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東大卒CEOに学ぶ、
人生をどんどん楽しくする仕事との向き合い方

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#人間にしかできない仕事#生き方から働き方を決める

CEOの価値観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社プロゴスの代表取締役社長、坪内 俊一氏 にお話を聞きました。
海外でのキャリアを経て、文化や言語の違い、さまざまな価値観に触れてきた坪内氏は「自分の人生をどう生きたいか、そこに働くことの定義がある」と語ります。その言葉に込められた坪内氏の想いや、仕事に対する向き合い方とは?

株式会社プロゴス
坪内 俊一
坪内 俊一 氏のプロフィール写真

東京大学卒業後、2007年より、Boston Consulting Groupにて国内・海外企業への経営戦略立案・実行を支援。組織変革・人材開発に関わる案件を多く手掛ける。
14年にLondon Business School(MBA)を卒業。19年より株式会社レアジョブへ入社し、執行役員CSOに就任。シンガポール企業のM&A実行や中期経営計画の立案、海外事業立ち上げ、新規事業開発を管掌。23年より現職。

坪内 俊一 氏のプロフィール写真

ボリュームゾーンに合わせるのではなく、個人の仕事観を尊重できる組織づくりを

仕事観の変容について、経営者としてどう捉えていますか?

日本においても、近年色々な面で多様性が認められるようになってきている一方で、働くことについては、ある種画一的な考え方や価値観が働く側/会社側の双方にあるように思います。
例えば“残業が少ないホワイト企業を選ぶべき”、“若手社員にはこうしたことはしてはいけない”というようなことです。

確かに、それがボリュームゾーンにはフィットするのかもしれませんが「人の倍働いて早く出世したい」とか「この働き方ではベンチャーで働く人に負けてしまう」などと思う若者がいたら、彼らにとって“一般的な仕事観”は障壁になるでしょう。

どんな価値観も尊重されていいはずなのに、働きやすさという言葉によって、働きがいが軽視されているような気がします。

大事なのは、一般化から離れて個人の思考にどこまで向き合えるかではないでしょうか。
そのためには社内にもできるだけ多くの選択肢があったほうが良いと思うので、経営者として、色々な働き方を提供できるようにしたいと思っています。

「どういう人生を歩みたいか」考えて、働き方を決めていく

ご自身は、どのような仕事観のもと働いてこられたのでしょうか。

就活の時は、特に軸があったわけではありません。ただ企業説明会で「面白そうな会社がないな」というファーストインプレッションを抱いたのを覚えています。
僕にとっての面白さの基準は、厳しい環境で自分の限界に挑んで能力を引き出すこと。安定しているけれど大きな仕事はできなさそうな会社へ入るより、若手の時から徹底的に実力主義で評価されるというヒリヒリ感のある外資系のほうが向いていると思って、BCGを選びました。

仕事は人生そのものではありませんが、大部分を占めることは間違いありません。“お金を稼ぐ手段”と割り切ってしまうのは、自分にとっては受け入れ難い考え方でした。わざわざ自分で人生を楽しくないものにするのは、もったいない。
“自分がどういう人生を歩みたいのか”を考えて、働き方を決めていくのが良いのではないかと思います。

坪内 俊一 氏

チャレンジングな考え方ですね。

誤解を恐れずに言えば、僕の仕事に臨む姿勢は、ゲームに対するそれと似ている部分があります。
自分が楽しいと思うゲームなら、長時間プレイしても苦に感じませんよね。敵を倒すのに苦戦しても、それすら楽しく感じられるはずです。上手くやればアイテムや仲間が増えて、より多くの得点を得られて、どんどん面白くなっていく。

働くことも同じで、自分が夢中になれる仕事に就けたら、面白くて仕方ないと思いますよ。
もちろん壁にぶつかることはありますし、むしろ95%くらいは辛さが占めているかもしれませんが、噛みごたえがある仕事ほど達成感を得られると思います。
やりこむうちにスキルアップし、チームを持てて、給与も上がっていく。そうやって、生活の大部分である仕事が充実していくと、人生も楽しくなっていきます。

もちろん何事もやりすぎはよくないですし、長時間労働を勧めているわけでもありません。ただ「楽しい!」とのめりこめる仕事に出会えたら、人生は充実すると思います。

その考え方だからこそのご経歴なのかなと思いました。挫折経験はないのでしょうか?

いえ、挫折しかしていませんよ(笑)

高校時代や大学時代は、いくらでも勉強ができる人間はいるんだな、と思い知らされることの連続でした。勉強にきちんと向き合っていたかというのは、置いておきますが(笑)

社会人になってからも、BCGやMBAでも、自分がいかにダメなのかを思い知らされることばかりでした。挫折というか、自分の足りなさを痛感させられることは人生の節々でありましたね。今は社長という立場ですが、まだまだ足りないなと思っています。

経歴を見るとピカピカだと思われるかもしれませんが、その時々では「自分はなんてできないんだ」という心境でした。

その中でも頑張り続けられた理由を教えてください。

先ほどお伝えした仕事に夢中になれているということがひとつ、あとは認められることがモチベーションになっているのだと思います。

事業のミッションというのは、抽象度が高く日々の仕事では、そこに近づいていることはなかなか実感しにくい。その意味で、特に若い時は上司に認められる、顧客に認められる、ということがモチベーションになっていました。

今の会社で、“Recognition” をキーワードに、社員がお互いに認める(recognize)取り組みをしています。これも、自分自身の経験から、必要性を感じたからかもしれません。

「人間にしかできないことを担う」発想で、今後も人材育成領域を開拓していく

最後に、今後の展望を聞かせてください。

当社の事業は、個々のお客様に合わせたソリューションを提供することが主軸。1人で抱える案件には当然限界がありますから、事業を成長させるためには社員を増やしていかなくてはいけません。毎年一定人数の採用をしていき、着実に事業を成長させていきたいです。

当社もAIを活用したプロダクトを展開していますが、テクノロジーで解決できることがどんどん増えている分、人間にしかできないことはなにかを考え、テクノロジーと人間が本当の意味で融合した形を追求していくことが重要になってくるはずです。

AIの活用方法と、人間がやることの価値を考えながら、今後ますます人材育成領域を開拓していきたいと思います。

坪内 俊一 氏
編集後記

“どう生きたいか”から働き方を見つけていくというのは、とても本質的なアドバイスだと感じました。

簡単に他人の価値観を知れる現代では、ぼうっとしていると、うっかり一般論に傾いてしまいがちです。時折立ち止まり、今選んでいる働き方や仕事を「これでいい」ではなく本当に「これがいい」と思えるのか考えてみてください。
自分の選択を積み重ね、価値観を構築して、自分だけの人生を歩んでいきましょう。

編集:佐藤 由理

「株式会社プロゴス」概要

2021年3月に設立。企業の理念として、「世界中どこでも成果が出せる人と組織を創出する」というミッションを掲げ、企業や人の成長を支援したいという想いから、グローバルリーダーの評価・育成事業を行う。人材育成の領域では、AIテクノロジーを活用したサービスも提供中。
テクノロジーとグローバル化に着目した事業を展開している。現在は、本社を東京に置き、名古屋・大阪の3つのエリアに拠点を持ちながら、企業におけるグローバル人材育成を支援している。

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