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イノベーションを起こし続けるCEOに訊いた
「視野を広げる」思考法

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#高揚感#24時間の制約#チャレンジ手当

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社インティメート・マージャーの簗島 亮次氏にお話を伺いました。
「新しい価値を提供していくこと」を大切にされている簗島氏が、その軸を獲得してきた経緯、そして今お感じになることなど、様々なお話を伺いました。

株式会社インティメート・マージャー
簗島 亮次
簗島 亮次社長のプロフィール画像

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を2010年首席で卒業。同年、大手IT企業へ入社。2013年、株式会社インティメート・マージャーを創業し、代表取締役社長に就任。
データサイエンティストのアカデミックな視点と経営者としてのビジネスの視点から、日本最大級を誇る約4.7億ユニークブラウザに紐づくオーディエンスデータを用いて、さまざまな業界の課題解決を支援している。

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好奇心を満たすには、24時間じゃ足りない
想いが原点となり、新たな価値を生み出し続ける

簗島さんにとって、“働く”とは何でしょうか。

僕にとって“働く”っていうのは、世の中に対して新しい価値観を提供したり、今までできてなかったことができるようになることですね。

僕自身もそれを目指していますし、インティメート・マージャーという会社もそうです。
組織として、できることを増やしていく組織にしていきたいですし、社員に対しても、新しい挑戦をしてできることを増やし、個としての成長もどんどんしていってほしいと伝えています。

「新しい価値を提供していく」という意識は、学生の時からお持ちだったんですか?

僕自身は割とそういう気質が強い方なんだと思います。
元々は大学生ぐらいの時から、データとか人工知能や機械学習を使って、自分が24時間の中じゃできないことを自動化したり仕組み化していくってことをやっていました。

そこから仕事としてやるようになって、事業としてやるようになって、会社としてやるようになって…というふうに進化してきてる感じです。

どんな学生時代をお過ごしだったのでしょうか。

大学1年生の10月に先輩と一緒に会社を作って、大学生をしながら会社で働くっていうことを始めました。
大学2年生になった時に、プラスで研究室に入って。
そんな生活を、どれかを取捨選択するというよりは全部同時進行で進めていたので、時間の圧縮が必要だったんですよね。

やりたいことや好奇心を満たそうとしていくと、24時間の制約にぶつかって、通常の効率性だとできないことが多かったので、昔から効率化に取り組んでいました。

それが今の事業に繋がっているんですね。

自分のやれることを増やしてこうっていう人を、データとかAIは支援することができるんじゃないかなっていうところで、今の事業をやらせていただいてる感じですね。

日本ではこれから労働人口が減ってく中で、今までしてきたことを継続していくことさえも難しい状況の中で、それでも会社は成長していかなきゃいけない。
やらなきゃいけないことがいっぱいあるのに、やれるリソースや時間がない状態って、僕が大学生のときに感じていた課題とすごく近いなと思うことが多かったりします。

ー個人としてやっていたことが、広く価値提供に繋がっていると感じています。

仕事をすることだけが、仕事の質を上げるわけじゃない
広い視野を身につけるための独自の取り組み

若者の働く価値観が多様化している中で、お感じのことはありますか?

仕事だけが全てじゃないよって話は、社員に向けてすることが多いですね。

僕自身は社会人になったばかりのときはめちゃめちゃ働く会社に入って、0時前に帰ると早退ですかって言われるような会社だったんですけど。
仕事に没頭するのはすごくいいことだと思いますが、別にそれが全ての働き方じゃないですし、そこで身につけた情報、そこでの人生が全部じゃないっていうのはよく思ったりしますね。

それぞれが会社以外でやっているいろんなことの中から学んだことが、事業に役立つこともあって。
プライベートで経験したものが僕らに対して良い影響になることもあると思うので、インティメート・マージャーとしては副業も希望者はできますし、あとはちょっと新しいことを始めてみたいと思った時に、会社から費用を支援する「チャレンジ手当」というものもあります。

価値観が多様化している中で、その個人の価値観を殺すっていうことは全然なくて、応援したいと思いますし、そこから僕らにフィードバックできるものがあったらぜひ教えてくれると嬉しいなっていう感覚ですね。

チャレンジ手当、ユニークですね!

