ入学してからなんとなく経営学に興味が湧いて、起業したいなと思うようになりました。

お金になりそうなことを思いついてはやってみましたが、どれも上手くいかなかった。ビジネスは片手間ではできませんね。
なにか突出した専門スキルを持っていれば別ですが、ビジネスセンスだけで戦うなら、学生ベンチャーでは難しいのだと学びました。

それで卒業後はシティバンク銀行へ。

はい。当時エリートと言われるような会社へ入れたので起業はもういいかと思ったのですが、1カ月もすると物足りなくなりました。

学生ベンチャーのほうですごく頭を使っていたんですよ。でもサラリーマンは言われたことをやればいいんだ、これでいいのかなって思っちゃったんですよね。
自己成長を考えた時に、起業のほうが面白そうだなと思い、エッジコネクションの創業に至りました。

ご苦労もあったと思います。その中でも頑張れた理由は何ですか?

“自分が今成長しているか”ということへの感覚が、他人よりも敏感なんだと思います。だから成長しそうなほうへすぐ舵を切れるし、苦しくてもそこで頑張れるのかな。

大村 康雄 氏

欲を殺すのは本当にかっこいい?マジョリティに呑まれず、夢を持て

現代の若者が大村さんのように成長意欲を持って働くには、どうすれば良いでしょう。

なにも“成長意欲”でなくて良い。“欲”でも良いと思います。
好きな人にモテたい、美味しいものを食べたい。どんな欲も、満たすにはお金がかかります。そうすると稼がなきゃ、稼ぐには成長しなくては、とつながっていく。

そこに行きつかないのは、そもそも若者の欲が減っているからでしょうか。

いや、欲はありますよ。ただ、モテたいと言うのはダサい、ハードワークとか意識高い系かよって風潮あるじゃないですか。欲を殺すのがかっこいいとされるようになった、欲の殺し方を知っている若者が増えているというのが正しいと思います。

生物学的には貪欲であるほうがあるべき姿ですが、それは今やマイノリティになりつつありますね。

御社はそうした貪欲な社員の方が多いのですか?

入社する人自体は、かつて夢のないコツコツをしていたタイプが多いと思いますが、入社後「どうせコツコツするんだから、せっかくなら夢を持てよ」と伝えるうちに変わっていきます。
価値観を理解し、おのずと、欲と成長を結びつけ、仕事に励むようになっていくんです。

会社としても、彼らの意欲や努力に十分応えられるよう、給与制度はできるかぎりわかりやすくしています。

個人と組織の相乗効果で、高いパフォーマンスが生まれ、本人の給与と会社の利益を上げる構造ができています。

素晴らしいですね。

きっと若者の中にも、時代に疑問を持っている人、私たちの価値観に共感してくれる人はいるでしょう。
私みたいに伝え続けるおじさんがいて、共鳴する若者を集めて、その輪を少しずつ広げていく。地道ですが、SNS時代に若者を突き動かす解決策はこれしかないのではと思います。

価値観を共有できる、自身を掻き立てられる若者と共に、私も成長していきたいです。

大村 康雄 氏
編集後記

多様性が叫ばれる時代にもかかわらず、なぜか息苦しさを感じるのは、欲を殺すことが美徳とされているからかもしれません。
誰かのイイネや、社会の風潮に左右されていては、きっと苦しいまま。心の底から湧き出す「自分はこうしたい」という欲を抑え込んだり恥じたりすることなく、自分だけのキャリア設計を考えてみませんか?
“夢のあるコツコツ”の先に、あなたらしい人生があるはずです。

編集:佐藤 由理

「株式会社エッジコネクション」概要

2007年に設立。人材育成と経営支援を通して、仕事とプライベートの両方を最大限に充実させられる社会を創出することをミッションとし、各種ノウハウを提供している。
現在は、マーケティングや営業、経営のコンサルティング事業、営業研修事業、人材紹介事業、海外企業の日本進出支援事業、M&A仲介事業、資金調達支援事業を展開中。東京本社のほか、福岡や宮崎にも拠点を置いている。

この記事をシェア
突き抜けるためになにをしたのか「CEO VOiCE」 » 記事一覧 » エリート街道から“自分の道”へ
理想のキャリアを叶えるための、舵の切り方