この記事をシェア

借金700万円から5年で売上24億円へ_
CEOがたどり着いた“稼ぐ”ことの本質

この記事をシェア
#“稼ぐ”とは#働きがいのある会社

借金700万円の状態で起業したものの、わずか5年で売上24億円を突破。以降ますます成長を続けている株式会社アイフィールドの創業社長、二村 伸紀 氏にインタビューしました。
二村氏のいちビジネスマンとしての“価値観”や、アイフィールドを率いる者としての“組織論”、そしてそれらが確立するまでのお話から“稼ぐ”ことの本質を紐解きます。

株式会社アイフィールド
二村 伸紀
二村 伸紀 氏のプロフィール画像

香川県出身。2001年に日本大学法学部卒業後、テレビ制作会社へアシスタントディレクターとして入社。
05年、オフィスオートメーション機器の販売会社へ転職し、アルバイトから営業統括者となる。09年に株式会社アイフィールドを設立し、同社代表取締役に就任。

二村 伸紀 氏のプロフィール画像

他者にベクトルを向けることで、成長も成果もおのずとついてくる

二村さんの働くことに対する価値観はどういったものですか?

我々の経営理念に掲げている「ALL FOR JOY」がまさに、僕の働く価値観ですね。いわゆる湧き上がる喜びを感じようという意味です。
「JOY」は、単純な面白さ・楽しさではありません。なにかできないことができるようになったり、誰かのために頑張って認められたりした時に生じる喜びを指します。そういう瞬間って、何度出会っても本当に飽きないと思うんですよね。

遊ぶのも楽しいですが、毎日遊んでいるとそれが日常になってしまって、退屈するじゃないですか。
でも働いている中では、毎日色々な課題と直面して乗り越えて成長していけるし、お客様や仲間に喜んでもらえる。その繰り返しは飽きるというよりむしろ、喜びが増幅していきますよね。僕は仕事を通じてそういうものを感じていたい、そうできる働き方をしたい。

自分ではなく他者へベクトルを向ける、と。

そうですね。誰かのために働くことで「ありがとう」「助かった」と言っていただけて、それが成長につながって、自分も嬉しくなる。 僕の場合だと、主語や目的語を常に“お客様”や“社員”にしている感じです。

どういったご経験を経て、その価値観がつくられていったのでしょうか。

前職での経験が大きいですね。
僕はもともとホームレスだったこともあり、お金には少し固執しているところがあったんですね。すごく儲けたいとも思わないけれど、ある程度お金に困る生活はしたくないと。それで、前職では報酬を目的に営業職を選びました。

でもお客様から頂いたご期待に応えていたら、ある時お客様が僕に恩…でもないですけど、僕のプラスになることを返してくれたんです。そうしたら、僕もまたお返ししたい気持ちになって…そのうち、お互いが「相手のために」と考えてサポートし合う関係性ができました。とても嬉しかったし、その過程がすごく充実していたのを覚えています。

また、お客様にご満足いただくにはスキルも必要ですから、喜んでいただきたいと一生懸命になることで僕自身も成長していく。よりお喜びいただいて、さらなる発注や他のお客様をご紹介いただけることもある。いいサイクルですよね。
お金のためだけだと、目の前のものをどうやって売るかしか考えないので、先につながっていきません。総じて「稼ぎたい」よりも「この人のために」と動く方が、結果的に稼げるのだと学びました。

二村 伸紀 氏のインタビュー写真

社員の意欲を、最大限バックアップできる組織でありたい

売上よりも、成長や他者貢献といった“働きがい”の部分を大事にされているんですね。

そうですね。やっぱり長く働いていくために必要でしょう。そしてそれには、自分が働きやすい職場に身を置くことが重要だと思います。
働きやすさとは、自分が最大限パフォーマンスするための環境が整っているかどうかです。具体的に言うと“チャレンジを応援/評価してもらえる社風であること”。

もちろん「どんな環境だろうがチャレンジする」くらいの気概は大事ですが、それが受け入れられない環境だとどうしても気持ちが萎えてしまうので。会社選びの段階から、そうした制度や実例があるかを見たほうがいいと思います。

福利厚生や環境をチェックすべきということでしょうか。

いえ、少し違うかな。設備の充実度やお祝い金制度など、企業は色々な形で求職者にアピールしていますが、そういう“社員にどんな得があるか”という観点で考えられたものって、働きやすさを担保するものとしてはあまり本質的ではないなと思います。
大事なのは制度そのものよりも“なぜその制度を作ったのか”です。そこから会社の考え方も、先ほどお話したような働きやすさがある会社かどうかもわかると思います。

僕自身ももっと“社員をどうサポートするか”を突き詰めていきたい。例えば育児と仕事を両立したい人がいるなら、それを可能にするために、休暇や働き方の制度を整えていくといった具合に。

ビジョンを共にできる仲間たちと「ALL FOR JOY」を実現していく

御社もそのように取り組まれていますか?

はい。社員誰もが「ALL FOR JOY」を実現できるような働きがいを、組織として提供していきたいと思っています。
正直にお話しすると、創業当初は利益追求の方に注力していました。でもお客様へお喜びいただくことや、社員の働きがいを考えた時に「変わらなくてはいけない」と思い、この5年間で評価制度や社内の仕組みをだいぶ変えてきたんです。

当然その過程で“合わない”と感じて去っていったメンバーも多数いて、社員数は昔と比べると減り、営業力の総量は落ちました。
でもそれは、裏を返せば“ビジョンに共感してくれる仲間の割合が増した”ということであり、チーム力が上がるにつれて生産性も高まり、事実、売り上げは伸びました。

やっぱり「ALL FOR JOY」なんだと実感できる日々が嬉しいし、そうさせてくれる社員に感謝しています。今後も社員たちの働きがいを守っていきたい。そしてこういう社風に乗っかってくれる、好奇心やチャレンジ精神にあふれる仲間が増えたらなお、嬉しいです。

編集後記

成功者の言葉は、得てして“よくある話”と感じがち。二村氏の理念も例外ではないでしょうが、その裏にあるストーリーを知ると、途端に言葉が実感や熱を帯びてきませんか?

皆が似たような言葉を話すのはきっと、それが“本質”だから。そしてそこには、真正面から向き合って初めてたどり着けるのだろうと感じました。
“稼ぐ”とはなにか、真剣に考えながら働いてみましょう。その先にあなたなりの答えが見つかるはずです。

編集:佐藤 由理

「株式会社アイフィールド」概要

2009年に通信設備商社として設立された企業。設立2年で年商1億円と順調に成長を続け、15年には年商20億円を突破した。
現在の事業内容はイベントでのプロモーション/ストアプロモーションの企画・運営、遊休スペースのシェアリングコンサルティング、OA機器・DXサービス等のコンサルティング・施工・保守、WEBシステムの開発・製作など。

この記事をシェア
突き抜けるためになにをしたのか「CEO VOiCE」 » 記事一覧 » 借金700万円から5年で売上24億円へ_
CEOがたどり着いた“稼ぐ”ことの本質