CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回お話を伺ったのは、名古屋を拠点に不動産売買を手がける株式会社日本不動産パートナーズの創業社長、青木 晋市氏です。
「仕事は趣味みたいなもの」と語った青木氏。その情熱の源泉や独立の理由はどこにあるのか、詳しく伺いました。
うちは残業ゼロを推進していて、夕方6時半には社内に誰もいないぐらいなのですが…僕は経営者なので1日中仕事のことを考えています(笑)
でも、それが楽しいし苦にならない。僕にとって働くとはもはや、趣味みたいな世界ですね。
最近は「定時に帰りたい」「プライベートな時間を確保したい」という声をよく聞きます。もちろんそうした考え方も尊重しますが、僕としては仕事とプライベートを切り分けるよりも、仕事が趣味みたいになったほうが楽しいと思うんですよ。若い人たちにもその感覚を経験してもらいたいなという気持ちはあります。
だから“ワークライフバランスorハードワーク”といった偏った考え方ではなく、シンプルに“働きたいように働く”というのでいいんじゃないでしょうかね。それが本当のボーダーレスというのかな。
父の影響が大きいのかなと思います。私が小学校6年の時に他界したのですが、ディベロッパーとして京都で事業を展開していたので、自分もいずれは独立したいと学生時代から考えていました。
大学卒業後は銀行へ入行し、不動産仲介や企業融資、人事など、いろんな部署で経験を積みました。史上最年少で不動産営業部長を任せていただいて、役員候補にもなっていたのですが、やはり独立への想いが強く、50歳を機に退職・起業しました。
不動産売却は、素人とか初心者が損する仕組みになっています。場合によっては、本来得られるはずの価格よりはるかに安い値段で買いたたかれてしまう家主様もいらっしゃるんです。そういう「誰かが損するシステムを抜本的に変えたい、改革したい」という思いが強く、当社を立ち上げることにしました。
ただそうした事業をするにしても「なぜ“独立”にこだわったのか」と聞かれると、上手く説明できないんですよ。
父は私が小学6年生の時に他界したので、あまり意識したことはなかったのですが…こうして年齢を重ねてみると「血筋なのかな」と思ってしまいますね(笑)
やっぱり人ではないでしょうか。
どんな会社で働くにしても大事なのは、そこにいる人を自分の仲間だと思えることですね。自分のやりたいことを、自分と合う人とやるのが1番良いと思います。
“どれだけ向こうが親身になってくれるか”を見極めることですかね。でもこのテーマは本当に難しいな…なかなか答えづらい(笑)
ただ確かなのは“仲間と思える”ということを、社員間や一方通行のものにはしたくないということ。僕も社員から仲間と思ってもらえるように、現場へ出続けて社員と信頼関係を築いていきたいと思っています。
組織を大きくしたいと考えた時に、社長が現場主義というのはある種矛盾しているのかもしれませんが…やっぱり今いてくれる社員を大事にできてこそ、会社の成長があると思っているので。
「今の若者は」と言われることも多いですが、僕は今も昔も変わらないと思うんですよ。僕らが若い時も年長者から「新人類」って言われましたし、今「Z世代は」と言われるのも、同じことじゃないんですかね。
人って歳を重ねると「今の若者は」と言いたくなる、そんなものだと思うんです。そこに年長者が凄いとか、若者が劣っているなんて意味は含まれていない。
僕としては今の若者から勉強させてもらっていること、たくさんありますよ。だから、何か伝えるとしたら「みんなで頑張って働きましょうよ」って言いたいです。
別にうちの会社でなくても、それぞれやりたいことを一生懸命やってほしい。仕事が楽しいほうが人生は絶対幸せですから、そう思える仕事についてほしい。年齢や場所関係なく、互いに尊重し合って、みんな頑張っていきましょうと心から思っています。
一般的に、経験を積み重ねていくほど価値観は確立されていき、物事の捉え方にもバイアスがかかってくるものではないでしょうか。しかしそんな中でも「若い世代から学ぶことが多い」とおっしゃった青木氏をかっこいいと思いました。
心から言える柔軟さ・素直さを身に着けていきたいと思うと同時に、どんなに社会が変わってもブレずに突き進む姿勢に心揺さぶられます。私もブレない何かを軸に持って、働ける人になりたいです。
編集:佐藤 由理
不動産素人や初心者が損する「不動産業界の仕組みを抜本的に変えたい」という想いのもと、2019年に創業。通常は3%かかる仲介手数料を原則無料にしているほか、豊富な買主ネットワークを駆使してスピーディーに対応するなど、売主の負担を軽減し最大限の効果を生み出す顧客ファーストなサポートで評価されている。名古屋本社のほか、東京、大阪、福岡オフィスもある。