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音楽活動をしながら20歳で起業
「本当にやりたいこと」を見つけるまで

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#自分の価値観#音楽活動#20歳で起業

CEOの価値観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回は株式会社ルートゼロの代表取締役、柴田 侑亮 氏にお話を聞きました。
音楽活動をしながら起業、その後多彩な業界・サービスを経験したのち、ルートゼロを立ち上げたという異色の経歴を持つ柴田氏は「本当にやりたいことなんて、没頭した先にしか見えてこない」と語ります。その言葉が指す真意とは、没頭した先で今、柴田氏から見えている景色とは?

株式会社ルートゼロ
柴田 侑亮
柴田 侑亮 氏のプロフィール写真

高校卒業後、音楽活動をしながら20歳で起業。バー経営のかたわら、中古自動車販売業に営業代行会社の役員として立ち上げに関わる。
結婚を経て、ブライダル関連事業を営む某ベンチャー企業に就職し、その後5年間幅広い事業に従事。30歳でIT業界へ転職、その後株式会社ルートゼロを創業。
現在は常駐型システム開発支援事業を主軸に、ITで世の中をより便利にできるサービス・ビジネスの実現に努めている。

柴田 侑亮 氏のプロフィール写真

モノや情報に踊らされず“自分の価値観”を追求せよ

昨今の価値観の変容をどう捉えているか教えてください。

モノが全くない状況で生きてきた団塊世代と、モノが溢れている世界に生まれてきたデジタルネイティブの子たちで価値観が相反するのは、当然だと思います。
ただ、どちらかが間違っているわけではなくて互いに違うだけなんです。重要なのは、どう融合させるか、多様なものだと認められるかではないでしょうか。

僕は会社としての価値観を「僕らの正解はこれだ」と伝えられるよう研修を強化したし、理念を立てました。色々な価値観を持った人がいるからこそ、絶対に「そういうもんだろう」で通さないようにしています。

柴田さんから、若い世代はどのように見えますか?

モノが“無い”苦労、つまり渇きがない。渇きがないからやりたいことも出てこないと考えると、自分の価値観を見出すことが難しい世代なのではと思います。

自分は何者なのか、どんなことに興奮するのか、なにをやりたいのか。
モノと情報が溢れる中で、満たされている気にならず、きちんと自分の価値観を探していけたらいいですよね。

柴田 侑亮 氏

夢は見つけようとしなくていい、ワクワクする方を選ぶことから始まる

若者の多くが「やりたいことが見つからない」と悩んでいます。

夢や目標は無理に見つけなくていいと思います。
本気で「歌手になりたい」「学者になりたい」と語るのは、昔から歌が上手いと褒められたり、猛烈に勉強したりした人じゃないですか。本当にやりたいことは、没頭した先にしか見えてこないんですよ。
だからまず“自分が今1番ワクワクすること”に気づきましょう。ワクワクする、好きなことなら時間を投下できます。

そしてそれは、仕事とリンクしていたほうがいいと思います。仕事は人生の3分の1を占めるものですから、ここにこだわれないと人生面白くないというのが僕の考えですが、世の中には仕事を“我慢の時間”にしている人が多いですね。

会社や仕事選びに、もっと真剣になるべきだと。

「その後の人生を左右する選択」という意味で、面接はお見合いと一緒ですよ。自分の時間を無駄にすると思ったら、本気にならざるを得ませんよね。

お見合いなら当然年収を聞くし、趣味もエアコンの温度も…聞いちゃいけないことってない。面接も同じです。経営理念、業務内容、給与、残業時間…どう見られるかなんて気にせず、徹底的に聞いてください。

そして自分も等身大でいること。背伸びした姿で採用してもらっても、後々お互い不幸になりますから。

柴田 侑亮 氏

次のフェーズへ行くために、より多くの“僕より熱い若者”と出会いたい

御社には、そういう方が集まっているのでしょうか。

僕ほどギラついているような子は少ないですが(笑)みんな意識高く、素直に頑張っていると思います。

この3年で会社が6倍になったんですよ。3年前まで30人くらいだったのが、3年で130人。色々な人が入ってきた分、個性がミックスされている感じです。多様性に富んでいると感じます。

ただ次のフェーズへ行くには、少し散らばっているこの状態を整えたい。それは“統一”ではなくて“みんなで1つの目標へ向かっていける組織になる”ということです。

それには僕らの価値観に共感してくれる人がもっと必要だなと思って、今は新卒採用に力を入れています。

会社が大きくなる、人が増えていくフェーズだからこそ、会社の理念を最優先にして体現していけるような人を求めているんです。社員が僕より熱く理念を語れる状態が理想ですね。

今見ている25卒の子たちは、仕事に対して「人生そのものだから、どれだけでも努力できる」「人を幸せにするために自分の人生を使いたい」と話す子ばかり。面接していても気持ちがいいです。

周囲を巻き込んでいける人を求めているのですね。

出会った人をファンにできるってすごく大事なことですし、そんな人がたくさんいる会社は魅力的じゃないですか?

たとえばオリンピック。別に自分が詳しくないスポーツでも、日本代表の試合は応援しますよね。日本を背負って目標に向かって進んでいる人たちがキラキラしているから、気がついたら応援しているんですよ。

僕は社員たちに「これだ」と言っています。「僕はこういう結果を出してこんな会社にしたいんです」って言いまわってみろ、反動的に応援しちゃうからって。

僕自身も、ワクワクする方を選ぶ、仕事を楽しむことにこだわってきました。結果、苦しかったことも辛かったことも、涙を流したこともあるのですが、パッと振り返って楽しくなかった瞬間は1秒もありません。

やっぱり自分の価値観や心をちゃんと持つ、発言できることって、本当に強い。若手たちへ伝えながら、自分もますます追求していきたいですね。

柴田 侑亮 氏
編集後記

「本当にやりたいことは、没頭した先にしか見えてこない」

没頭する過程で困難に直面することもあるでしょう。そんな時踏ん張る力となってくれるのはきっと、自分の価値観と、それに基づいてこの道を選んだという事実です。

与えられた選択肢や評価の中でたゆたうのではなく、あなたの価値観を、人生を、力強く築いていきませんか?

編集:佐藤 由理

「株式会社ルートゼロ」概要

2016年に設立、システムエンジニアリングサービス事業・インバウンド事業を開始。翌年にインバウンド事業を事業譲渡後、2019年~2020年でグループ会社を設立・子会社化。
現在はSES事業を中心に、制作・開発受託事業、IT診断事業、採用コンサルティング事業、人材紹介事業、人事派遣事業などを展開中。本社がある大阪のほか、東京・名古屋・福岡の4エリアに拠点を持っている。

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