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“個の時代”を牽引するCEOが
常に持ち続けている“普遍的な仕事観”とは

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#“どうなりたいか”を明確に#インフルエンサー#常にアップデートし続ける

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」、今回は株式会社トリドリ・中山 貴之氏にインタビューしました。
インフルエンサーの黎明期に活躍し、インフルエンサーを支えるための会社を興すなど、常に時代の最先端を走っている中山氏。その言葉からは「どんな時代においても重要な価値観」が見えてきました。

株式会社トリドリ
中山 貴之
中山 貴之社長のプロフィール画像

月間500万PVを数える個人ブロガーとして活躍後、2016年に株式会社アップロント(現・株式会社トリドリ)を設立、インフルエンサーマーケティング事業を展開し、設立6年目となる2022年に上場。
経営者として働きながらYouTuberとしても活動し、登録者数12万人以上のチャンネルの運営を経験するなど、一貫してインフルエンサーマーケティングに従事している。

中山 貴之社長のプロフィール画像

インフルエンサーとして感じた
“個の市場”の可能性と違和感が、起業につながった

昨今の価値観の変化について、所感をお聞かせください。

今と昔では接触するメディアの数が違い、その数の多寡が価値観の変化を生んでいると思います。
例えば2000年代前半まではテレビは限られたチャンネル数しかなくて、流行っているドラマの話をクラス全員がするような感じでしたよね。みんなが同じものを見ていたからこそ、当時の価値観というのは今ほどバリエーションがなかったと思います。
それが今、SNSを始めとして、個人の触れられるメディアと情報量が圧倒的に増えたことで、価値観は一気に多様化しました。これが1番大きな変化ではないでしょうか。

僕たちtoridoriはよく“個の時代”という話をするのですが…1人ひとりに違う価値観があって、誰もが発信者になれる。今後はそれが当たり前の時代になっていくと考えていますし、だからこそビジネスにおいても多様化した価値観に対応していくことが求められると感じています。

中山さんはインフルエンサーから起業家へ転身されていますよね。きっかけは何だったのでしょうか?

僕が活動を始めた2010年代の初頭は、インフルエンサーという言葉はありませんでした。ガラケーでブログを書く、ブロガーとしての活動からキャリアをスタートしました。
当初は広告代理店から「企業の商品をブログで紹介してください!」というような形でお仕事をいただいて、ブログ記事を書くということをやっていたのですが、ブロガーとして活動するうちにだんだん「自分の影響力はどのくらい価値があるんだろう」ということが気になるようになり、自分なりに調べてみたんですよ。
調査の結果、想像よりも僕という個人の発信には高い価値がありそうだとわかりました。

そして、広告代理店のマージンがかなり多いことにも気づきました。

中山 貴之社長インタビューの様子①

この経験から「自分の価値を正しく認識して、自分で仕事を取れるようになりたい」と思い始めました。また、僕と同じようにブログで発信していた仲間たちも似たような状況だったので、「発信者が適正価格で仕事ができる広告代理店を僕が作れば、発信者が幸せになるよね」というところから、起業を考えるようになりました。

そのうちTwitter、Instagram、YouTubeが流行り始めて、渋谷駅の前にYouTubeの看板が立った時、僕たちがやっている個人の発信はこれからどんどん増えて価値が高くなっていくだろう、そして「個人が発信力を持つ“個の時代”がやってくる」と確信したんです。
そこで“個の市場”に挑戦しようと考え、今の会社を立ち上げました。

どんな時代で働くにも大切なのは
“常に自分を更新し続けること”

働く上で心がけていることはありますか?

