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目前の仕事が見違えるほど面白くなる、
社会・業務との向き合い方

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#社会にインパクトを#社会システムで遊ぶ#知的好奇心を絶やさない

プライム・ストラテジー株式会社のCEO、渡部 直樹氏にインタビューしました。
“社会システムで遊ぶ”を合言葉に、さまざまなサービス・業種を経験してきたという渡部氏は「もっと世界を広く見てほしい」と語ります。そのキャリアから、やりがいをもって働ける自分になるために重要なヒントが得られました。

プライム・ストラテジー株式会社
渡部 直樹
渡部 直樹社長のプロフィール画像

島根大学総合理工学部を卒業後、現・株式会社東京金融取引所に入所。その後、Web・スマートフォン向けアプリケーションの開発を通じて地域のIT化を支援する株式会社飛鳥情報研究所を設立し、代表取締役社長に就任。
株式会社ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングのシニアマネージャーを経て、2022年4月にプライム・ストラテジー株式会社の取締役に就任。2023年6月に代表取締役社長。

渡部 直樹社長のプロフィール画像

承認欲求を狭域で満たすのはもったいない、
社会に目を向けよ!

昨今の仕事観の変化をどう捉えていますか?

価値観とは、自分がどれくらいの範囲を自分の土俵と見ているか、どこでの評価を重視するかによって変わってくるものです。
社会なのか会社なのか、はたまた家族、友人関係なのか…重きを置くところは人それぞれですが、時代によって見るところが大きく変わってきたのではないかと思います。

「社会にインパクトを残したい」「大きなことをやってのけたい」と考えていた我々昭和世代に対して、今の若い世代はその範囲がより狭く、身近なものになってきているのではないでしょうか。
例えばSNSでイイネをたくさんもらいたいとか、フォロワーが増えると嬉しいとか…自分のコミュニティにおいて個が認められるということを非常に大事にしているように見えます。

確かに、承認欲求の強さは、社会でもよく言われていることですよね。

認めてもらいたいと思うことは、決して悪いことではありません。
ただせっかくそこにエネルギーを割くのなら、もっと視座を高く持って「自分は世界に対してどんなインパクトを与えられるのか?」といったところを深く考えた方が良いのではないかと思います。

こういうサービスが世の中にないから作ってみよう、世の中の課題を解決しよう、新しい価値を提供しようと考えてみてほしい。個人でやらなくても、そんなビジョンを持つ会社に入って活躍できたら良いですよね。

自分が手掛けたプロダクトやサービスが社会の基盤になっていくというのは、何物にも代えがたい、価値ある経験です。社会システムに残る仕事をぜひやっていただきたい。
ショート動画につくイイネで満足せず、社会のために…と思考を切り替えられたら、未来はどんどん広がっていくし、個の価値も自然と上がっていきます

社会システムで“遊んだ”経験が、今の自分をつくっている

渡部さんも「社会にインパクトを与えたい」という意識で働かれてきたのでしょうか。

はい。私は初め金融の面白さに惹かれて金融機関に入りました。
お金ってボーダーレスだから、いろんな職種のいろんな人と関わることができて、しかも影響を与えることもできるじゃないですか。それが面白いと思ったし「お金にまつわる社会システムの仕組みを知りたい」という好奇心もありました。

その後、自分で合同会社を立ち上げたのですが、それも「会社を立ち上げて、全うするというのはどういうことなのか」を学びたかったからです。
会社を設立したらどうなる?社員を雇ったらどうなる?会社をたたむとどうなる?という疑問が、実際にやってみると「こういう理由があるから、こういう手続きになるんだな」と、ひとつずつクリアになっていく。
会社を作るのは簡単だけど、たたむのはこんなに大変なんだ、とかね。

起業と閉業を繰り返して、お金についてもかなり苦労しましたし、お客様からお金をいただくのってこんなに大変なのかと思いました。つらくて夜中に泣きながら走ったこともあります(笑)それでもトライして良かった。貴重な学びをたくさん得られました。

多くの経験を経て、今があると。

そうですね。こうした行動を、私はよく「社会システムで遊ぶ」と表現しています。
世の中にはわからないことばかりですから、今後も「社会を知りたい」という欲求を絶やさず、さまざまなことに挑戦しては思い切り遊んで学んでを繰り返していきたいと思います。

経営の面白さをかみしめながら、
個としても会社としても成長していきたい

知的好奇心が行動に直結するというのは、素晴らしいことですね。そんな渡部さんが、働く上で大切にされていることは何でしょうか。

やはり“新しいことをどんどん知る”ということですかね。
日本という社会が世界でどう動いているのか、この会社が社会にどう影響を与えているのかなど、仕組みの部分を深く知る。
そしてなぜそうなっているのか…蓋然性を理解して「自分はそこにどう寄与できるのか」「提供できるものはあるか」と考えながら働くのが、ずっと楽しくてたまらないのです。

この知的好奇心のもと「興味のあることに関われるなら、どの会社のどんな仕事でもいい」という気持ちで働いてきたら、いつの間にか社長になってしまったという感覚ですが…社長も経理や財務、事業など、色々なことに関われるので本当に楽しいです。

これから一層知っていきたいこと、展望などがあれば聞かせてください。

“足元の経営の面白さ”をかみしめながら、一層会社を強くしていきたいと思っています。
私自身、まだ経営の経験が足りないので、どうすれば会社を大きくできるのか、株式市場の中でどうやったら当社ならではのポジションを築けるのか、マーケティングや他社の動向も理解しつつ、市場においてしっかりと弊社をポジショニングしていきたいです。

現在当社は、プロダクトを世界に向けて展開するほか、サイトの保守管理や、製品開発にも注力しています。
例えば“KUSANAGI”は超高速でセキュアなサーバ環境を提供するサービスで、世界37か国で利用できるアプリケーションになっています。複雑なシステムをまとめて最適化するのは日本人が得意なこと。KUSANAGIはその最たる製品です。
「日本の技術をもって世界に何か提案したい」という方が仲間になってくれたら嬉しいなと思います。

編集後記

「社会にインパクトを残したい」という言葉から、少し自分とは縁の遠いお話になるかと思いましたが、それは杞憂でした。大事なのは“どんな大きな仕事をするか”ではなく、“自分がどれだけ広く見るか”なのですね。
どんな仕事も「社会のしくみを支える」大切な一部。自分の仕事が社会からどう見えているかを考えれば、仕事はもっと面白くなるのかもしれません。自分も新しいチャレンジをしたい、そんな気持ちにさせてくれるインタビューでした。

編集:佐藤 由理

「プライム・ストラテジー株式会社」概要

「すべてはエンタープライズOSS(オープンソースソフトウエア)エコシステム発展のために」をミッションに、国内企業やアジア圏のグローバル企業のクラウドコンピューティングに関する課題解決をめざすクラウドインテグレーター。
CMS、サーバの保守管理まで一貫体制で提供するフルマネージド型のサポートサービス「KUSANAGI」をはじめ、クラウドプラットフォームを活用したMSPサービスや、CIサービス、SIサービスを展開している。

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