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“努力をしてこなかった学生”が、
“志を掲げ、やり抜くCEO”へと変われたワケ

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#努力を継続できた理由#報酬=責任#圧倒的Giverであれ

株式会社PRUMの創業社長・岩本 稜平氏にお話を伺いました。
新卒時代からこれまでを振り返り「願望はやがて意志に変わる」「Takerでは成功しない」と語った岩本氏。その背景から、岩本氏の真意_働くことの本質が見えてきました。特に新社会人必読の、説得力とパワーに満ちたインタビューです。

株式会社PRUM
岩本 稜平
岩本 稜平社長のプロフィール画像

2014年にシアトルコンサルティング株式会社へ入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。バックエンドエンジニアとして大手会社の決済サービス開発に従事。16年にヤフー株式会社へ転職し、ヤフオク決済プラットフォームの開発を担当する。
18年に独立しさまざまなスタートアップ企業のプロジェクトマネージャーを務めたのち、19年に株式会社PRUMを創業、代表取締役に就任。

岩本 稜平社長のプロフィール画像

願望と向き合い続けていくと、それは強固な意志へと変わる

1社目を選ばれた経緯を教えてください。

大学生の時、IT系のベンチャー企業のインターンに参加しました。5日間アプリの企画をするという内容で、インターン生同士で一生懸命考えた時間がすごく楽しくて…これと似た経験をしたいがゆえに、ITベンチャーに絞って就活をして、SESのベンチャー企業へ入りました。

とてもパワフルに感じます。そのモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか。

僕は大学まで全く勉強をせずにきてしまった人間なのですが、就活をし始めた頃から意識が変わり、有名どころの自己啓発本やビジネス書を20~30冊ほど読みました。
でもそういう本って、本質的に書いてあることはみんな同じじゃないですか。読んでいるうちに「こうなれたらいいな」ではなく、自然と意志に変わっていったんです。
自分は成功するとか人と違う人生を歩むとか、何かを成し遂げるといった内容を読みながら、自分もそうなるんだと。そうじゃない人生なんて考えられないという気持ちがベースに刷り込まれていった感覚があります。
ただもちろん、それまでなにも努力をしてこなかったので、理想と現実にはギャップがあって結構もがきました。

壁にぶつかった時、諦める人と続ける人に分かれると思います。なぜ岩本さんは継続できたのですか?

継続力はないのですが、僕はものすごく素直で、負けず嫌いなんです。本を読んだら「なるほどそうなんだ、僕もやれるでしょ」と思えたし、そう思ったら絶対にできるようになりたかった。だれかが成し遂げられているなら自分にやれないわけがない。絶対1位になってやるという気持ちがありました。
この生意気さは「思ったからには現実にしなきゃ」という使命感に変わり、僕を突き動かしてきた気がします。
そう。最初はこうなると良いなという“願望”から始まると思いますが、どうしたらそうなるかを考え続けていると、願望が“意志”に変わってくるんです。そこまで向き合ったから、起業でき、なんとかここまで経営を続けてこられているのかなと思います。

岩本 稜平社長がインタビューを受ける様子

経営者になった今も、ここでブレーキをかけてもそこそこ優秀な経営者だと評価してもらえると思うのですが、それでは嫌だなって。
「これまで出会った経営者の中でもこいつはマジでやばい」と周りから思われる、自分自身がそう思える人になるぞという意志を燃料に変えて働いている気がします。
あとは、そういう僕の考えに共感して入社してくれた社員たちを裏切れないなとも思いますね。社員が僕をより強くしてくれていると感じます。

与えられたお金の3倍の働きをすること
「相手と自分のために、Giverであれ」

そうした強い意志があったからこそ、フリーランスから独立という道を選べたのですね。

はい。26歳で独立して、PRUMの前にフリーランスの延長のような1人会社をやっていました。今振り返ると、この期間があって良かったなと思います。この時に、働く上で大事なのは、お金を頂く/世の中で働かせてもらうことに対する責任感だけなのだと強烈に学びました。

詳しく聞かせてください。

お金を頂くとは、それ以上の何かを返さないといけないということ。当たり前の話ですが、僕は当時これに気づけておらず、その期間は仕事が全然上手くいきませんでした。
色々なスタートアップ企業のPMをしていたのですが、とにかく単価を上げるということにフォーカスが向いてしまっており、ことごとく失敗したんです。お客様にも迷惑をかけたし、裁判沙汰一歩手前までいったこともあるし、僕自身もボロボロになって。毎日謝り倒してやっと「お金を頂くって大変なことなんだ」と心からわかりました。

成功したい、昇進したいと思う若者はいっぱいいるでしょうし、その意志は良いことだと思いますが、頂く金額が上がるほど果たすべき責任は重くなるということを理解してほしい。
お金は自分の存在ではなくアウトプットに支払われるもので、その金額以上の働きをすることが原理原則だと。それがわかって初めて、成果を出せるようになると思います。

岩本 稜平社長がパソコンに向かう様子

Giveの精神ですね。

はい。それに若手であれば、お給料以上にもらっていることっていっぱいあるんですよ。
例えばうちだとPRUMアカデミーという新人の教育機関があって、メンターの先輩がすごく時間をかけて面倒を見てくれています。そういった先輩から教わる時間とか、会社がその仕組みを作ってくれていることとか、お給料以外の部分で与えてもらっているものって計り知れない。

でも、近年は“成長したら転職して給料を上げる”というのが一般的ですね。そういうTakerな考え方は一見効率的に見えますが、長い目で見ると上手くいかないでしょう。より高い所へ行きたいとか、独立を目指しているなら尚更です。
与えていただいた分の3倍返しきったと思える働きをして、信頼を積み重ねていくことが大事だと思います。

“会社を作っていく”マインド一色の組織でありたい

御社の皆さんにもそうした考えを持ってほしいと思いますか?

そうですね。プラス、前のめりでいてほしいです。
この2年で15名から65名まで成長しまして、今年は100名まで増やすことを目指しています。組織としてはちぐはぐな部分もいっぱいありますし、みんなで会社を作っていこうというフェーズなので、会社の成長に乗っかるのではなく“会社を作っていこう”という主体性を持っていただきたいと思っています。

そしてそれは決して会社のためだけではなく、自分の成長や働きがいにもつながってくると思います。
“会社のために”と考え始めると、売上を上げるために自分がどう成長しよう、後輩をどう引き上げようかと考えるようになる。スキルも視座も上がってだんだんと仕事が面白くなるし、自分の存在価値がわかり楽しくなってくるはずです。
その経験はきっと、何物にも代えがたい。社員にはその喜びを味わってほしいと思います。

笑顔を見せる岩本 稜平社長
編集後記

「願望は、向き合い続ければ意志に変わる」
この一言を始めとして紡ぎ出された言葉の数々は、含蓄のあるものばかりでした。それはきっと、一般論ではなく、岩本氏の経験に裏打ちされているからでしょう。

私も岩本氏のように“働くとは何か”を自分の言葉で語れるようになりたいと思いました。そのために、まずは目の前の仕事へ一生懸命になってまいります。

編集:佐藤 由理

「株式会社PRUM」概要

「日本で一番エンジニアが成長できる会社」をミッションに、スキル・人間性・主体性を兼ね備えたエンジニアの育成を目指している企業。
事業内容は、課題解決型システム開発事業や、未経験から9か月でエンジニア転職・副業を叶えるPRUMエンジニアスクールの運営など。19年の創業からエンジニア社員は3倍以上に増加しており、今後さらなる組織拡大を目指している。

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