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YouTubeマーケティングの先駆者に学ぶ、
経験を未来に活かす方法

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#リーディングカンパニー#ノーって言うな#上場への挑戦

株式会社Suneightの創業社長、竹内 亢一氏にインタビューしました。
「動画で世界を変える」というビジョンを掲げる同氏。困難に直面しても、持ち前のチャレンジ精神と柔軟な思考で状況を打開し、YouTubeマーケティング企業として確固たる立ち位置を築いてきました。その事業の根幹にはどのような考え方があるのかを掘り下げます。 また、仕事への向き合い方、若者に伝えたいメッセージについても聞きました。

株式会社Suneight
竹内 亢一
竹内 亢一社長のプロフィール画像

1981年、三重県伊勢市生まれ。中学卒業後、ミュージシャンを志し上京、バンド活動を行う。 バンド解散後、YouTubeにビジネスチャンスを見出し、2013年に株式会社Suneightを設立。YouTubeマーケティング事業をスタートし、これまで250以上のYouTubeチャンネルに携わり、金の盾を3枚、銀の盾を24枚獲得させてきた実績を持つ。他、著作に「知名度の上げ方」がある。

竹内 亢一社長のプロフィール画像

人としての幅を広げるために、
20代には「ノーって言うな」と伝えたい

今の若者に対して思うこと、伝えたいことはありますか?

若い子たちには「ノーって言うな」と伝えたいですね。イエスマンになれと言っているのではなく、自分の幅を広げるためにチャレンジしてほしいということです。

どういうことかと言うと、僕は見た目通り運動が好きじゃないです(笑)。
スノボやフットサルに誘われても正直行きたくありません。でも、思い切って自分の領域外に出てみると、普段かかわることが無い人と出会えて、新しいアイディアが出たり人脈も広がったりします

色んな場へ参加して、色んな人と出会って話を聞くのは、絶対自分のためになる。予定が空いている限りはすべてに参加するくらいが良いと思います。

動画事業は特に、そうした1つひとつの知見が活かされそうです。

そうですね。クリエイターは特に、自分の経験や技術をそのままお金に換えられる仕事だと思います。

竹内 亢一社長インタビューの様子

上場断念が、会社の在り方を考えるきっかけに
「上場を目指してよかった」

これまで直面した困難や転機について、お話を聞かせてください。

YouTubeビジネスを始めた企業の中でも、当社はかなり先発なので、苦しんだ経験は少ないかもしれません。

困難として、しいて挙げるなら、4000万円ほどかけて動画を上位表示させるためのシステムを開発したものの、ボツになってしまったことでしょうか。
当時は創業7年目で、YouTubeの分野においてすでに膨大なノウハウがありました。これを活かそうと考えたのですが、システムがGoogleの審査を通過できず、大きな損失となってしまいました。

会社にとっても僕にとっても転機になったのは、上場を断念したこと

僕自身が中卒だからこそ「学歴がなくても、頑張れば結果は出せる」ということを世の中に示したいと思っています。結果の1つが上場だと考えて、一時期上場を目指したことがありました。

そのために社内の規定やルールも厳しくしたものの、ある時社内を見渡して「これは僕が好きなクリエイターの姿ではないのではないか」と気づいたんです。
先ほどお話したように、僕はクリエイター職は「知見をお金に換えられる」仕事だと思っているし、その自由さに魅力を感じていました。にもかかわらず、上場を目指すと決めたことで、働いてくれているクリエイターたちの自由を奪ってしまっていた。そこで上場は辞め、働き方や制作フローも変えました。

結果にはつながらなかったものの、初心に立ち返れたし、たくさんの気づきを得られた。上場を目指してよかったと思います。

竹内 亢一社長と社員の皆さん

具体的に、どのような部分を変えたのでしょうか。

まず「Suneight式フレックス」といって、働く時間や形態を自由にしました。
出社時間は9~13時の中で自由に決めてOK。事前申請も必要なく、その日の気分で出社時間を変えられる。リモートでの出社も可能です。
クリエイターは夜型の人も多いので、自分がパフォーマンスできる働き方を選べるようにしています。

また僕は、マーケティングにおいて良い動画とは「制作クオリティの高さ」ではなく、「再生回数が伸びること」と、それにより「顧客課題を解決できること」だと考えています。これを満たすには、マーケティング戦略と動画技術の両方が必要です。
そこで、かつては企画から動画制作まで一気通貫にしていたのですが、コンサルチームと制作チームを分けました。
「短所は直すな、長所を伸ばせ、短所にはそこが得意な別の人材を充てる」というスタンスで、個人の能力や性格に合ったチームで活躍してもらっています。

そうした過去を経て、今年11期目を迎えられたとのこと。新たに考えている挑戦はありますか?

実は、僕は今タイに住みながら会社を動かしているんです。
現場に残っているメンバーが、社長不在の会社をどう維持していくか。ある意味では挑戦と言えるかもしれません。

11年目もブレないビジョン「動画で世界を変える」へ向けて

タイへのご滞在は、海外進出を見据えてでしょうか?

はい。先発の企業ということもあり、YouTube業界のトップを走っているという自負はありますが、今はだいぶ同業他社が増えてきました。
国内で顧客を取り合うのではなく、僕たちは次のフィールドへ行く。グローバル展開という差別化を選択しました。
ASEAN地域で顧客開拓をしている日系企業はほとんどいませんから、かなり有利に戦えると見込んでいます。

11年目の挑戦ですね。

そうですね。あとこちらへ来てから、スラム街を実際に見て、そこに住む子どもたちを支援したいと思うようになりました。
スラム街で生まれた子どもたちは、学ぶ機会がないので、いい仕事に就くことができません。十分な収入を得られず、スラム街から出られない。そしてまたそこで子どもを産むというループがあります。

その点、動画クリエイターは学が無くてもできる仕事です。僕らが持っているノウハウをシェアし、収入を得られるようにすれば、スラム街から脱出させてあげられるのではないかと考えています。

素晴らしいです。

Suneightでは「動画で世界を変える」というビジョンを掲げています。
それはなにも動画を制作したり、拡散したりすることに留まらない。子どもの人生を変えることにも通ずると思います。

動画がもたらすであろう、あらゆる可能性を模索し、世界を変えていきたいです。

腕を組む竹内 亢一社長
編集後記

「YouTubeに着目する」という先見の明だけでは、事業を軌道に乗せることはできなかったのではないでしょうか。Suneightの成功は、リーディングカンパニーというポジションに甘んじることなく、日本を飛び出して挑戦を続ける_竹内氏のアグレッシブさやチャレンジ精神があってのものだと感じました。
ただそれは、竹内氏の特異な才能というわけでもありません。まずは「ノー」を封印して、自分の興味・生活の外に踏み出してみましょう。その一歩から、世界が拓けてくるかもしれません。

編集:佐藤 由理

「株式会社Suneight」概要

2013年創業の動画マーケティング会社。「超動画SEO」を掲げ、YouTubeにおける企業アカウントの運用・管理をメインに事業を行っている。
膨大なデータを保有しており「マーケティングとは統計学だ」を軸に、独自性の高い方程式で動画マーケティングを展開。数多くの顧客企業の売上伸張や成長に貢献してきた実績を持つ。
自社PRとして運用中のTikTokアカウント「メンヘラ秘書」も順調に人気を伸ばしているほか、「令和の虎」は制作からスタジオ提供まで一手に担っている。

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