会社の行動指針にも入れているのですが、「常に自分を更新し続ける」ことが大事かなと感じています。
仕事を続けていくには、やりがいを感じられることが重要ですよね。では、やりがいはどうしたら感じられるか…それには自分のスキルや出来ることのレベルを上げ続けることが必要だと思います。
技術や知識を習得するとか、1つひとつの仕事でスキルが上がるとか、人脈が増えるとか、新しい何かを達成するとか…とにかく何かしら自分の成長につながっていると感じながら働きましょう。

また「今働いているのは、何のためなのか」という意識があるかどうかは、自分の成長度を左右すると思います。なんとなく仕事をするのではなく、働く目的を定めた上で努力することが大事なのではないでしょうか。

立場が変わりつつも、「自分をアップデートする」という価値観がさらに強固になっているんですね。

そうですね。仕事とは、日々“出来なかったこと”を1つひとつできるようになることの積み重ねです。そこは個人も経営者も変わらないなと思います。

常にアップデートしていくというのは簡単なことではないと思います。モチベーションを保つポイントはありますか?

自分が楽しめること・ワクワクするようなことが仕事の中にあるかどうかということかなと思いますね。
何にワクワクするかというのは人によって違うと思いますが、僕の場合は、まだやったことのない新しいことに挑んだり、自分が出来なかったことに手が届いた時に自分の成長を実感できてすごく楽しいですね。この楽しさが僕のモチベーションになっていると思います。
本当に小さなことでもいいから、仕事の中で自分が楽しいと思えることを見つけられると、モチベーションになるのではないでしょうか。

僕自身は経営者として、会社を運営する上で全ての意思決定をしなければいけない立場になりました。意思決定するには幅広い知識とスキルがいる。自分自身の成長が必要だなと日々感じています。
それでも成長すること自体にやりがいを感じるし、「“個の時代”を担う会社を創る」という夢のためだと思うと楽しいですよ。

中山 貴之社長インタビューの様子②

有意義な仕事は“どうなりたいか”を
明確にするところから始まる

モチベーションを高く持って働いていくには、環境も重要な要素になりそうです。会社選びについてアドバイスを頂けますか。

「自分は将来どうしたいか、どうなりたいか」を明確にすることが重要だと思います。

安定して働きたい、プライベートも大事にしたいといった方は大企業を選ぶのが良いと思います。
対してスタートアップにも良いところはあります。大企業のような安定性はないように見えるかもしれませんが、チャンスはたくさんあって、年功序列でもないので、実力さえあれば上のポジションに行きやすいですね。
特に、プロフェッショナルとしていち早く知識やスキルを得たいという志向がある方なら、スタートアップで得るものがたくさんあると思います。toridoriもそんな会社のうちの1つです。

中山さんはどんな人と一緒に働きたいと思いますか?

インフルエンサーやSNSに関わる業界はとにかく変化が目まぐるしいです。そんな中で情報をキャッチアップし、新しいマーケティング手法やメディアの活用法を生み出していくのが僕たちの事業です。
変わり続けるということに魅力を感じてくれる人がいたら、ぜひ一緒に働きたいなと思います。

そして僕たちは今、大きな資本・組織が生み出す巨大メディアから、個人が動かしているメディアへ時代の中心が変わっていくと信じて仕事をしているんですよね。まさに、時代に大きな変化が起きる瞬間に立ち会っている。この潮流に乗り、ますますビジネスを拡大していきたいです。

編集後記

ついわかりやすい成果や成功談を求めてしまいがちですが、本当に大切なのは、少しずつでも自分をアップデートさせることなのですね。 これだけ時代が変化しても、重要なのは結局“個人の成長”という基本を押さえること…この事実は時に私たちを叱咤し、またある時には励ましてくれそうです。

編集:佐藤 由理

「株式会社トリドリ」概要

2016年に設立された、インフルエンス・プラットフォーム事業を手掛ける企業。 インフルエンサー向け案件探しアプリ「toridori base」や、インフルエンサーへPR投稿を依頼できる企業向けマーケティングサービス「toridori marketing」、インフルエンサー専門成功報酬型広告システム「toridori ad」など、インフルエンサーを対象とした各種サービスを提供している。

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