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「いい会社を探すのではなく、創ってしまおう」
志を胸に挑む、設立10年目の新境地

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#“転職文化”はロスである#設立10年目の挑戦

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回はオープラン株式会社の創業社長、大原 文華氏にお話を伺いました。
現代の働き方に対して抱いている疑念、本質をついた大原氏の仕事観、組織づくりで大事にしていること、今後の組織拡大に向けて取り組んでいることなど…たっぷり語っていただきました。設立10年目を迎えたCEOの目線を、少しだけ体感できる記事です。

オープラン株式会社
大原 文華
大原 文華社長のプロフィール画像

東京工科大学にて、成長が著しい情報技術の分野に注目しプログラミングを学ぶ。 2010年に台湾へ留学し、中国語を習得。現地大手企業にてマネージャー職を経験後、日本人向けの不動産仲介業社を設立した。
帰国後は日本のIT企業で営業職を始めとした様々な経験を経て、より自分の理想とする会社運営のため独立を決意。15年にオープラン株式会社を設立と同時に同社代表取締役社長に就任。

大原 文華社長のプロフィール画像

大事なのは、自分がなにを成し遂げたいか考えて、実現のための行動をとること

昨今の仕事観の変容をどう捉えていますか。

転職は何回でも繰り返した方がいいと言われたり、異業種転職も一般的になってきたりしていますが、こうした“転職文化”は誰にとって効率がいいものなのかと疑問です。
業界や職種あるいは会社によって、必要なスキルは異なります。
個人が転職を繰り返すほど、各業界において専門スキルを極めている…役に立つ人材が減り、個人としても毎度0から習得しなくてはいけない。
これでは国内総生産も下がるし、個人のキャリアという点でも効率の悪い話でしょう。
不要な転職により社会や個人にとっての“ロス”を生まないよう、今後はもっと学校でキャリア教育を取り入れていく必要があるのではないでしょうか。

確かに、おっしゃる通りです。

あと、労働基準法によって就業規則がどんどん厳しくなってきていますが、やりたいことを時間で縛るのってすごくナンセンスだと感じます。
例えば大谷翔平選手があそこまで活躍しているのはおそらく、寝ている時間以外は野球のことを考えているからではないかと思います。
そうすると、会社員が就業規則で1日8時間しか仕事に触れないというのは、一概に良いこととも思えないんです。
もしやりたい仕事に就けたなら、就業規則など気にせず仕事や研鑽に励み、お金を稼ぐ。これも幸せではないかと僕は思います。

規則によって可能性を狭められている人もいると。

はい。ただ個人的にそう思う一方で、僕たちが働くことって、太陽系の中にある地球という小さな星で生まれている生命活動のうちの1つなんだろうなとも思っていて。
例えるなら“アリがどう軍隊を成すか”と同じくらいの次元の話だと考えると、その主義・主張に正解を見出そうという気にはなりません。

多様性は認められるべきですが、かと言ってハードワークが排除されなくてはいけないというわけでもない。
結論、それぞれが望む方を選択すればいいのかなと思います。

どの価値観が正しい・間違っているなんてことはなく、大事なのは自分が人生を通して何をしたいのか、何をやりたいのか、何をしてあげたいのか、自分は何者になりたいのか考えながら、その道を本気で歩むことではないでしょうか。

大原 文華社長がPCに向かう様子

「いい会社を“探す”くらいなら、自分でつくった方が早い」と、起業の道へ

大原さんはどういった経緯で会社を立ち上げられたのですか?

僕はもともと、奉公心というか「上司に尽くしたい」「任された仕事を完璧にやってのけたい」というモチベーションを持てるタイプの人間です。
ただ、サラリーマン時代に勤めた会社では、その気持ちを無下にされるような出来事が多かったんですよね。

3~4社ほど転職しましたが“いい会社を“探す”くらいなら、自分でつくった方が早い”と気づいたのと“自らやってのけないと自分の言葉に説得力が生まれないな”と思ったことがきっかけで、起業に至りました。当時26歳かな、もう10年目に入ります。

組織づくりに気持ちが入った状態で、起業されたのですね。組織風土や雰囲気を教えてください。

“僕たちはこういったことでお金を稼げたら幸せだよね”というものがあって、それに賛同してくれる人たちで楽しんで働こうというスタンスです。
業務にしてもコミュニケーションにしても、あまり強制力の強くない会社だと思います。
働き方や目標、新しい提案なんかは比較的すぐ通りやすいですね。会社のお金を使って新規事業を立ち上げる場合はもちろん、稟議が必要ですが。飲み会に関しても、行きたい人たちで自由に行っています。

あと、人と向き合うことに重きを置いているのも、特長のひとつです。
当社は、個人の相談や悩みに対して、ヒアリングしたりメンターマネジメントの形をとったり、研修を充実させたりと、できるだけの対応をとっています。
人を大事にしているという点は、時代に即していると言えるかもしれません。

経営方針は、大原さん個人の仕事観とは別で考えられているのですね。

はい。最初にお話した仕事観はあくまで僕の考えであって、社員に強制はしていません。社員には、それぞれが思う充実した人生を送ってほしいと思っています。

社員を信じて任せつつ、自らも学びを止めずに高みを目指していく

10年目を迎えて、今後組織拡大や新たなチャレンジは考えていらっしゃいますか?

はい。組織拡大のため、権限移譲を順調に進めています
僕が直接マネジメントをして拡大できる範囲は5〜60人が限界だと感じて、3年ほど前から僕が直接マネジメントする範囲を狭くしていきました。

今僕とやりとりしているのは、3名の役員だけです。
彼らには、僕と同じ思考回路とアウトプットができるよう、できるだけ大きな裁量を持たせて、予算を決めたり方向性を定めたりする経験を積んでもらってきました。
今後この会社の将来は、この3名にかかっていると言っても過言ではないと思います。

社員数を増やして権限移譲…設立から10年で、そこまでできるものなんですね。

社員やお客様のおかげです。
これまで掲げてきた“ITをより身近に”というコンセプトを今後も大事にしながら、ITシステムの構築と、独自のサービス創出に邁進していきたいです。

また同時に、時代や価値観は日々変化していくものですから、その変化に適応できる組織で在りたいとも考えています。
それには事業を多角化していく必要がありますね。
資本主義社会における投資家の1人として、飲食やインフラといった他業界も勉強していかなくてはいけないと思っています。

役員を始めとして今働いてくれている社員たちを信じて任せつつ、僕自身も日々学びながら、より高みを目指してまいります。

大原 文華社長がPCに向かう様子
編集後記

働くことに関する世論は、日々更新されていくのが当たり前。それらに踊らされず、むしろ潮流を掴みながら自分の望む方向へ進んでいくために、世間の価値観を見て“何が正しいか”考えるのではなく、自分の気持ちに立ち返り“何をしたいのか”考えることが重要なのかもしれません。

忙殺されそうになっている時こそ、足元を見つめ直してみましょう。“何をしたいか”_それこそがあなたの幹となり、未来へ枝葉を伸ばしていけるのではないかと思います。

編集:佐藤 由理

「オープラン株式会社」概要

2015年設立。「IT技術を以て世の中の不便を便利に変える。」をミッションとし、設立以来社員を増員しながら組織拡大を続けてきた。事業内容は、システム・アプリ開発 / 運用保守事業 / デザイン / 翻訳事業 / グローバルソリューション事業 / インターネット異性紹介事業 / 有料職業紹介事業 / YouTube事業など多岐にわたる。

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