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新規ビジネスで日本を変えてゆく
“世をつくる経営者”が語るビジョン

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#ビジネスで国を動かす#多角化経営#令和の虎

株式会社Visionaryの創業者である、山本 武典 氏にインタビューしました。
経営者の祖父・父のもとに生まれながら、会社を継がず独立を選んだ同氏。業界の垣根を超え、さまざまな領域で新規事業に挑み続けています。
そんな山本氏は、20代の頃どのように働いてきたのか、事業を生み出す本質的なヒント、ビジネスを通じて実現したい未来まで、詳しく聞きました。

株式会社Visionary
山本 武典
山本 武典 氏のプロフィール写真

2009年に新卒で株式会社USENへ入社、株式会社Speee参画を経て、2011年に株式会社Visionaryを創業。2018年時価総額58億円の評価を受けるも「新規事業量産型」の理念に基づき、経営を多角化してきた。
昨今ではYouTubeリアリティ番組「令和の虎」に出演し、自治体DX化サービス「コラボノ」をプレゼン。2500万円の出資が決定した。日々新たなビジネスチャレンジを続けている。

山本 武典 氏のプロフィール写真

「Z世代は危機感がない」それでも、彼らも幸せに生きていける社会を考える

Z世代の働き方についてどう思いますか。

本音を言うと「危機感がないな」と感じています。でも、これはもう仕方ないですよね。
今後の主役になるのは彼らなので、そういう人たちも幸せに生きていける社会、会社にしたいと思っています。

ご自身は20代の頃、どのように働かれてきたのでしょうか。

父も祖父も経営者で「経営の素地=営業」と言われてきたので、自分の営業力が社会でどれだけ通用するか試そうと、USENに入りました。 入社してからは1日20時間労働を週5日、土日も昼から夜まで、月400時間以上は働いていましたね。

稼げることは当たり前、目指すは「世の中をつくる」経営者

ちなみに、営業成績はいつもトップだったとか。

そうですね。ただ僕が特別多く働いていたわけではなく、稼いでいる人は皆これくらいやっていますよ。
成績も、1番難しいのは初めてトップを獲る時で、その後は自分の気持ちが折れないようにやっていれば継続できるものだと思います。

ライバルがいることは良い刺激になりましたが、彼らに勝つというより、自分がやるべきことをひたすら続けた感じですね。ベンチマークしていた経営者のレベルが高すぎて、常に「もっと高みを目指さないといけない」と思っていたので。

ベンチマークしていた人とは?

ソフトバンクの孫さんやサイバーエージェントの藤田さんに、強く憧れていました。稼ぐだけの経営者には興味がなかったんです。僕は、世の中をつくる経営者になりたかった。

Visionaryの創業後も「20年スパンで孫さんを目指すんだ」という気持ちでやっていましたが、なかなかビジネスモデルのアタリが出ず…当時はモチベーションよりも、やりきれなさが強かったですね。

数えきれないほどの“卵みたいなビジネス”の上に、Visionaryがある

そこからどのようにして、今の状態(多角化経営)までたどり着いたのでしょうか。

藤田さんのやり方を真似たものですが…マイビジネスの領域にいるだけだと、新しいアイディアは出てこないので、当時、2週間に1回は役員で集まって新規ビジネスをつくっていました。

例えば、友達や同期と飲みに行った時、その業界の情報を収集したり、徹底的にディスカッションしてビジネスを考えたり。
その業界を熟知している人たちから話を聞いて新しいインプットをして、さらにちょっと昇華させる感じです。

ネットからではなく、1次情報を取りに行くのですね。

はい、市場にある情報でつくったビジネスなんて、マジで当たりませんから。
誰でも探せる、ネットや本にある情報では差別化を図れない。しかも市場は日々変化しますから、昨日の情報はすぐ古いものになる。そういう情報をもとに事業を起こしても、コテンパンですよ。

極みのノウハウは、その日その業界をつくっている人たちが握っています。新規事業をやるなら、そこまで情報を拾いに行かないと意味がありません。

そうして得た情報をもとに、その業界の成長性や市場規模、利益率を考え、あらゆる領域を分解し尽くしてビジネスをつくるということを、ひたすら繰り返しました。勉強代もたくさん払いましたし、形になったのはほんのわずかです。
ただその中でビジネスや業界の傾向が見えてきたし、自分自身のスキルアップにもなった。これが今、活きていると思います。

とにかく情報を取りに行き、実務経験を積むと。

事業をつくるのに必要なエネルギーは半端じゃないですよ。どんなに素敵なビジネスモデルでも売れないと話にならない、営業だけでもダメ。
セールス、マネジメント、マーケティング、テクノロジー、ファイナンス。この5つのスキルが揃って初めて、起業という話が出てきます。

それも中小企業が大手に勝つには、スピード感が大事です。時間がかかるほどシェアは奪われていきますから。大手の2倍速で動けるスキルを持った人たちでチームを組まないといけないし、そこまでスキルを磨くには、経験を積むしかありません。

ビジネスと教育の両面から、日本に“豊かさ”を取り戻していきたい

今後の展望をお聞かせください。

「世をつくる経営者」とお話したじゃないですか。僕は本気で、国を変えたいと思っています。

今だって、社員や取引先やお客さんには幸せを振りまくことができる。でも、良い社会をつくりたいとか日本を豊かにしたいと思ったらやっぱり、政治から変えていかないといけない。

今後は国も動かせるような事業に参画して、より多くの人たちを幸せにしたいという野望があります。令和の虎で語った自治体DX化ビジネスも、その一環です。

利他の精神を感じます。

でもそれだけ働くことは、もちろん個人のためにもなります。

キャリアアップには相応の努力が要りますが、チームを持てたら、個人の労働時間ではなくチームの成果で評価されるようになります。そうするとプライベートの時間をつくれますよね。これが本当の、ワーク・ライフ・バランスじゃないですか?

人生において、経済力と時間は大事です。最初の10年でキャリアを築けたら経済力が増えますし、経済力を得れば時間も増えます。ワークを立てることで、プライベートが自然と立ってくるんです。

初め「Z世代は危機感がない」「でも仕方ない」と言いました。どちらも本音です。だってZ世代はこういう話を知らないんですから。
だからこそ僕は今後、こういうキャリア教育もしていきたいです。きちんと伝えて気づいてもらった上で、目指すかどうかは、彼ら自身に決めて欲しいと思います。

編集後記

「昔から野望が大きいと言われる」と笑いながらも、山本氏の発言は1つひとつが非常に重いものでした。目を覚まされるとは、このことです。
10年後の自分を変えるのは「今やるかやらないか」で、それは自分で決めればいい。ただ前者を選んだ先にある未来の豊かさを垣間見させてもらった今、どうして後者を選べるでしょうか。この記事が1人でも多くのZ世代に届くことを祈ってやみません。

編集:佐藤 由理

「株式会社Visionary」概要

2011年に設立後、7年で従業員258名規模まで成長。10年目からグループ企業を展開し、ICT事業・WEB事業を軸に成長を続けている。
自治体のDX化・働き方改革コンサルを手掛ける「株式会社コラボノ」、AIシステム開発・医療DX化の「KINDLER株式会社」をはじめ、オンラインで医師が診察・薬の処方をしてくれる、オンライン診療サービス「メディラウンジ」、人材派遣やセールスプロモーション、SNSソリューションなど、さまざまな領域でサービスを提供中。

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