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経営者に憧れた青年が起業するまでの過程に見る「夢が使命に変わる瞬間」

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#働くとは#経営者になるための訓練#ビジョンを重ね合わせる

CEOのキャリアから、その仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社フェローシップ・小山 剛生氏にお話を伺いました。
「商売一家」で育ったという小山氏。経営者へ漠然と憧れていたという青年がフェローシップの経営者となるまで、なにを思い、考えたのか。当時のことと今掲げている使命を語っていただきました。

株式会社フェローシップ
小山 剛生
小山 剛生社長のプロフィール画像

慶應義塾大学 法学部法律学科を卒業後、1992年に株式会社リクルートへ入社。
2000年より、人事部にて採用・人材育成を担当し、バブル崩壊後のリクルート再建と企業変革に携わる。02年、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)にて主にエグゼクティブやミドルマネジャーの人材紹介コンサルタントを担当した。
04年8月に株式会社フェローシップを設立し代表取締役社長に就任、現在に至る。

画像引用元:株式会社フェローシップ公式サイト(https://www.f-ship.jp/company/

小山 剛生社長のプロフィール画像

会社選びで大切なのは、
自分が描く未来と会社のビジョンを重ね合わせること

長く採用や人材育成に携わってきた小山さんは、昨今の仕事観・若者の働き方の変化などをどう捉えていますか?

ワークライフバランスを大切にするのも良いと思います。ただその権利が守られるのと同じように、働きたい人は働いていいじゃないかと思っています。

僕個人としては、仕事とプライベートで50%ずつ“バランスを取る”よりも、両方とも100%“全力を注ぐ”ほうが楽しいんです。こういう人は僕だけではなく、今も一定数いるでしょう。

それにもかかわらず、国によって上限が設けられ、働きたい人が動きづらくなっているのが現状です。個人に問題があるというより、厚労省や文科省の施策が日本を弱くしてしまっているのではないでしょうか。

働き方に関しては、国の方針に加えて組織風土・カルチャーも大きく影響するかと思います。どのような軸で会社を選ぶべきでしょうか。

ビジョンに共感できる、ビジョンが自分の描く未来と同じ方向にある会社を選ぶのが良いと思います。
仕事内容・業種なども重要ですが、それは時代や技術の進化と同時に変わっていくものですから「この仕事ができるから」だけで選ぶと、後々そこにいる意味を見失ってしまうことになりかねません。
反対に、ビジョンに自分の未来を重ねて共感できる会社なら、違う事業になろうと問題ないでしょう。

小山 剛生社長インタビューの様子

経営者への漠然とした憧れを突き詰めていく中で、
自らの使命が見えてきた

小山さんが1社目にリクルートを選んだのはなぜですか?

「仕事を通じて成長したい」と思っていたのと、おぼろげですが既に経営者になりたいとも考えていたので、経営者を目指す訓練になる仕事をしたいと思って就職活動をしていました。

ただ僕は人間的に欠陥があるのか、チームワークや協調性といった部分があまり得意ではないんですね(笑)
他人に気を遣い過ぎてしまって自分らしく生きられないという弱さを持った人間なので、組織人としての振る舞いもコミュニケーションも苦手。「日本企業でも外資系でも生きづらいな、どこへ行けばいいのか」と悩んでいた時にリクルートの社員さんと出会いました。

リクルートの方は「俺はこう思う」と個人として話をするんですよね。それがすごく輝いて見えたのと、あとはその反対で「お前はどうしたいんだ?」という問いかけをたくさんされます。
この問いかけは自分の意思ひいてはビジョンを聞かれているのだと解釈をして、経営者を目指すにあたっては良い訓練になるかもしれないと考えてリクルートに決めました。

経営者を目指したきっかけは何だったのでしょうか。

僕は起業したいわけではなく「経営者になりたかった」だけなので、リクルートでそのポジションにつけるとしたらそれはそれで良かったかもしれません。
経営者になりたいと思ったのは、父方も母方も商売一家で親戚が起業家や医者ばかりだったから。むしろサラリーマンよりも経営者のほうが身近に感じられていた気がします。

ただもちろん経営は簡単なことではなくて、良い時も苦しい時も目の当たりにしてきましたが、正月から働いていたり社員を大事にしていたりするところを見ると、やっぱり憧れたんですよね。

様々な業界・業種がある中で、人材系のビジネスを選んだ理由を教えてください。

自分が最も市場価値を出せるのはなにかと考えて「僕は人の才能を発見する力が他者よりも優れている」と気づいたんです。その強みを活かせる業種は人材業界だなと思いました。

言葉選びが適切かわかりませんが…派遣で働かれている方は、自分の才能に気づいていなかったりキャリアを承認されなかったりする傾向にあります。そうした方の力になれるかもしれないという想いもありました。

誰もが自分らしく輝ける社会を実現していく

自分と、他者のキャリアと向き合い続けてきた小山さんにとって、“働く”とは何でしょう?

僕はいつも「今が1番楽しいと言える人生を送りたい」と思っています。もちろん先のことも考えなくてはいけませんが、先を見据えた上で「では今をどうするか」と考えることで、未来が拓けていくのだと思います。そして僕が思う“楽しさ”とは、成長や進化です。

本来、年齢や経験を重ねることによって、社会への貢献度や誰かの役に立てる範囲は広がっていく。つまり人は日々進化していくものなので、働くことで人生の楽しさは増していくはずなんです。僕にとって働くとは、人生を楽しくする手段なのかもしれません。

しかし人によってはそれが難しかったり、自ら可能性を制限してしまったりする方もいます。だからこそ僕たちはその一助になりたい。フェローシップの使命は「世界中の人々が“その人らしさ”を活かし輝きつづける社会を創る」ことです。

僕は、誰しもが自分らしい才能を持っている、そしてそれはその人の人生を輝かせるものだと確信しています。起業から現在に至るまでこの想いは変わっていません。
今後も当社のサービスを通じて“その人らしく輝きつづけられる社会”を実現してまいります。

小山 剛生社長笑顔の様子
編集後記

起業をきっかけに「経営者になりたい」から「経営者としてこうしたい」と思うようになったという小山氏。お話を伺いながら「夢が使命に変わる時、人は強くなるのかもしれない」と思いました。
使命を持つこと、ましてや実現することは容易ではありません。しかしだからこそ何物にも代えがたい楽しさを得られるのでしょう。私もその領域へ足を踏み入れたい。そのためにまずは仕事と100%で向き合っていきたいと思います。

編集:佐藤 由理

「株式会社フェローシップ」概要

2004年設立。05年に人材紹介・派遣事業をスタートした。
15年に日本の労働人口不足を解決するためのGlobal事業(外国籍人材採用サービス)を開始し、19年には上海法人設立・グローバルエンジニア事業を始めるなどサービスをますます拡大してきた。
2024年時点で従業員数は905名、東京本社の他、大阪・上海に拠点を置いている。

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