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仕事、そして人生がどんどん面白くなる
“ワークアズライフ”という考え方

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#社員を輝かせるトップ#地域から活性化させる#役職は役割

CEOの仕事観に迫るメディア「CEO VOiCE」。今回のインタビュイーは、株式会社トラストバンク・川村 憲一氏です。
自らコンサルティング会社を経営していた川村氏がトラストバンクに参画した理由、「カリスマ的だった」と称する創業者から代表を引き継いだ経緯、そして事業に懸ける想いまで、赤裸々に語っていただきました。

株式会社トラストバンク
川村 憲一
川村 憲一社長のプロフィール画像

食品専門商社を経て、コンサルティング会社で中小企業の新規ビジネスの立ち上げからブランドマネジメント、人財開発に従事。大手EC企業を経て、コンサルティング会社を設立。
2016年にトラストバンクへ参画し、国内初のふるさと納税のリアル店舗「ふるさとチョイスCafé」の立ち上げをリード。ふるさとチョイス事業統括やアライアンス事業統括を担当。19年に同社執行役員、取締役を経て、20年代表取締役へ就任。

川村 憲一社長のプロフィール画像

トップになりたかったわけではない、
ビジョンを叶えたかったんだ

御社のビジネスについて教えてください。

“地域の可能性を共創する”をミッションに、“自立した持続可能な地域をつくる”というビジョンへ向けて、さまざまな事業を展開しています。

例えば、ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」や、実現したい事業や施策に合わせて独自の地域通貨を設計できるサービス「chiica(チーカ)」、ICT技術を活用し自治体業務の生産性向上を促す「LoGoチャット」や「LoGoフォーム」など。
地域外から地域へおカネ・ヒト・モノ・情報を還流させ、地域内でまた循環させるために、多様なサービスを提供しています。

御社へはコンサルとして参画されたそうですが、地域創生に元々興味があったのですか?

そうですね。
サラリーマン時代は、新規事業(フランチャイズビジネス)を提案するコンサル会社で、契約後にお店の数字を上げていく“スーパーバイザー(SV)”として働いていたんです。
日本に400万社以上ある「中小企業の活性化こそが日本を元気にする」というビジョンのもと、6~7年間は、色々なお店のオーナーさんたちと一緒に「どうしたら成果を上げられるか、人を成長させられるか」に向き合いました。
明確に“地域創生”と思わずとも、「ここ(地域)から活性化させる」という想いは、その頃から持っていたと思います。

そこまでの想いがあるからこそ、ご代表に?

それが、最初は社員になるつもりもなかったんですよ。当時“やりたいことをやりたいように成す”ために、自分の会社を立ち上げて経営していたので、もう一度誰かの会社の社員になるという気持ちはさらさらなかった。

創業メンバーから社員になることを打診され、数か月かけて色々な人と話していく中で、そもそも自分は会社のトップという立場でいたいわけじゃないことに気づいたんです。私はまさにビジョンを実現するために働いている。それができるなら、自社でも別の会社の社員でも関係ない、あくまでも役割だよなと。
それに2016年にジョインして、そこから3年間、たくさんのメンバーと関わってきたので、せっかくならこれまで一緒に歩んできたメンバーと実現できた方が、人生として楽しいよなと思ったんですね。
それで執行役員という役割をもらい入社して、数か月後に代表取締役にならないかと言っていただき、今に至ります。

言葉が適切かわかりませんが…面白いご経歴ですね。

面白いって表現が適切だと思います(笑)

役職は“役割”なんですよ。
私が地域創生に強い想いを持っているのは、社長だからではありません。業務委託だった頃から「このビジョンを叶えるために、自分がトップならどう動くだろうか」と意識しながら、発言・行動していました。
すると「じゃあこれやってみてよ」と言われ、その役割を担うために「社員になってよ」「代表にならない?」と話が進んでいったという経緯です。

社員でもアルバイトでも関係ない。ビジョン実現のためになにができるか考えることが大事で、それに合った役割が与えられる。これは、創業者の時代からこれまでずっと継続している文化です。
私もよく、業務委託で入ってきてくれた方に「もしかしたら未来の社長になるかもね」なんて話したりしていますよ。

