この記事をシェア

「働くとは、人間を磨くこと」
心底ワクワクして働くCEOの仕事との向き合い方

この記事をシェア
#社会とことん向き合う#女性社長#医療通訳

メディフォン株式会社、澤田 真弓 氏にお話を伺いました。
グーグル株式会社を経て、メディフォンを創業した澤田氏。「働くとは人間を磨くこと」「楽しく働きたいなら大変な会社に入ったほうがいい」と語ります。
一見「根性論」のようにも聞こえる仕事観ですが、その背景を知れば、これらのフレーズが実にイキイキと聞こえてくるはず。本記事を読み、明日の仕事にワクワクしてください。

メディフォン株式会社
澤田 真弓
澤田 真弓 氏のプロフィール画像

2005年東京外国語大学、外国語学部欧米第一課程英語専攻卒。北京大学漢語進修プログラム修了後、2008年インペリアルカレッジロンドン大学院にて経営学修士号取得。
帰国後、ベンチャー企業、グーグル株式会社を経て、2014年、一般社団法人JIGHに理事として参加。医療機関向け遠隔医療通訳事業を立ち上げ、2018年メディフォンを法人化。

澤田 真弓 氏のプロフィール画像

働くとは、他者と社会と向き合いながら「人間を磨く」こと

澤田さんがこれまでどのように働かれてきたか教えてください。

なんといっても20代ですね。あの頃が1番働きました。本当にいい経験をさせてもらったと思います。
いつでも出られるように土日も携帯電話を離さず、クライアントから何を聞かれてもいいように準備をして、24時間仕事のことを考えていて、夢にも見るような生活でした。

当時担当していたクライアントが多忙な方で、文字通り走ってらっしゃったんですよ。
常に新しいことへ挑戦していて、私との会議が終わったら走って社内を移動するくらい忙しかった。その方とお仕事をする中で、自分の出来なさとひたすら向き合わせてもらいました。

とっても鍛えられた日々で、スキルのベースがつくられたのは間違いなくあの時ですね。めちゃくちゃ楽しかったし、心底感謝しています。そのクライアントにはいまだにお世話になっています。

心の底からワクワクして働かれているのだと伝わってきます。

働くって、本当に素晴らしいことです。
他者や社会と向き合いながら「どうしたら自分は社会へ貢献できるのか」と考える。そこに対して一生懸命になれれば絶対に成長するんですよね。働くとは、人間を磨くことだと思います。

楽しく仕事をしたいなら“大変な会社”に入りなさい

仕事にそこまで前向きな人は、現代において減っている気がします。

価値観が変わってきていますからね。
今は情報が溢れているので、色々な意見が目に入って、必要以上に物事を深刻に捉えてつらくなってしまうような気がします。 私は、自分と向き合い過ぎないことで前向きになれているのかもしれません。正解の出ないことですから、自分のことはあまり時間をかけて考えないようにしています。

私の場合は、この人はどうしてほしいんだろう、どういう人なんだろう、この仕事どうやったらもっと成果出せるんだろう、貢献できるんだろうって、他者や社会とひたすら向き合うことで、前向きさが生まれていると思います。

どんな仕事でも、ユーザーや社会に貢献するってことが目標にある。つまり、働いているとは、社会に貢献しているということ。
仕事はもちろん辛いことも多いですが、コミットして結果を出せば、誰かから「あなた素晴らしいね」と褒めてもらえることもある。そうすることで、もっと頑張ろうと思えるじゃないですか。良いサイクルに入り、どんどん仕事が楽しくなっていくと思います。

確かにそのほうが楽しそうですね。

ですから、楽しく仕事をしたいなら、むしろ大変な会社に入った方が良いという考え方もあるのではないかなと思うんです。
もうチャレンジだらけで忙しくてつらい。そういう会社だと、ゆっくり自分と向き合う暇なんてなくて、常に仕事を頑張ることになる。
「どうしようどうしよう」と考えているうちに1日が終わるし、気づけば成長している。それが楽しくてたまらないということかな。
もちろん、努力が他者/社会貢献という形で報われる、自分の成長につながると信じられていることが前提ですが。

とことんポジティブですね。挫折経験はなかったのですか?

そりゃあ、ありますよ(笑)
15年間ピアノを習っていたのですが、才能がなくて上達しなかったんです。これが大きなコンプレックスになっていて、自分に対してあまり期待をしないことがベースになりました。

できると思っていたことができなかったから、挫折するわけじゃないですか。私はもともと自分ができると思っていないから、できなくても嫌なことがあっても、とにかくやってこられた感じですね。

仕事が嫌だったら毎日つらいだろうなと思います。人生のほとんどを占めるものですから、好きになる方法を見つけられたらいいですね。

今の仲間のような“想いを共にできる人たち”と、未来を切り拓いていきたい

そんなパワフルな澤田さんから見て、一緒に働きたいと思うのはどんな人ですか?

私、どんな人でも好きになるんですよ。
うちには、どんどん新しいことにチャレンジしていく人も、医療通訳を極めたいと話す人もいます。個人の考えや意見はバラバラですが、隔たりが生まれることはなく、仲良くしているんですよ。
多様な価値観を持つ人たちが一緒にいて、同じ方向を向いていることこそ会社の魅力だと思うし、そんなみんなが私の自慢でもあります。

なぜそうできるのでしょうか。

私たちが掲げているビジョンは「医療から多様な社会をつくる」という、実現にはとても時間がかかるものです。
遠くにあるからこそ、手前にある小さな課題を取り上げて揉めることがない。かといって夢物語にするのではなく「絶対に叶える」という熱意のある人たちが集まっているから、一体感が生まれているのだと思います。

素敵な会社さんですね。

みんなすごいですよ。
このあいだは30代のメンバーが「私がメディフォンを定年退職する頃には社会がこうなっていると思う」と話していて。定年退職なんて考えていたのって、すごい覚悟だと思いました。

やっぱり政治や社会ってすぐには変わらないじゃないですか。社会づくりにコミットしていると長丁場だし、課題もたくさん出てきます。
そんな中でも想いを持って頑張ってくれる、熱い社員に恵まれて幸せです。私たちのミッションに共感できる人なら、どんな性格でもどんな目標を持っていても歓迎します!

編集後記

“あえて自分と向き合わない”という、ともすれば自分自身が辛くなってしまいそうな仕事観。
しかし不思議と元気をもらえてしまったのは、語る澤田氏の表情があまりにイキイキしていたからでしょう。

大事なのは、トレンドや主観といった、実体のないものに振り回されるのではなく、日々接している社会や他人と向き合うこと。 気持ちをスッと軽くしてくれる、澤田氏の仕事観が、1人でも多くの若者に届くことを願います。

編集:佐藤 由理

「メディフォン株式会社」概要

2014年創業の、32言語以上の医療通訳サービスを提供する企業。
これまで、医療機関向け外国人患者受入れ支援「mediPhone(メディフォン)」、クラウド健康管理システム 「mediment(メディメント)」といったサービスをリリース。
21年には予防医療現場の支援にも事業を拡大するなど、医療インフラ構築に尽力している。

この記事をシェア
突き抜けるためになにをしたのか「CEO VOiCE」 » 記事一覧 » 「働くとは、人間を磨くこと」
心底ワクワクして働くCEOの仕事との向き合い方