CEOの仕事観を聞くメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社プラザクリエイトの2代目社長である新谷 隼人 氏にインタビューしました。
新谷氏は、ハードな働き方を経験した新卒時代について「自分の限界へ挑戦したからこそ、新しい価値観を知ることができた」と語ります。 カッと心の芯が熱くなるような新谷氏のストーリーに触れれば、自分の働き方を振り返らざるを得ないはず。特に若い世代必読の記事です。
極端な話かもしれませんが、ビジネスでは“やった人しか勝たない”が唯一無二の答えだと思っています。経験と失敗をたくさん繰り返してきた人ほど、成長できるということですね。
しかし今は時代の流れ的に、会社側が個人の成長機会を奪っている可能性もあるのではないでしょうか。
キャリアを作っていく過程で、多くの経験そして失敗の経験を積むために、長時間がむしゃらに働くことを選択したい時期もあると思います。
でも、本人の限界に挑むような仕事量を渡せば“過重労働”と見做されるのが現在の主流な働き方。
そういったトレンドのなかで、上司や会社から降ってくる仕事はどんどん緩くなっている。
目先の楽さばかりが優先されて、長期的に見ると個人のためにならない改革と捉えることもできます。
今の若い世代が成長したいと思ったら、会社から強いられなくなった分、自ら上司の仕事を奪ってでも働くような覚悟が必要かもしれません。
そういう意味では、成長の機会を得ることに苦労するかもしれない、気の毒な面もあるのではないかと感じています。
“今の生活を大事にする”という価値観は当然あっていいと思います。でも、その“今”の延長線上に自分の将来があるということも考えたほうがいい。
世間では、判断基準が「これくらい働いて当たり前」から「これくらい働けば怒られない」に変わってきています。人間というのは、その基準における当たり前を満たしているのが1番楽です。後者に落ちず、突き抜ける努力をすることが大事だと思います。
成果を上げられない人間は厳しく指導されるような会社で、自分の出来なさを突きつけられる日々でした。
当時は新規事業の立ち上げを担当したのですが、最初の頃はなかなか結果につながりませんでした。電話代すら惜しく、その事業が黒字化するまでは、私用携帯で電話をかけ、その電話代も自分で払っていましたね。
新卒時代はとにかく量をこなすことに専念しました。
色々な人に会って色々な商品を提案して、断られたらその理由を聞きに行く。先々でお客様から「価格が高い、1円下げろ」と言われて1円下げ、下げても「価格じゃなくてお前が嫌だ」「そもそもお前の会社とは付き合わないと決めている」なんて言われたこともありました。
でも、ハードワークを経験できたことは、自分にとって財産になったんじゃないかとも思うんですよ。
大手のような恵まれた環境でキャリアをスタートしていたら「これぐらい働けばいい」と思って、天井が見えてしまいそうだなと。世間一般から見たら厳しいと言われるようなラインを「こういう価値観もある」と思えるようになったからこそ、今があるのだと思います。
それに「給与の分だけバリューを出せているのか」と問われることなんて、今は少ないじゃないですか。正直に言ってもらったからこそ、自分の価値を出すにはどうすればいいか考えたし、努力できた。そういう意味では有難かったと、今は思えます。
現代、ビジネスの分野で「何者かになりたい」と思う人は、自分で自分に負荷をかけ続ける必要があります。
とにかく考える量、チャレンジする量、そして成功や失敗する量を日々追っていく。量をこなすには時間が要る。今日が終わる時に「自分が1番働いたな」と思えるかどうか、自分に問うてみてください。そういう1日を、1年の中で何日過ごせるか。この積み重ねで生まれる差は大きいですよ。
そしてその中でも忙殺されるのではなく、自分の現在地と求めるキャリアの進め方とが合致しているかを、常に確認しながら進んでいくことです。
はい。社内にはもちろん、こうしたメディアを通じて社外向けにも発信しています。
限られた時間の中でパフォーマンスするのはかなり難しいですが、自分の努力で時間をつくり、パフォーマンスをすることはできますし、それが将来の糧となります。努力の量が成果を左右するというのは、時代によって変わることのない真実のひとつなんです。
どう受け取るかは相手の自由ですが、価値観のひとつとして、今後も伝えていくつもりです。
これからの時代、カリスマ的リーダーが牽引するタイプの組織が発展していくのは厳しいと思います。事業をつくっているのは人ですから、そこにいる人たちが成長し、各自で判断・行動できるようにならないと、会社は広がらないし伸びていきません。
手段は任せるけれど“成果にコミットする”ことから目を背けない。この価値観を握れる人がリーダーになれば組織はズレないと思うので、昨今は、僕が方向性を示しながらも、現場で働く社員たちの声を拾い、それを道しるべにして進むという組織に変えてきました。
今後も熱量の高い人を仲間に迎えることで、社内全体の熱を高めて、全員で成長していきたいと思います。
「ハードワークを経験できたことは、自分にとって財産になった」
新谷氏のお話からこの衝撃的なセリフの意味を理解し、尊敬すると同時に憧れまでも抱きました。
しかし、これはなにも特別なストーリーではありません。そうなれるチャンスはあなたの前にもあるのです。世間一般の“当たり前”に浸からず、ビジョンに向けて絶えず手足を動かし続けましょう。突き抜けることが難しい時代だからこそ、貫いた先には想像もしない世界が広がっているはずです。
編集:佐藤 由理
1988年の創業以来、時代の変化に対応しながら進化を続け、現在はイメージング事業、モバイル事業、ソウゾウ事業の3本柱で運営している。
「みんなの広場をつくる。」をミッションに掲げ、グランピング施設の運営や、カフェ×アパレルの新拠点「HATTO CREATIVE PLAZA」を原宿・神宮前にオープンさせるなど、幅広い事業を展開中。