“ワークアズライフ”と考えられたら、
人生がどんどん面白くなってゆく

自分のやりたいことと会社のビジョンが重なるって、とても幸運だと思います。

確かに。そもそも、ビジョンを明確に言語化することも難しいですよね。
まずは、ぼんやりとしていてもいいので、自分の想いや気持ちと大きく逸れない会社に入るところから始められたらいいかもしれません。働く中で、やりたいことがわかってくる・仕事とやりたいことがつながっていくような感覚を持てると良いのかも。

いわば“ワークアズライフ”かな。プライベートと仕事を分けるのではなくて、人生の中にプライベートも仕事もあると捉えて、楽しんでいくこと。これができると、面白くなっていく気がします。

特に行政の方は、地域のことをむちゃくちゃ考えていらっしゃるんです。みんな「どうしたら地域を盛り上げられるか」に一所懸命で楽しそうだし、輝いているなと思います。

なるほど。御社の社員さんも、そうした考えのもと働かれている方が多いのですか?

有難いことに「飽くなき挑戦だ」と、前のめりに取り組んでくれている方が非常に多いなと思います。
あとは、地域に対する想いを持っていることを条件に採用をしているので「自分が、自分が」というのではなく、優しい人ばかりですね。地域創生は相手が主語になる仕事ですから、自分のためではなく相手のために動けるというのが、うちの特長かもしれません。

地域には可能性があふれているので、さらにアグレッシブにチャレンジしたい方にはうってつけです。トラストバンクは、チャレンジを受け入れる・成果を上げるチャンスが豊富な会社なので。

トラストバンクは「やりたい」が叶う、
可能性に満ちたステージである

トップダウンからボトムアップの組織に変革してこられたとか。

はい。創業者がカリスマ的なリーダーだったので、当初は悩みました。創業者自身やビジョンに惹かれて入社してきている、当時100人ほどいたメンバーを、カリスマではない自分が引っ張っていけるのかと。

でも創業者から「比較で考えたら、川村さんの良さが死んじゃうよ」「私のようにできるかどうかではなくて、川村さんの良さを活かすという考え方をしたほうがいい」と言われ、自分のことを振り返ってみたら「色々な失敗や経験をしてきたけれど、たくさんの仲間に支えられ、ご縁によって生かされてきたな」と気づいて。
今回のことも、ある意味では周りの人が担ぎ上げてくれて代表になるんだな。それなら、私が引っ張るのではなく、みんなが持っている能力を遺憾なく発揮できる状態をつくることが大事なんじゃないかと思ったんです。

自分が決めた方針で動いてもらうのではなく、社員の「やりたい」という想いや「これはできる」という自信を形にする。それにはボトムアップにしていこうと考えて、組織体を変えてきました。

やりたいことがある人にとって、非常に良い会社ですね。

こういう考え方の会社でありトップなのでね、やりたいことを持っている、推進力のある人が入ってきたら楽しいと思いますよ。

当然やりたいことがすぐに叶うとは限りませんが、そういう土壌を持つトラストバンクで“すぐにはできない”というハードルすら楽しみながら、自分を鍛えながら、やりたいことを目指せる。
その働きが、結果として地域創生=日本を元気にすることにつながったら、かなりやりがいを感じられるんじゃないでしょうか。

編集後記

経歴の裏にある“ストーリー”をなぞりながら、さまざまな角度から「私はなんのために働くのか」を見つめなおせたインタビューでした。
“ビジョン”なんて大仰なものがなくてもいい。まずは「なにを成したいのか」を考えてみましょう。そこから仕事も、ひいてはそれを包含する人生も面白くなっていくはずです。

編集:佐藤 由理

「株式会社トラストバンク」概要

2012年に設立されたIT企業。
ふるさと納税事業「ふるさとチョイス」や「ガバメントクラウドファンディング®」「ふるさとチョイス災害支援」を始め、パブリテック事業「LoGoチャット」「LoGoフォーム」、地域通貨事業「chiica」など、多様なサービスの企画・運営を手掛けるほか、GX事業・EC事業など幅広く展開している。

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