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変化する時代を自らの“推進力”へと変え、
前に進み続けるための考え方

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#気づけばここまで来ていた#期待通りではなく“理想以上”

CEOの仕事観に迫るメディア「CEOVOiCE」、今回インタビューを受けてくださったのは、株式会社アーバンライク・吉野 悟氏です。
「夢を叶えようとして叶えたわけじゃない」というお話や、アーバンライクのミッションに込められた想いなど、さまざまなお話を伺いました。

株式会社アーバンライク
吉野 悟
吉野 悟社長のプロフィール画像

福岡県出身。18歳で起業し、多様な事業を展開した後、「住宅会社の常識を変える」という想いのもと、2008年にアーバンホーム株式会社を創業。
2019年に社名を株式会社アーバンライクに変更し、「理想以上の暮らしを提供するクリエイティブカンパニー」として始動。2021年7月には東京証券取引所が開設する日本で唯一の特定取引所金融商品市場「東京プロマーケット(TPM)」に熊本県初の上場を果たした。

画像引用元:株式会社アーバンライク公式サイト(https://www.urban-like.co.jp/message/

吉野 悟社長のプロフィール画像

価値観は変わりゆくもの…理解と、柔軟な対応を

昨今の価値観の変化について、所感をお聞かせください。

世の中は変わるものだと僕は思っているので、個人の考えもどんどん変わって当然なんじゃないでしょうか。

特に今はひと昔前に比べると変化のスピードがすごく早いと思うんですよ。デジタルシフトしてきた部分がかなりありますし、ジェンダーに対する考え方も進んだじゃないですか。ひと昔前だったらカミングアウトできなかったようなことも認められる社会になってきている。そうやって変わっていくのが普通だと思います。

吉野さん自身に限定して、変わったなと思うところはありますか?

最近、価値観が変わりましたね。
例えば以前は「夢を持つことが大切」だとずっと思っていたし、会社説明会でもそういう話をしてきたのですが「じゃあ夢がない人がダメなのか?」と考えた時に、そうでもないなと気づいたんです。「夢がないヤツはカッコ悪い」と思っていたけど、逆に夢がある人のほうがめずらしいんじゃないかと思えてきたんですよ。

仲のいい子と何気ない会話をしながら「将来の夢あるの?」と聞いても「特にない」と言うわけです。それはその子がダメなわけじゃなくて、社会の価値観が大きく変わったのではないかと感じた瞬間でした。

ただそれでも、夢を持つことは素晴らしいと思う。だからこそ自社について「夢を持てる職場でありたいな」という想いはあります。

「理想以上」をテーマに、
人々のライフスタイルを創造していく

組織づくりやビジネスにおいて大事にしていること、目標などがあれば教えていただきたいです。

アーバンライクでは「理想以上の暮らしを舞台に、人々の素敵な『ドラマ』を作る。」というミッションを掲げています。この「理想以上」というのが、僕の中で大きなテーマなんですよね。それは「今の自分では叶えられないことを叶えていく」ということ。

理想通りだったら、たぶん「満足」という評価になると思うんですけど、家づくりにおいて、お客様の思い通りのものを叶えるということは誰にでもできるんですよね。そのために、お金をいただいているわけですから。
理想通り、要望通りじゃダメなんですよ。お支払いいただいたお金以上のものをお客様に提供するには、プロとしての技術やノウハウはもちろん、接客態度といったお客様との関わり方もすごく大事。そうやって「理想以上」を叶えていきたいという思いが、常にありますね。

そのように考えるようになったのはなぜですか?

2018年に沖縄へ進出したことがきっかけになりました。
それまで「高品質な日本の材料で外国のような家を造る」というコンセプトで若いファミリー層を中心に多くのご注文をいただいていたのですが、沖縄では“ネームバリュー”が一切通用せず、苦労しました。そうした環境の中で試行錯誤をし、当社の強みをどうすれば最大限に活かせるのか、必死に考えました。

その結果、離島でのホテルプロジェクトやリゾート開発など、複数の事業に関わることができ、新たなビジネスモデルも生み出すことができたんです。
この経験を経て、改めて自分たちは住宅会社という枠におさまらない「建築や不動産を主軸とした、“ライフスタイル創造企業”でありたい」という思いにたどりつきました。
家づくりはお客様にとって一生に一度の経験ですから、あらゆる角度から暮らしを彩るプロデュースができたらと考えています。

「気づけばここまで来ていた」
夢が叶ったように見えるのは、結果論

紆余曲折を経て、現在の御社があるのですね。

そうですね。そもそも最初から建築不動産業をやりたいと考えていたわけではなかったんです。たまたま就職したのが工務店で、退職後に「自分に何ができるか」と考えて住宅会社を立ち上げました。
最初は輸入住宅を扱っていましたが、「自分がやりたいことはだけじゃないな」と思い始めて…それで社名も変えて今の形になったんですよね。

最初からここを目指してきたわけではなくて、できることを必死にやっていたら「気づけばここまで来ていた」という感じです。叶えようとして叶っているわけではありませんが、これはある意味で「夢が叶っている状態」なのかもしれないですよね。
だからやっぱり「夢を持つこと」自体が重要ではない。紆余曲折ありながらも志を持って挑み続けることが重要なんじゃないかと僕は思います。

編集後記

社会も価値観も常に変わっていく中で「これだ!」という夢を持つことは難しい。そこにこだわるよりも自分が今、何を大切にして、何にチャレンジしていくのかを常に問いかけながら進み続けることのほうがずっと大事で本質的なのだと学ぶことができました。
私も、今見える結果や目標のことだけを考えて焦るのではなく、心を柔らかくして変化を楽しんでいけたらと思います。

編集:佐藤 由理

「株式会社アーバンライク」概要

「住宅会社の常識を変える」を目標に、2008年前身となる株式会社アーバンホームを創業。
2012年にアーバンライクに社名を変更し、「理想以上の暮らしを提供するクリエイティブカンパニー」として事業の多角化を実現。幅広いデザインの注文住宅を手がけ、熊本県北で販売実績No.1を記録する住宅事業をはじめ、不動産事業や福祉関連施設事業、建売事業、コンテナハウス事業、一級建築士事務所と6事業を展開している。

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