CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」、今回は株式会社EISHIN・五十嵐 大士氏にお話を伺いました。
「時代を逆手にとって突き抜ける」「リスクとリターンを見極める」など、就活生~20代が身に着けておきたい考え方がぎゅっと詰まったインタビューです。ぜひご覧ください!
Z世代と呼ばれる人たちを見ていると“なんとなく生きている人”が明らかに多くなってきているなと感じます。その場がよければいいとか、仕事にコミットしない人が相対的に増えているのは間違いありません。
ただ裏を返せば勝ち抜くチャンスでもあるので、僕としてはうらやましいです。
バブル時代ってテレビCMの「24時間戦えますか」というフレーズが流行語大賞を獲ったというじゃないですか。それだけ働く人がいると、その中で勝ち抜くのは大変ですよね。
でも今なら仕事に熱中しよう、自分の価値みたいなものをちゃんと発揮しよう、成長してキャリアアップしていこうという人が相対的に減っているからこそ、そう考えること自体に価値がある。それってチャンスなんじゃない?と思っています。
本気で働いている人が少ない分、流されないための強い意思は必要ですが。
個人的には「仕事にモチベーションを持ち込まない」という信条を持っています。前職の副社長に「プロなんだから、仕事に“モチベーション”なんて言葉を持ち込むんじゃない」と言われたことがあって…僕はそれがすごく胸に響いたんですよね。
ただ経営者としては、同じことを社員に求めてはいけないことも理解していて、そこはマネジメントが必要かなとは思っています。
また僕は、モチベーションとは、仕事の仲間や上司・部下といった人間関係の中でできてくるものだと思うんです。自分だけで維持しようとしすぎないことが、モチベーションを高める秘訣かなと思います。モチベーションの高い仲間と一緒に高め合っていくんだという意識を持っているといいんじゃないでしょうか。
僕はどうせ人生一度きりだから、仕事を通じて充実した時間を経験できるといいなと思っています。そういう考え方をするようになったのは、学生時代の体験が大きいかな。
実は、高校1年生の時に父が亡くなったんです。
「人っていつ死ぬのかわからないんだな」と感じる経験をしたことで、自分もいつ死ぬかわからないから、明日死んでもいいように生きようという思いが強まり「1回きりの人生なら、どんなことでもいいから何かインパクトを残してやろう」と思うようになりました。
それから、父親は不動産屋だったので、亡くなった後も不動産が稼いでくれたんですよ。自分が死んでも世の中に価値として残るものってすごいなと思いました。自分もそういうものをつくりたいという想いもわりと強いですね。
僕は会社選びってリスクとリターンが表裏一体だなと思っています。
会社選びに限らず、人生のどんな選択にもリスクとリターンはセットになっていて、無難な選択になればなるほどリターンは少なくなりますよね。自分が波風のたたない穏やかな人生を送りたいと思うのなら、定時で上がって休日はしっかり休める会社を選ぶのがいいと思います。
当社の場合は今成長フェーズなので、仕事は忙しいし、中には辛いと感じる人もいます。でも社員が100人になったときに入社するのと、1000人になったときに入社するのでは、100人のときに入社したほうが年収が上がりやすかったり、よいポジションを掴みやすかったりするのもまた事実です。
大企業や安定している企業って、リスクはないけどでっかいリターンもない。そこを冷静に判断したほうがいいと思います。
またリターンと一口に言っても、金銭的なものも経験的なものもありますから、自分はどんな部分のリターンを求めているのかを考えてみたほうがいい。
入社する時点で「年収何千万ほしい」とか「起業したい」とか、具体的なものはなくてもいいと思う。なんとなくこうなりたいなっていう感覚でいいので、自分が求めているのは何かを考えながら、それと合致した会社を選んでほしいなと思います。
EISHINのバリューとして「三兎を追う」というものがあるんですが、これは「お客様、メンバー、会社の全てが最大限幸せになれる選択肢をあきらめずに追求する」という意味を込めています。社名のEISHINも、関わるメンバー、お客様とその先にある市場、全てを巻き込んで栄え進んでいこうとする「栄進」という概念が込められています。
ですから、良い意味で欲張りな人が来てくれるといいですね。人生一度きりということもありますし、前向きに仕事に取り組んでくれる人だと嬉しいです。
当社は「日本全体の労働者と企業のマッチングの最適化」を目指しています。自社開発の「採用CXクラウド」の導入は500社を超えました。
お客様からの要望が高かったり日々課題があったりと、プレッシャーは数えきれないほどありますが、それすら楽しめてしまう人なら、きっと大きなものを得られると思います。
厳しく聞こえる「プロとして“モチベーション”を持ち込まない」という言葉も、五十嵐氏のように仕事に打ち込めてさえいれば、自然とできることなのかもしれないと思いました。20代という限られた時間を有意義に使い、30代へ向かうために必要な考え方を教えていただいた気がします。
時代や周囲に流されず、自分を持つこと。今日から始めていきたいです。
編集:佐藤 由理
「日本全体の労働者と企業の、マッチングの最適化」をミッションに掲げ、採用CXの改善を通じて企業と求職者の幸せなマッチングを目指している企業。採用CXプラットフォームサービス「採用CXクラウド」や、採用ピッチ資料格納型求人メディア「GOOD FOR
JOB」、採用コンサルティングやWEBメディア制作など、HR領域でさまざまなサービスを提供中。