そうですね、珍しいかもしれないですね。
チャレンジ手当として毎月2500円支援してるんですが、使用用途はなんでもいいんです。
生成AIの有料版に使う人もいれば、習い事の一部のお金に使っている人もいますね。

本業に繋がることに使う方が多いのでしょうか。

そう思ってる人は、あんまりいない気がしますけどね。(笑)
変な言い方ですけど、例えば習い事先で知り合いになった人が、仕事に繋がるみたいなこともあったりする。
それは別に、仕事に繋がるために習い事をするのではなく、習い事に行ったらたまたま繋がった、みたいな感じなので、そこも含めて視野が広がることによってできることが増えると思います。

会社っていう1つの組織の中で完結してしまうと、人脈とか全然違ったこだわりとかを持てる機会って減ってしまう。
一方で仕事だけじゃなく、いろんなところに目を向けることで、結果的に仕事に繋がることがある。仕事をしてるだけが仕事の質を上げることじゃない、と思うようになりましたね。

なので、ある意味強制的にではありますけど、チャレンジ手当を渡して、視野広げるといいことがある、という体験をしてもらうことを意識しています。

「効率化」だけじゃない。
テクノロジーが生み出す「高揚感」を目指す視点を大切に

20代が会社を選ぶ時はどんな点に注目すると良いでしょうか。

今までのことを今まで通りにやっていくんじゃなくて、これからは10倍の効率で働くことができるんだっていうことを、本気で考えてる会社を選んだ方がいいと思います。

生成AIが出てきた中で、今までとは違うスキルだったり力を身につけていかないと、働き方も非効率になってしまう。
逆に言うと、新しいスキルや価値観を身につけることによって、他の人の10倍の速度で何かアウトプットできるっていうことでもあると思います。
新しい技術を取り込んでいるとか、変化を好む組織にいた方がいいんじゃないかなと思いますね。

そういった会社には、どんな特徴があるとお考えでしょうか。

新しいテクノロジーを入れる一方で、それを効率化とか最適化だけじゃなく、組織の最大化に使っていくっていう意識を持ってる会社かどうかが大事だと思います。

RPAとかでも、例えばこれまで10時間かかっていたことが3時間で終わってよかったね、で終わる会社なのか、それとも10時間でやったことが3時間で終わって、残りの7時間を使って今までやれてなかったことをやっていき、元々10だった仕事を100にすることを目指す会社なのか、っていうところで、だいぶ違うなと。

「今までやってたことを簡単にできるようにしました」だけだと、働いてる人からしたら、高揚感がないと思っていて。
無駄なことをやめるだけじゃなく、その後でもっと大きなことやろうって話ができる、ちゃんとDXとかデータとかテクノロジーを考えていくことができてる会社を選ぶことは、結構大切だと思いますね。

編集後記

ご自身の経験から「視野とか価値観を広げていくのって自分の心の持ちようで、何に取り組むかじゃなくてそこから何を得るかっていうところが重要」と話してくださった簗島氏。
思わぬ場所に、仕事へのヒントが落ちている。それを見つけ拾うには、常にアンテナを張っていくことが大切なのだなと学ばせて頂きました。

編集:冨樫 麦野

「株式会社インティメート・マージャー」概要

株式会社インティメート・マージャーは、データ活用を支援する企業であり、主にデータ・マネジメント・プラットフォームの提供を通じて、企業のマーケティング支援を行っている。
豊富なデータベースとAI技術を活用し、広告効果の最大化や事業成長をサポート。幅広い業界向けにデータ活用を支援するサービスを提供しており、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速している。

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