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「求められたならやってみよう」
紆余曲折を正解にする人の思考

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#継続的に成長していく#目の前のことをやりきる#ボトムアップ

2020年の設立以降SES企業として破竹の勢いで成長を続けているMarvel株式会社。同社を率いる河畑 福太郎氏にインタビューしました。
生き方を模索しながら「土日祝日関係なく働いていた」という20代を経てたどり着いた、会社経営という道。そこに至るまでの働き方や思考、経営者となった今なにを思うのか、詳しく聞きました。

Marvel株式会社
河畑 福太郎
河畑福太郎社長のプロフィール画像

大阪府岸和田市出身。大学卒業後に上京し、外壁塗装の営業会社に入社。太陽光発電の営業に転職後、経営に興味を持ち、早稲田大学のMBA Essentialsプログラムを受講しながら保険会社、IT営業、ITコンサルタントを経て2020年にMarvel株式会社を設立。代表取締役に就任。

河畑福太郎社長のプロフィール画像

成果も好きも、そこでできることをやりきった先に見えてくる

今の20代についてどんな印象を抱いていますか?

短期間でのリターンを求めている傾向があるなと思います。
僕も“石の上にも3年”という言葉をそのまま受け取っているわけではありませんが、やはり収入や昇級は、1年2年3年と積み重ねて初めて得られるもの。置かれた場所で自分ができることをやり切るというのは大事だと思います。

また、やりたいことや適職がわからないと悩まれている方も多いと思いますが、そうした意味でも“目の前のことを全力でやる”ことは重要ですね。
何事もやってみなければ、自分に合っているのかなんてわからない。やってみれば、自分の得意不得意や好きが自然と見つかっていくんじゃないでしょうか。急がば回れです。

河畑さんもそのように働いてこられたのでしょうか。

そうですね。ただ“頑張っている”という感覚はなかったかもしれません。
僕は昔から物事を突き詰めて考え、トライしてみることが好きで。「自分ができる最大の成果を出したい、そのためにどうするか」と考えながら改善していく、そのプロセス自体を楽しんでいた節があります。
会社員時代は職場の近くに住んで、土日祝日関係なく働いていました

そうした営業マン時代から起業までのお話を伺いたいです。

起業するまでに5回転職を経験しています。
転機になったのは、保険会社のテレアポをしていた頃。1日100〜150件ぐらい電話をかける毎日を過ごすうちに「手に職をつけたい」という気持ちが強くなり、エンジニアになろうと思ってIT企業へ応募しました。

エンジニアを派遣しているSES企業を受けたのですが、面接で「君、営業の方がいいよ」と言われ、結局営業として入社することに。
エンジニアにはなれませんでしたが、そこでSES業界の営業方法や採用方法、契約の仕方、トラブル対応などを幅広く学ぶことができました。

「エンジニアになれないなら他へ行こう」とは考えなかったのですか?

反発心はあまりなく、素直に「求められたならやってみよう」と思いました。 結果的に今の素地をつくれたのはあの期間だったなと思います。当時自分のやりたいことを優先していたら、Marvelは誕生していなかったかもしれません。

そして2018年、次のステージに行きたいと考えたタイミングで、ITコンサルティングの会社を立ち上げました。それが初めての起業で、Marvelは2社目になります。

河畑福太郎社長インタビューのようす

常に“成長”し続ける集団でありたい

そのような経緯だったんですね。経営者になられた今、河畑さんのようなバイタリティ・忍耐力などを持った方と働きたいと思いますか?

僕と同じにとは思いませんが、僕たちは“エンジニアの市場価値を高める会社”と掲げていますから、継続的に成長していくという気持ちは持っていてほしいなと思います。

成長するほど携われるプロジェクトが増えますし、給与も上がり、働き方の幅が広がる。
もし当社を辞めることになっても、独立したりフリーランスになったり、コンサルティング会社へ行ったりと、それぞれのキャリアの選択肢が増えます。それは社員にとって幸せなことだと思います。

意欲を高めるために、会社として取り組まれていることはありますか?

バーチャルオフィスを使い、月1回プログラミングの勉強会を行っています。エリートのエンジニアを外部講師としてお招きして、今はReactというフレームワークや、Python、Go言語を月替わりでやっています。
また、社内管理部向けにMarvelアカデミーという勉強会も2週間に一度開催しています。営業の人が多いので、営業のマインドセットや心理学的に提案する方法、テレアポのノウハウなどを共有しています。

素晴らしい取り組みですね。河畑さんが進められているのですか?

はい。僕が企画して進めています。
営業が増えていくと、それぞれが持っている知識やノウハウにバラつきが出て、スキルが標準化されないという課題があったので、みんなの成果が1.2倍、1.5倍になればいいなという思いで会を開いています。

中堅企業を見据え、
若い世代がボトムアップする文化を社内に醸成していく

今後の展望を教えてください。

会社として永続的に成長していきたいです。そのためには若い世代がボトムアップしていく文化が必要だと考え、新卒採用もはじめました。

どんな時も若い人が時代を変えてきましたし、サイバーエージェントやディー・エヌ・エーなど、成長し続けている企業は新卒採用に注力しているので、良い人材を迎えて育てていくのはセオリーかなと思いまして。
今のところは毎年営業とエンジニアを5名ずつ採用したいと思っていますが、順調に社員が増えていけば、採用を倍にしてもいいと考えています。

河畑さんが考える“成長”を具体的に知りたいのですが、なにか直近で目指していることはありますか?

中堅企業です。
これまでは大企業と中小企業に分類されていたところ、その間に新しく“中堅企業”が定義されましたよね。僕たちも今から300人、500人、600人と社員を増やして強い組織になり、2~3年かけて中堅企業になりたいなと考えています。

社員はもちろん現在の応募者も、成長を求めて当社を選んでくださっている、前向きで意欲の高い方が非常に多いです。
中堅企業になることは簡単ではないでしょうが、良い仲間に恵まれているので大丈夫。全員で手をたずさえ、成長し続けていきたいと思います。

河畑福太郎社長と仲間
編集後記

成長企業を率いている方とは思えないほど控えめで、どこか飄々としている河畑氏。まるで青い炎を連想させるたたずまいが非常にクールでした。
言葉にすれば当たり前のようにも聞こえますが、実践できる人は多くない「置かれた場所でできることをやりきる」ということ。やりきった先の姿を見せていただいた今、どうして目の前のことから逃げられるでしょうか。何事も急がば回れ。今日ここから、一生懸命になっていきましょう。

編集:佐藤 由理

「Marvel株式会社」概要

2020年11月設立のスタートアップ企業。社員の平均年齢は31歳と、若く実力あるエンジニアが多数所属している。「誰もが輝く社会を創る」をミッションに掲げ、システム開発やインフラ構築、DX推進を展開中。

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