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「起業とは“仲間づくり”」を体現するCEOの
仕事観に学ぶ、幸せの本質

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#お金と幸せの両立#果実は分け合う#歴史から学んだ組織論

あなたは何のために働いていますか?幸せを感じる瞬間はいつですか?
株式会社L is B・横井 太輔氏の言葉は、働く意味を見出しづらい現代の道しるべとなるかもしれません。
大病を経てたどり着いた“働くことの意味”、お金を得てなおかつ幸せになる方法など、心に刺さる言葉の数々…働く全ての人に読んでいただきたいインタビューです。

株式会社L is B
横井 太輔
横井 太輔社長のプロフィール画像

大手ソフトウェアメーカーで営業、社長室、商品開発を経験した後、独立。2010年に株式会社L is Bを創業。世界で50万ダウンロードを記録したTwitterアプリ「Feel on!」の開発を経て、4000社を超える企業が利用する現場向けビジネスチャット「direct」をはじめ法人向けSaasサービスを提供している。

横井 太輔社長のプロフィール画像

「誰かに喜んでもらいたい」強い想いが起業のきっかけに

ご病気をされたことが起業を考えるきっかけになったと伺いました。
命の危機に直面した時に、“起業”という“結果を出すには時間のかかること”に情熱を向けられたのはなぜなのでしょうか。

うちは母親が10人兄妹、父親が7人兄弟という大家族で、末っ子だった母の1番下の子どもが僕でした。親戚みんなに可愛がられて、将来を期待されて育ったので、就職してからも「これではみんなの期待に応えられてないな」という意識が常にあったんですよね。

そんな時会社の健康診断でひっかかり、胃の悪性リンパ腫だと宣告されました。幸いにも治らないガンではなく放射線治療を経て快方へ向かったのですが、“命には限りがある”ということを痛烈に実感して…それなら僕は大好きな仕事で誰かに喜んでもらうことに時間を使いたいと思ったし、何かしら社会に爪痕を残して人生を終わりたいという想いが強くなりました。

そうすると怖いものがなくなったんですよ。それまでは「あの人にこんなこと言ったら嫌われるかな」と、嫌われないよう努力する自分がいたんですが、命を取られるよりつらいことはないと思うと、躊躇なく何でもできるようになりました。
起業したのも「見逃し三振より、空振り三振したい。チャレンジするならとことんやらないともったいない」という思いになったことが大きいです。

起業とは仲間づくり「果実は分け合う」方針を貫いていく

情熱を持てるテーマが見つからない人もたくさんいるのではと思います。横井さんは事業内容をどのように決定されたのですか?

やりたいことが見つからないとは、よく耳にしますね。ただそんなもの、ほとんどの人はない。目の前のことを一生懸命にやっていく中で見つかるものなのではないかと思います。

僕は会社員時代、ソフトウェアの営業をしていたのですが「僕だったらこういうソフトを開発する、そしたらもっと売れるんじゃないか」と考えて、自ら提案して事業化していました。つまり“営業”という仕事に向き合ってきたから、やりたいことが見つかったんだと思うんです。

僕の場合、一度は起業に失敗して大借金してしまったのですが…それでも楽しかったですよ!
お金がないと工夫するしかないので、良いアイデアを思いつくと興奮したし、会社に寝泊りして商品開発をして売り上げが立ったときはものすごく嬉しかった。“苦労”と感じたことはなかったし、その中で得た喜びや報酬をみんなで分け合うことが本当に楽しかったです。

組織を率いるにあたり心がけていることはありますか?

起業とは「ONE PIECE」と一緒で、仲間づくりだと思っています。
優秀なメンバーに「一緒に働きたい」と思ってもらうには、その人に喜んでもらえることを考えないとついてきてくれません。人は何のために働いているかというと、自分と家族の幸せのために働いているからです。

マンガ「キングダム」のもととなっている秦の始皇帝の物語に、典型的な例があります。
始皇帝が亡くなった後、文武に長け地位もある“項羽”と、酒と女性が好きで怠け者の“劉邦”という二人のリーダーが覇権争いをすることになります。最終的に勝ったのは劉邦でした。
彼は「自分は酒と女があればいいから、分け前はみんなで好きにすればいい」という考えの人だった。そうなると「あいつについて行けば得できる」と多くの兵が劉邦に味方をするようになったんです。

会社もこれと同じだと僕は考えています。社員はそれぞれの人生のため、家族のために働いている。だから「果実はみんなで分けようね」というところから会社をスタートしました。

そして僕は社長ですが、それは偉いわけでもなんでもなく単なる役割。社長ができることって“資金繰り”と、社員がやる気になってくれる“組織をつくること”…この2つしかないので、僕は「社員の皆さんはお客様のために働いてください、僕は皆さんのために働きます」と思っています。

周囲の人に尽くすことが、自らの幸せにつながっている

さまざまな経験を力に変えていくためのヒントを頂きたいです。

やっぱり挫折することじゃないですかね。失敗すると心が強くなるんですよ。
チャレンジって、できないことをやるということで、そこを超えていくには失敗しないための努力をしないといけません。
失敗しないために行動する。その繰り返しで道は拓けてくるのではないでしょうか。僕が今の立場にいるのも、行動し続けたからです。

失敗しないために情報を得ることは大事ですが、他人の失敗は必ずしもあなたに起こるわけではないから、不安になることはありませんし、逆に成功もそんなに起こらないから、楽観的になってもいけない。
色々な人の話を聞きながらも、自分の中で取捨選択をして行動に移していくことが大事ですね。僕も成功しているというかはわかりませんが。

たしかに、成功の定義も難しいですよね。

そうですね。若い頃はお金持ち=幸せと考えがちですが、金銭的な成功が幸せとは言い切れないと思います。巨万の富を築いても、寂しさを抱えて生きている人はたくさんいます。

幸せになるためにはお金が必要だと思います。お金を得て、なおかつ幸せというのはどんな状態だと考えますか?

人は1人では生きていけません。支えてくれる人がいて、支える人がいる…幸せになるには、家族や友人や周りの人といい関係を築けるということが大切なのではないでしょうか。
人間は関わり合いの中で生きていくのですから、お金をある程度得てなおかつ幸せでいるには、得たお金を周りの人を幸せにするために使うことで実現するのではないかなと思います。

よく寄付をしたり学校を作ったりする経営者がいますが、「誰かを喜ばせたい、役に立ちたい」という気持ちの表れで、それが彼らの幸せになっているのだと思います。
僕も社員みんなに肉を贈ったり、会社でスイカを切ったり、ゴルフへ行って全員分を払ったりということを積極的にやっています(笑)みんなが喜んでくれることが幸せなので。

会社も幸せも、周囲の人によって築くことができている。今後も感謝の気持ちを忘れず、みんなと果実を分け合っていきたいです。

編集後記

横井氏の言葉はどれもシンプルかつストレートで、その分、心に真っすぐ突き刺さりました。
人生を通して「起業は仲間づくり」を体現する横井氏のストーリーから、人が幸せに生きるための本質的なアドバイスを頂けた気がします。私もまずは、仲間を大切に、今の仕事へ打ち込んでいきたいです。

編集:佐藤 由理

「株式会社L is B」概要

2010年、静岡県焼津市にて設立。
「アイデアとテクノロジーで人を笑顔にする!」をミッションに掲げ、現場向けビジネスチャット「direct/ダイレクト」や、現場向けカメラ&クラウド共有アプリ「タグショット」「タグアルバム」、現場のノウハウを動画で共有できる「ナレッジ動画」など、多彩なITソリューションを開発・提供している。

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