この記事をシェア

20代の働き方が30代以降を左右する!
社会人レベルを上げるための実践的アドバイス

この記事をシェア
#雨降って地固まる#幸せになるための必要条件#20代の働き方

CEOの仕事観を聞くメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社フリースタイルの創業社長、青野 豪淑 氏にインタビューしました。
思考なく「失敗しない選択」「安定していそうな会社」を選ぶことが普通になってしまった現代。青野氏はこの時代を憂いながらも、若者へ「自分のレベルを上げろ」と語り掛けます。
その言葉の真意を知れば、自らの働き方、人生との向き合い方を見直さざるを得ないはず。若者から大人まで、必読です。

株式会社フリースタイル
青野 豪淑
青野 豪淑社長のプロフィール画像

1977年大阪生まれ。高校卒業後、精肉店に勤務するも社会情勢により転職し、住宅や宝石販売、中小企業コンサルタント、飲食店など約10種類の仕事を経験。多方面の技術を身につける。
しかし投資話に騙され、4000万円の借金を背負うことに。社会に馴染めない若者の就職斡旋や親の相談をボランティアで引き受ける。
その後2006年、就職できない若者を救うためにIT企業「株式会社フリースタイル」を設立した。

青野 豪淑社長のプロフィール画像

安定志向は地獄の入口
自らの可能性を制限せず、挑戦し続けよ

若者の価値観の変化について、どう捉えていますか。

僕が20代だった頃…今から20年ほど前は、みんなが夢を持っていたように思います。学歴が低い人ほど「100万やるぞ!」と燃えていました。頑張れば叶うと信じていたし、後先怖がらずにチャレンジしていく人がほとんどでした。

それに対して今の若い世代は、最初から諦めている子が多いイメージがあるんですよね。上を目指すことを諦めて「どうせこのくらいの稼ぎで、こういう人生を辿っていくんだろう」と、将来を悲観的に見ている気がします。

仕事に対しても「頑張ってもこれくらいにしかならない」と思い込んでいるために、それならできるだけ定時で帰りたい、休みが多くて待遇の良いところがいいと、どんどん消極的になっていくのではないでしょうか。

確かに、安定志向は強くなっていますね。

僕らの頃は、安定を求めていたのは学歴の高い人のほうだったんですよ。いい会社に入れさえすればそれなりに幸せになれるから。

でも今は学歴を問わず消極的な人が多い。そのまま行ったらずっと月収20万で、それは安定ではないのに…地獄へ向かって走っていっているようにすら見えてしまいます。

若者が夢や意欲を持たなくなったのはなぜでしょう。

若者のせいではないと思います。社会全体が、子どもをルールや大人の価値観で縛って、失敗を怖がらせ続けたからではないでしょうか。
かけっこ1つとっても、昔は「1等になるのがカッコイイ」と言われていたのが、今は「ビリにならない」ことを目指してやっていたりしますよね。

自分の子に「チャレンジして失敗してこい」なんてなかなか言えませんから、仕方ないとは思います。でもそういった経験を積めなかったために、怖がりで無気力な若者が完成してしまったのも事実です。これは大きな社会問題だと思います。

青野 豪淑社長が話している様子-01

自分が幸せになるために、20代は“レベル上げ”に徹するべし

青野さん自身はどのように働いてきましたか。

僕は、幸せに生きるための必要条件は“レベル上げ”だと思っています。だからその感覚でキャリアを積んできました。

例えば若い頃は、人と話すときに物怖じしてしまう自分が嫌だったので、話すことが得意になるような職種に就こうと考えて住宅営業に挑戦。その後は、頭を良くしようと思って経営コンサルタントの会社へ行きました。

どちらもいわゆるブラック企業でしたが、スキルを身につけながらお給料までもらえて、得したなと思います。

得したと捉えられるのは素敵ですね。

若いうちはブラックだとか待遇を気にするよりも、働けば働くほどスピーディーに成長できると、ポジティブに捉えられたほうが自分のためになると思います。
20代の10年は身につけたいスキルで職種を選び、レベルを上げることに徹する。そして30代からそれをどう活用するか考えるのが、確実で効率的なんじゃないでしょうか。

レベル5では大きなことはできないし、当然対価も得られない。でも、たくさん経験を積んでスキルを身につければ、やりたいことができるようになります。自分のために、レベル99を目指しましょう。

僕も「こうなりたい」「これが足りない」と考えながら職業や会社を渡り歩き、気づいたら社長職に必要なスキルが揃っていました。
手前味噌ですが、このやり方をしたからこそ、早い段階で価値ある人材になれたのだと思います。20代では頑張りに対して評価が足りないと感じることもあるかもしれませんが、その努力は必ず、30代以降大きな差となって現れます。

そうした働き方は、特に現代では難易度が高いように思います。

でも、ゲームはストーリーそっちのけで自分のレベル上げやミッションクリアに必死だし、それが楽しいじゃないですか。仕事や人生も同じだと思いますよ。

自社の人材育成を通じて、日本を良くしていきたい

御社ではそのように教育されているのですか?

そうですね。当社は部署異動が多い会社です。
スキルがある程度上がったら、本人にどんな人生を歩みたいかヒアリングをして、希望に合わせて異動をさせています

組織の採算が合わなくなることもあるのですが、その子たちにとっては必要なスキルを身につけられたほうがいいと思うので。

また採用活動においても、社会になじめない若者を積極的に受け入れるようにしています。“育てる会社”として、どんな特性を持つ若者にも愛を注ぎ、決して手を抜かず育成しているという自負があります。

思っていても、なかなか実行できないと思います。

とかく「若者はダメだ」と言われがちですが、彼らをそのように育てたのは社会であり大人たちです。だからせめてフリースタイルの社員たちには、自由にチャレンジさせ、成長させてあげたいと思い、このやり方を取っています。

彼らが成長すればお客様にも還元できますし、外へ出ることがあっても、社会で活躍していってくれると思います。

今後の展望を教えてください。

僕の夢は、日本を良くすることです。

今は大変な時代だと思いますが、古くから「雨降って地固まる」と言われるように、ここを乗り越えたら次の時代は良くなるんじゃないかと信じています。
そのために僕ができることとして、引き続き、若者を育てることに注力していきたいです。

青野 豪淑社長が話している様子-02
編集後記

「悪いのは若者ではない、教育だ」と語りながら、実際に若者へ手を差し伸べている青野氏。積極的に社会責任を果たそうとする姿は、大人として非常に格好いいと感じました。

しかし教育や時代がなにかしらの影響を及ぼしたにせよ、それを背負っていくのは若者本人です。1人でも多くの読者が、1秒でも早くレベルアップへ向けて走り出してくれることを切に祈ります。

編集:佐藤 由理

「株式会社フリースタイル」概要

社会になじめず就職ができない若者の雇用のために、2006年にIT企業として設立。2014年に自社初となるオリジナルゲームアプリをリリースし、2019年8月にはNintendoSwitch向けソフト「オバケイドロ!」をリリース。
名古屋本社の他、2023年には東京に支社を構えた。従業員数は200名超。

この記事をシェア
突き抜けるためになにをしたのか「CEO VOiCE」 » 記事一覧 » 20代の働き方が30代以降を左右する!
社会人レベルを上げるための実践的アドバイス