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23歳で起業!
かつての若手経営者が、日本の成長に貢献するCEOになるまで

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#自分の生き様に真剣になれ#人の価値を上げる

23歳で企業してから20年余、現在Webアプリ開発を主とする会社を経営している株式会社スピードリンクジャパン 代表取締役、西田 祥氏にインタビューしました。
多くの未経験の人材をシステムエンジニアに育ててきた西田氏。その仕事観や現在の考えに至るまでのご自身の気持ちの変化、これからのビジネスのありかたについてなど幅広くお聞きしました。

株式会社スピードリンクジャパン
西田 祥
西田 祥 氏のプロフィール写真

大学卒業後システム会社の営業職を経て、23歳で起業。その後、香港・台湾(台北)・中国(上海)・日本でIT、ハウジングサービス、スクール等の事業を展開。2004年に株式会社スピードリンクジャパンを設立。
「新日本男児と中居」「サタデープラス」など、メディアへの出演歴も多数。

西田 祥 氏のプロフィール写真

稼ぐだけが仕事の意義じゃない、信頼関係を積み上げ、次のステージへ上がれ

若い世代の仕事観について思うことはありますか?

今1番思っているのは、お客さんの満足度や、人と関係を築くことの優先順位が、稼ぐことよりも下になってしまっているということです。

例えば仕事仲間やお客様との関係を、転職をきっかけに絶ってしまう人が非常に多い。そうすると、30代後半になっても頼れる人がいない、会社の中でしか仕事をできないということになる。
その働き方は本当に豊かなのかなと_それでは、次のステージへ上がれないんじゃないかなと、若い世代を見ていて思います。

たしかに“ビジネスのつながりとしか考えていない”感覚はあると思います。

そういう観点でやっていると、いい仕事もできないと思うんですよ。その仕事に“相手の役に立つ”っていう思いがないから、こなし仕事になってしまう。それはお客さんや仲間にも伝わるし、結果的にたいした評価も給与ももらえない。

働くことの本質は“誰かの役に立って、ありがとうの気持ちとして報酬をもらうこと”です。給与のためにこなすという思考は残念だし、目的をはき違えていると思います。

誰かのためにと働き、そこで出会った人を大事にしていけば、仲間の輪が広がり、より大きな仕事をできるようになる。働くことがどんどん面白くなりますよ。

その仕事観は、起業された頃の経験がもとになっているのでしょうか。

そうだね。“自分1人ではなにもできない”と気づいた時に変わったと思います。失敗して追い込まれたら、人って変わらざるを得ないんですよ。

変われたのは「西田くんそっちじゃないよ」と言ってくれる人がいたから

当時のお話を聞かせてください。

背伸びをして「自分はすごい」と虚勢を張っていました。周りは見透かしていたと思いますが、可愛がってくれましたね。人に恵まれました。

20代の頃に経営で大きな失敗をして「自分ってダメなんだな」「なにもできないな」ということに気がついた時、周りの大人や仲間が助けてくれたんです。
間違った方へ進もうとすると「西田くんそっちじゃないよ」と言ってくれたり、時には突き放してくれたりして。

失敗した時にいい大人/仲間がいてくれることが、変わることの必要条件だと思います。ただ、そういう人は一生懸命な人のもとに集まるというのもまた本当。だから、周囲を大切にしながら、一生懸命やることですね。
頑張っている若者を応援したくて仕方なくなる気持ち、おじさんになって初めてわかったなぁ(笑)

周囲に助けられたことで今の西田さんがある、と。

はい。それで“1人じゃなにもできないから、社員を雇う”という考えになりました。
「俺はできないから助けてください」って素直に言えるようになったのは、20代後半か30代前半ぐらいからだったかな。

西田 祥 氏

“人生100年時代”なんて言っている場合じゃない、自分の生き様に真剣になれ

すごく等身大で話されている印象を受けます。

はっきり言い過ぎるのかもしれませんけどね。Xなんか2回炎上しているし(笑)

そうでしたか。

ただ正直、最近のSNSは異常だと思います。個々の正義をぶつけ合うのは不毛だし、なにかにつけて謝罪を求める風潮も気持ち悪い。きっとみんな、他人ばかり見過ぎなんですね。

“何のために、誰の役に立つのか”を本気で考えて働いていたら、他人の言葉尻を拾って攻撃する暇はありません。人生100年時代なんて、悠長にしている場合じゃない。もっと自分の生き様に真剣になれよと言いたくなります。

一生懸命働けば、応援してくれる人が現れて人的ネットワークが広がり、大きな仕事ができ、ありがとうと言われて給与も上がる。ハッピーじゃないですか。

次世代を育てることで、会社と日本の成長に寄与していきたい

最後に、今後の展望を聞かせてください。

これからの日本がどれぐらい世界で競争力を持てるかとか、俺も経営者として考えなくてはいけない年齢になったんだろうな。
大人の仕事として、1番のテーマは“次の世代をどうつくるか”だと思うようになりました。次の世代へつなげることがすごく重要だと。

今後の日本の戦い方としては、観光やアニメなどの文化を武器にインバウンドを増やしていくこと。あとは世界のリソース国になっていくんだろうなと思います。日本は品質の良いものを提供できるので、欧米には「コストがかさんでも日本で頼むのがいい」という国がありますから。

俺たちは未経験の人をエンジニアに変える仕事をしてきたので、それを変わらずに続けて、世界のIT領域においてお客さんのリソース問題を解決するサービスで会社を大きくし、世の中の役に立っていきたいと考えています。

即戦力を求める企業が多い中、未経験から育てるというのは西田さんのこだわりですか?

“人の価値を上げる”ことにこだわりがあるんです。

社員のレベルが上がることで会社が強くなり、より大きな仕事ができて、もっと大きな金が入ってくる。社員に関しては、能力を上げておけばどこでも通用する人材になるから、会社はあくまで箱と思って、社員に“稼ぐ力”を身に着けてほしいですね。

そうして人の価値を上げていくことで、日本の競争力も上がってより良い社会になると信じています。WIN-WINで最高じゃないですか。それを徹底してやっていきたいです。

西田 祥 氏
編集後記

自分にベクトルを向ける/ご縁を大切にするといった考えは、現代において“言い古されたもの”と揶揄されがち。しかし結局、そうした基本を守ることが社会を良くし、自らを輝かせるのだとわかりました。やはり語り継がれてきた価値観には、それだけの意味も価値もあるのです。

時代に流されるのではなく、常に“その本質はなにか”を考え一生懸命歩むこと。人間はそうした人を中心に集まります。そして縁も仕事も、そこから広がっていくことでしょう。

編集:佐藤 由理

「株式会社スピードリンクジャパン」概要

恵比寿に本社を構える、創業20年のIT企業。主に企業向けシステム企画・設計・開発受託・運用サービスを提供しているほか、IT技術教育事業も展開中。
「100年企業」を目標にかかげ「人の価値の最大化」をミッションとし、未経験からのエンジニア育成に注力している。

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